ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

ソルジェニーツィン死亡

2008年08月07日 07時06分21秒 | ニュースの中から
ソ連崩壊後にロシアに帰って以来すっかり忘れられていた作家、ソルジェニーツィン氏死亡。
ソ連と戦いロシア人として生きた作家。
一時とっても影響を受けたけどソ連の崩壊とともに、気になりつつも忘れていきその作品も読み直す気にはなれなかった。
ソ連が崩壊した今ソルジェニーツィンの作品のなにがこれから残るのだろう。
北朝鮮や中国などの国家がある限りは読まれ続けるだろうけど、
最後はきっと最初の作品「イワンデニーソビッチの1日」だけ残るのではないかと思う。
結局ソルジェニーツィンは社会主義なしには存在することのできない作家ではなかったか。

社会主義国家とは人間のいやらしい面が露骨に出る体制だと思う。
キリスト教には十戒があったのに社会主義にはただ「盗むのは悪だ」という一戒しかなかった。
そこには人間としてもっと大切な倫理規範がかけていたのではないか。
・・・と思わずにはいられない。
憎悪からは憎悪しか生まれない。

「収容所群島」の中の一挿話、ジグリー収容所での話を忘れることができない。
ジグリーの収容所に収容されている夫にひと目会いたくて、ジグリーの山から小さく見える収容所をいつまでもいつまでも見つめていた妻の話を。
ロシア民謡「ジグリー」を歌うたびにこの挿話を思い出す。

「イワンデニーソビッチの1日」をもう一度読み直してみようかな。
コメント (2)
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