9/3 ニッポン放送 5年生の子供の経験
それは311の時の経験だ。
津波が迫っていた。
彼の前には水が胸まできたおじさんがいて、子供の彼に救いを求めるように手を伸ばしてきた。
彼は本能的におじさんの手を取ったら、彼も水に流されるのを知っていて、
無視した。
おじさんはアッと言う間に彼と目を合わせたまま、水にさらわれた。
彼はそのことを誰にも言わずに耐えた。
でも人を殺してしまったという罪悪感が常にあった。
そうだと思う。
私は幸いにしてそういう経験はないけど、もしそういう状況で人を見殺しにしたら
罪悪感にさいなまれるだろう。
もう一人、同じく5年生。
水はまるで鉄砲水のように突然来た。
彼は足首までの水だったけれど、思うように動きが取れない。
彼の側にいた大人は50cmくらいの水だった(と思う)けど流されて行った。
彼は校舎の2階に戻った。
下が見えて、車の中にまだエンジンのかかったままの人が見える。
その人が車ごと波にさらわれた。
数日後、自宅の付近を見に行ったら、
道端に車があって、中に人が死んでいた。
この子はその後の体験をさらに言った。
死んだ人はまるで物だ。
みな、、生きている人を優先的に助けようとしている。
そうなのだ。
これはドラマで見たことだけど、
災害なんかでたくさんの怪我人がいると
医療チームは助かる程度の選り分けをまずやる。
重症で助かる可能性がほとんどない人は後回しなのだ。
脱線した。
あの助けを求めるおじさんを見つめながら逃げてしまったと思っている少年。
あなたが悪いのではない。
とは言え、起こってしまったことはどうしようもない。
今、この少年は高校2年になり、
ようやくしゃべってもいいのだと理解した。
こういう子らはどのくらいいるだろう?
ラジオ局が偶然見つけ出したけど、きっとまだモンモンとして自責の念にかられている
子はいると思う。
どうか、こういう試みを何度もやって、そういう特殊な経験をしてしまった子供たちに
手を差し伸べてほしい。