《 空想から科学へ 》 奧菜主義革命~ 革命的奥菜主義者同盟非公然ブログ

奥菜恵さんは、精神と肉体の両方から無駄なものをすべて削ぎ落とし、必死に舞台に立っていた

なぜ今この作品を上演するのか?~~作家の今にシンクロした本

2008年05月04日 21時33分36秒 | Weblog
シアターガイド 2008/6 における奧菜恵同志の発言骨子

長塚圭史と伊達暁とは『胎内』(05年)で共演。スパイダースには初参加となる奥菜恵。
 「なんでかスーッと、昔から一緒にいたみたいな感覚で稽古しています。一緒に舞台に立てるっていうことがすごいうれしいことだし、幸せなこと。昨年、長塚さんから『新しい切り口でやりたい』って今回の方向性を伺って、それが私の中でフツフツとお芝居に対しての強い想いが湧いてきていた時期でもあって。何か新しいものを表現したいという部分が合致したんです」
 約一年ぶりの舞台出演を決意させた今作は、捉え方を観客に委ねた、ある意味自由な物語。「読んでる時は感じなかったのに、実際立ち稽古でせりふを言ったら、いきなりウッて泣きそうになっちゃったりとか。何を感じるかによって、どこで感情の波が来るか分からない」
 平凡な日常から抜け出そうとする“女”の役。「とにかく今までの生活から抜け出して、この一晩で生まれ変わるために、何でもいいから、乗っかれるものを追い求める。でも結局同じところをグルグルグルグル回って。確かなものを探したくて、見つけたくて--でも確かな物って自分の心次第。まだ稽古途中でなんて言ったらいいか分からないけど……」 どこまでも続くと思った夜がいつの間にか明るく白んでいたように、答えは舞台で見つかるだろう。


どこで演技者の感情に“波”が来たのか、
どんな“波”が来たのかを演技者が伝えきれるか、
そして私たちがその“波”を感じ取れるか、
感じた私たちがその“波”を演技者と共有できるか、
いつもに増して、表現者と感受者が共に芝居を作り上げていかねばならない演劇空間が目の前に生まれようとしているんだな、ということがよ~く伝わってきた。
これまで通りのアサスパの世界を求めたい人ほど、一筋縄では楽しめない舞台になるのかもしれない。
そこで、自らの殻を打ち破れなかった人が乗っかれる物を求めて、攻撃の矛先を奥菜さんに向けてくるのやもしれん。
「確かな物って自分の心次第。」という盟主の言葉を肝に銘じておきましょうぞ、革命的奥菜主義者諸君よ。