またまたトレーラーです…
前にも記事にした事があるんですが…
フルハーフが採用したフランス⁉︎メーカーの車軸であるSMB…
以前の記事でも書いた通り、この軸はタイヤを外せばハブを残してドラムだけの取り外しが可能なんですが…
最近ウチでは車検時にはハブをバラして点検する様にしてます…
理由は、ハブベアリングのインナーレースが割れる⁉︎というか欠ける事例がチラホラ出てきたんです…
当工場でも数台確認しており…今回の車両も車検整備で点検の結果、インナーベアリングが欠けてました。
コレがSMB軸のハブキャップ…

専用レンチを使用してキャップを緩めるんですが、これが固くて緩まない事があるんです…
正確に言うと、キャップに付いてるOリングの固着が酷く緩まないんです。
そんな時は酸素で炙ります…
ハブとハブキャップの隙間をめがけて、Oリングを焼き切るようなイメージで炙ります…

キャップを外すとOリングがこんな感じ…笑

ロックボルトを外してアクスルナットを取り外します…
ちなみにアクスルナットは車両右側は正ネジですが左側は逆ネジになってます。
で、プーラーで抜き取り…

ベアリング類を洗浄して点検すると…

ベアリングのインナーレースが欠けてます。
通常の使用過程でこんな割れ方は少々疑問が残りますが…
ローラーが焼けてる様な感じは見受けられないので、熱が原因でも無さそうですし…
それからこの車両は前回は某ディーラーにて車検を受けていますが…
洗浄したアクスルナットを見てると…
赤い丸の部分…

分かる方には分かると思いますが…
コレはアクスルナットを緩める時にちゃんとした道具を使わずタガネで緩めた跡なんです。
まあ1000歩譲って緩める側だけならまだしも…
締める側のキズも入ってる…という事はプレロード調整を行ってない証拠…
ベアリングが割れたのと関係があるのかどうかは分かりませんが、少なくとも前回の整備は正しく行われていない可能性が高いですね…
割れた破片がベアリングに噛み込むと回転不良から焼き付きを起こし、最悪の場合…車両火災の危険性もありますから…
割れた箇所のベアリングはインナーアウターをセットで交換します…

アウターベアリングのアウターレースにはローラーの回転痕にムラがあります…

ベアリングのアウターレースを叩いて取り外し…

ハブ内部をキレイに洗浄…

新品のハブベアリング。


シールの再使用は不可の為新品に交換します。

パルスリング一体式のハブシール…
お値段は1個で13000円…(^_^;)
ハブに新品のアウターレースを圧入…

このSMBはインナーベアリングとアウターベアリングは同一サイズを使用しています。
通常はインナーベアリングの方が大きいサイズを使用してる事が多いです。
ベアリングにグリスを注入…

ハブに組み込みシールを打ち込み。


アウターベアリングも入れてスナップリングで固定…


更にグリスを入れて…

組み付けていきます。
スピンドルをキレイに掃除して…

ハブを軸に組んでいきます…
SMBはアクスルナットに切り込みが入っていて、ボルトで締めるとアクスルナットが潰れる⁉︎というかしなる事でナットをロックする構造です…

色んな考え方がありますね…笑
アクスルナットの締め付けトルクは120Nm…

緩み防止の為のボルト…

アクスルナットをロックします…

ただ、このボルトの締め付けトルクは25〜28Nmとなってるんですが、実際にそのトルクで締め込んでいくと正直…ボルトが延びる嫌な感覚がするんですよ…
これ以上いったら折れそう…っていう。笑
なので自分は少し緩めの22〜23Nmで締めるようにしてます。
ハブキャップに新品のOリングを取り付けグリスを薄く塗って締め付け。
締め付けトルクは100Nm…

後はタイヤを規定トルクで締め直して補修塗装を行い軸整備は完了。


更に別のトレーラーのエア漏れ…
最近エア漏れがホント多い…
連結状態で駐車場に停めておくと後ろの方からシューっと音がするとの事。
現地まで出張して確認するとトレーラーのサービス側のホースから漏れており…

矢印の辺りからシューと漏れてます…

これはもうホースの劣化なので車を引取る事に…
またその時点で先端のネジサイズと全てのホースの長さを測り、いつも頼むホース屋さんに至急作ってちょ…と無理なお願い。
車両を工場に引き取ってホース類を取り外してる最中に『お待たせしました〜』とホース屋さんが…
いや、全然待ってないし…むしろまだ外し終わってないんですけど…なんて思いながらも、このホース屋さんは本当に仕事が早い…笑
いつも無理言ってるのに素早い対応にホント助かっております。
漏れてるのは1本だけですが、原因は劣化なので全数交換します…
同じホースですからね…
取り外したブレーキホース…

問題のホース…

全てのホースを交換後、漏れを確認して完了…



で、納車…
駐車場に停めて車を降りると後ろの方からシューって音が…
…え⁉︎
そんなアホな…作業後にはちゃんと確認したし…なんて考えながら漏れを確認すると、今度はダイヤフラムから結構な勢いで漏れており…
マジか〜
また会社に引き返すか⁉︎とも考えましたが戻ったら今日はもう部品も間に合わないし…
とりあえずダイヤフラムがパンクしてる訳では無いのでクランプの増し締めで対応する事に…
で、当然工具なんて持ってきてないのでどうやって締めようか…と車を物色してあったのがコレだけ…

…⁉︎
これなら何とかなるかな⁉︎
とりあえずやるしか無い…という事で…


こんな短いスパナだと手が痛くなる程力を入れないと締まりません…笑
何とか全てのチャンバーのクランプを増し締めしてエア漏れも止まりひと段落…
はぁ…なんか疲れた。
前にも記事にした事があるんですが…
フルハーフが採用したフランス⁉︎メーカーの車軸であるSMB…
以前の記事でも書いた通り、この軸はタイヤを外せばハブを残してドラムだけの取り外しが可能なんですが…
最近ウチでは車検時にはハブをバラして点検する様にしてます…
理由は、ハブベアリングのインナーレースが割れる⁉︎というか欠ける事例がチラホラ出てきたんです…
当工場でも数台確認しており…今回の車両も車検整備で点検の結果、インナーベアリングが欠けてました。
コレがSMB軸のハブキャップ…

専用レンチを使用してキャップを緩めるんですが、これが固くて緩まない事があるんです…
正確に言うと、キャップに付いてるOリングの固着が酷く緩まないんです。
そんな時は酸素で炙ります…
ハブとハブキャップの隙間をめがけて、Oリングを焼き切るようなイメージで炙ります…

キャップを外すとOリングがこんな感じ…笑

ロックボルトを外してアクスルナットを取り外します…
ちなみにアクスルナットは車両右側は正ネジですが左側は逆ネジになってます。
で、プーラーで抜き取り…

ベアリング類を洗浄して点検すると…

ベアリングのインナーレースが欠けてます。
通常の使用過程でこんな割れ方は少々疑問が残りますが…
ローラーが焼けてる様な感じは見受けられないので、熱が原因でも無さそうですし…
それからこの車両は前回は某ディーラーにて車検を受けていますが…
洗浄したアクスルナットを見てると…
赤い丸の部分…

分かる方には分かると思いますが…
コレはアクスルナットを緩める時にちゃんとした道具を使わずタガネで緩めた跡なんです。
まあ1000歩譲って緩める側だけならまだしも…
締める側のキズも入ってる…という事はプレロード調整を行ってない証拠…
ベアリングが割れたのと関係があるのかどうかは分かりませんが、少なくとも前回の整備は正しく行われていない可能性が高いですね…
割れた破片がベアリングに噛み込むと回転不良から焼き付きを起こし、最悪の場合…車両火災の危険性もありますから…
割れた箇所のベアリングはインナーアウターをセットで交換します…

アウターベアリングのアウターレースにはローラーの回転痕にムラがあります…

ベアリングのアウターレースを叩いて取り外し…

ハブ内部をキレイに洗浄…

新品のハブベアリング。


シールの再使用は不可の為新品に交換します。

パルスリング一体式のハブシール…
お値段は1個で13000円…(^_^;)
ハブに新品のアウターレースを圧入…

このSMBはインナーベアリングとアウターベアリングは同一サイズを使用しています。
通常はインナーベアリングの方が大きいサイズを使用してる事が多いです。
ベアリングにグリスを注入…

ハブに組み込みシールを打ち込み。


アウターベアリングも入れてスナップリングで固定…


更にグリスを入れて…

組み付けていきます。
スピンドルをキレイに掃除して…

ハブを軸に組んでいきます…
SMBはアクスルナットに切り込みが入っていて、ボルトで締めるとアクスルナットが潰れる⁉︎というかしなる事でナットをロックする構造です…

色んな考え方がありますね…笑
アクスルナットの締め付けトルクは120Nm…

緩み防止の為のボルト…

アクスルナットをロックします…

ただ、このボルトの締め付けトルクは25〜28Nmとなってるんですが、実際にそのトルクで締め込んでいくと正直…ボルトが延びる嫌な感覚がするんですよ…
これ以上いったら折れそう…っていう。笑
なので自分は少し緩めの22〜23Nmで締めるようにしてます。
ハブキャップに新品のOリングを取り付けグリスを薄く塗って締め付け。
締め付けトルクは100Nm…

後はタイヤを規定トルクで締め直して補修塗装を行い軸整備は完了。


更に別のトレーラーのエア漏れ…
最近エア漏れがホント多い…
連結状態で駐車場に停めておくと後ろの方からシューっと音がするとの事。
現地まで出張して確認するとトレーラーのサービス側のホースから漏れており…

矢印の辺りからシューと漏れてます…

これはもうホースの劣化なので車を引取る事に…
またその時点で先端のネジサイズと全てのホースの長さを測り、いつも頼むホース屋さんに至急作ってちょ…と無理なお願い。
車両を工場に引き取ってホース類を取り外してる最中に『お待たせしました〜』とホース屋さんが…
いや、全然待ってないし…むしろまだ外し終わってないんですけど…なんて思いながらも、このホース屋さんは本当に仕事が早い…笑
いつも無理言ってるのに素早い対応にホント助かっております。
漏れてるのは1本だけですが、原因は劣化なので全数交換します…
同じホースですからね…
取り外したブレーキホース…

問題のホース…

全てのホースを交換後、漏れを確認して完了…



で、納車…
駐車場に停めて車を降りると後ろの方からシューって音が…
…え⁉︎
そんなアホな…作業後にはちゃんと確認したし…なんて考えながら漏れを確認すると、今度はダイヤフラムから結構な勢いで漏れており…
マジか〜
また会社に引き返すか⁉︎とも考えましたが戻ったら今日はもう部品も間に合わないし…
とりあえずダイヤフラムがパンクしてる訳では無いのでクランプの増し締めで対応する事に…
で、当然工具なんて持ってきてないのでどうやって締めようか…と車を物色してあったのがコレだけ…

…⁉︎
これなら何とかなるかな⁉︎
とりあえずやるしか無い…という事で…


こんな短いスパナだと手が痛くなる程力を入れないと締まりません…笑
何とか全てのチャンバーのクランプを増し締めしてエア漏れも止まりひと段落…
はぁ…なんか疲れた。