厨二心をくすぐられるプロジェクトではある。文明が崩壊した後の世界でも、最小限の部品で動作出来るOSの開発に取り組む有志が居るそうである。現時点ではZ80、8086、6809等の、おじさんが失禁して喜ぶ様なCPUにも対応しているとの事である。文明崩壊後にそんなレアなチップが残っている筈が無いだろうと云う冷静なツッコミは野暮である。人類が手作業で半田付け出来るのは大体その世代までであり、それ以降に登場したチップは多分使いたくても使えないだろう。そもそも電力を安定出力するのに必須である抵抗とかコンデンサが入手出来るとも思えないし、奇跡的に全てのパーツが揃ったとしても読み取れるのはテキストファイル程度で、スマホで撮影した写真でもメモリ不足で表示出来ない気がする。紙に印刷しておくのが最強と云う味気ない結論も野暮なので、何とかスチームパンク的な解決策は無いものかと思うのだが、まずは文明を崩壊させない努力が最優先なのである。
家電量販店もビジネスモデルの見直し時かな。パナソニックは、指定した販売価格を維持する小売店にのみ商品を供給する様にしたそうである。価格拘束は独禁法違反だが、パナソニックが在庫リスクを抱える方式にする(要は書籍と同様である)事によって、この問題をクリアしているらしい。どの店舗でもネット通販でも同一価格ならば、最安値を探す手間も省ける。アフターケア等が充実した店で購入した方がお得になるし、メーカーとしても「新商品が出ると値崩れ」と云うサイクルからの脱却を図れる。少々お高くなる点を除けば悪くない話であるが、店頭での虚々実々の駆け引きが出来なくなるのはちょっと寂しい。どの程度受け入れられるかは不明だが、一番困るのは価格勝負が売りの量販店だろう。売れ残りを心配する必要が無くても売れなければ意味が無い。しかし最大のライバルは今やAmazonである。安く売って終わりのビジネスモデルは終わった様にも思えるのである。
裁判官も気苦労が絶えない。米国加州の高等裁判所は地元公益団体の訴えを認め、蜂は魚類であるとの判決を下した。ちょっとミスリードな表現であるが、同州が定めた絶滅危惧種法の曖昧な部分を突いて、蜂も対象だと認めさせる意図が有った様である。法文では「野生の魚、軟体動物、甲殻類、無脊椎動物、両生動物、あるいはこれらの動物の一部分、稚魚、もしくは卵」が魚類であると定義したが、無脊椎動物を水棲に限定していなかったのが災いした様である。ただ幼生は水中で過ごす昆虫もそれなりに居るので、その線引きは結構難しい。と言うより蜂を保護したいんだったら別途起草するのが筋に思えるのだが、それなりに時間が掛かる。だったら現行法に突っ込んだ方が良い、と云う発想も理解は出来るが、どう考えても教育上宜しくないだろう。法廷に持ち込まれたものが全てと云う司法の論理は尊重したいが、市民の常識から著しく乖離するのもどうかと思うのである。
何でもポイント付ければいいってもんじゃないぞ貰えるものは貰いますけど。この夏冬は節電に励んだらお上からポイントが頂ける様である。前年同月対比らしいので、去年無駄遣いしておくべきだったと後悔している。まだ検討段階らしいし、そもそもポイント還元する余裕が有るならその分電気代を安くしろと云う至極真っ当な反対意見も見られるので、実施されるかは微妙である。東京電力のHPに拠れば消費のピークは14時から16時の様なので、まずはご家庭よりも企業活動を止めてもらう方向で検討してみてはどうかと思うのだが、現政権にそこまでの胆力が有るとも思えない。それに経済回復も重要な課題である。全住宅の屋根にソーラーパネルを、と都知事がトチ狂うのも道理なのであるが、無論間に合わない。二律背反四面楚歌八方塞がりでの苦心の策がポイントだとすれば同情するしかないが、計画停電を周知徹底しておいた方が結果として傷は浅そうに思えるのである。
すわ、トロイの木馬か?などと昭和生まれでもそうそうしない驚き方をしてみた。マイナポータルAPのブラウザ拡張機能がバージョンアップしたのだが、その際に「利用許可サイト」の権限付与を強要された。マイナポータル以外のサイトでもマイナカード認証を可能な様にする為の下準備なのだろうが、地方公共団体マイページのドメインはともかく、「会津若松プラス」の利用許可を与えなければならない理由が、何処にも明記されていない。トロイの木馬を疑うには十分な状況だろう。一応デジタル庁のHPも見てみたがそれらしい情報は見当たらなかったので、ここはChrome Web Storeに責任を丸投げしようと決断し、利用を許可してみた。現時点では怪しいメールが増えたとかクレカ情報が抜かれたとかの実害は無いが、当面は警戒を怠らない様にしたい。会津若松プラスの出来栄えの良さを見る限り、トロイの木馬疑惑は杞憂に違いないが、もう少し情報の周知に気配りが欲しいのである。