鶏が20羽いるのに毎日4~6個しかタマゴを産まない。
ヒヨコと雄鶏ともともとあまり産まないウコッケイを除いても11羽。
それで4~6個とは!!
もう4年になる最初の鶏がそのおもな原因。産みが悪くなっているのだ。そのくせよく食べよくヒヨコをいじめる。
これはゆるせん!
というわけで何度目かの鶏退治。
ふつう養鶏家は一年で鶏をつぶしてしまうんだよ。
朝から相撲とりの仕切りのように気分を次第に盛り上げる。
最初はなかなかやる気がしない。
倉庫には昨日から閉じ込めている鶏2羽。くっくっ・・・と鳴く鶏からついつい目をそらす。
けれど釜戸に火を点け、大きな釜にお湯を入れて沸かして、鶏を吊り下げるロープと台を用意して、調理用のテーブルやまな板やトレーを用意して、新聞紙を敷き詰めて、包丁をよく砥いで・・・なんてしているうちに気分が盛り上がってくる。
そしていよいよ意を決して軍手をして鶏を倉庫から出す。そして逆さづりにして頚動脈を切る、いちばんいやな瞬間。でも一気にしないとかえって鶏を苦しめることになる。
鶏はバタバタバタと激しく動き血がぼたぼたぼたと滴り落ちる。
そして完全に血が出るまで待って、鶏をお湯につける。それから羽をむしっていく。羽をむしった後の鶏を立たせてみると鶏は実は恐竜であることに気づく。羽はどう見ても手。恐竜のように長い足と短い手をしている。そしてティラノサウルスを食べてみたいという気になってくる。
もちろんティラノサウルスがいたら逆に食べられてしまうだろうけど。
それはともかくも、ここで軍手から調理用の手袋に変える。ここまで来ると鶏をさばくというよりも料理をしている気分になってくる。
そしてもう何度もしているので、後は割と順調に進む。
一羽からはすぐにでも産みそうな殻つきの卵が出てきた。まだ現役だったのだ!もう一羽からは多分翌日は産むだろうという柔らかい殻のタマゴが出てきた。これも現役だったのだ!
ともあれ、何とか終わり、毛などは堆肥に、頭や腸・胆嚢・胃などの内臓はぼかしに入れて後片付けをして終わり。
晩は肝臓、砂肝などを煮物にしてありがたくいただいた。
倉庫の鶏カゴにはタマゴが1個残っていた。