精神衛生上悪いと言いながら、なんだかんだで見てみました。
感想を一言で表せば、
一流の政治学者であることと政治を語れる人であることは違う
んだなーと思いました。
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参議院議員選挙の結果は、予想通り。
50%そこそこの投票率で、自民・公明の圧勝、安倍内閣に
3年ないし6年の、信任を与えたかたちになりました。
初めてのネット選挙も、反原発若者候補の奮闘はありましたが、
全体への影響はマイナーだったようです。
自民党と民主党の比例代表上位当選者は、
軒並み全国的圧力団体の推す組織候補、まるで20世紀への逆戻りです。
いや逆戻りでないのは、「55年体制」とは違って、
かつての日本社会党・総評のような反対勢力の軸がなく、
野党の対決姿勢がきわめて弱いこと。
民主党政権の失政の余波は、
この国を、深刻な局面に追いやったようです。
早速ホンネが出てきたのが、麻生副総理の
憲法改正に「ナチスの手口を学んだら」発言。
まともな民主主義国なら、即解任・議員辞職です。
アメリカのユダヤ人団体や韓国・中国外務省の抗議を受けて、
苦し紛れに撤回しましたが、その歴史認識の異様さに、唖然とします。
自衛隊の国防軍への再編、集団的安全保障、
沖縄・本土へのオスプレイ配備、そして中国・韓国との外交上の困難。
電気料金・ガソリン代値上げに社会保障の貧困、
非正規雇用と格差の拡大、そこに消費税とTPP、
「アベノミクス」の神通力は、どこかで確実に効かなくなるでしょう。
でも選挙結果は、あまりに長い実験可能期間を、与えてしまったようです。
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社会党ってそんなに自民党の横暴にブレーキをかけていたでしょうか?
社会党が最大野党だった90年代初頭までの日本が
今と比べて、そこまで良い世の中だったかと言えば非常に怪しいです。
そもそも戦後日本は経済成長に比例するかのごとく、
軍事化と保守化、アメリカへの従属が進んできたわけで、
慰安婦否定や憲法改正だって、自民党がずっと言い続けてきたこと。
それに対してなんら効果的なアクションを起こせなかった
反対勢力の軸って何の意味があったのかなって思うのですが……
まぁ、それを言うなら共産党だってどっこいどっこいだろという話ですが(汗
私は社会党って結局、共産党の勢いをそぎ、
自民党の独裁をごまかすためだけに存在を許された反対野党だったと思うんですよ。
その証拠に、冷戦が終結した途端に用済み扱いになり、線香花火のように勢いが衰え、
今や比例代表選ですら1議席しか得られない幽霊政党と化してるわけです。
そういえば、社民党へのコメントはありませんでしたね?
共産党議席の増加にも言及してません。
私としては、どうして今回の参院選で社民党が比例で1票しか
得られなかったのかをお得意の理論で解説してほしかったのですが……
そもそも、加藤氏は参院選の前から、非共産系の党の得票数が少ない場合、
「悲劇的なシナリオとして共産党の漁夫の利がある」と発言する人です。
民主党が保守化し、他の野党が事実上消滅した今、唯一の
革新政党の議席が増えることのどこが悲劇的なシナリオなのでしょうか?
こういう共産党絶対許さない論に立脚して平和や正義を語るから
戦後の左翼は大衆に飽きられて捨てられたんですよ。
私が氏に対してどうしても許せないのが、
同じ左翼であるはずの共産党に対しては罵詈雑言しか浴びせず、
党に連なる知識人や議員をフルネームで呼び捨てにする一方、
なぜか極右の言論人を「さん」づけで呼ぶばかりか、
好意的に評価することですよ。
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初期の職場の変貌を見事に描いたのが、
当時トヨタ自動車で事務労働者として働き、
晩年は右派の論客としてしられた上坂冬子さんの、
第一回「思想の科学」新人賞受賞のルポルタージュ
『職場の群像』 (中公文庫)です。
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朝鮮戦争前の労使関係を描いた作品として
上坂冬子の作品を紹介・絶賛しているんですが、
私なら、いくらなんでも上坂のような戦前日本の
犯罪を全否定する詐欺師の老婆の作品をわざわざ紹介しませんよ。
だいたい、上坂は右派じゃなくて極右です。
この婆さんが沖縄戦の生存者や中国人、韓国人を主とした
明治以来の大日本帝国侵略運動の被害者を嘘つき呼ばわりし、
彼らの心を二重三重に傷つけ、何も知らない一般人をだましたまま、
謝罪もなくあの世に行ったことに対して何とも思わないのでしょうか?
こんな風に櫻井よし子や故・上坂冬子とつるむ一方で、
共産党を悪魔呼ばわりして、それで右傾化する日本の未来が心配と仰る。
ふざけるなですよ。
少なくとも今回に限っては彼の意見と共産党のそれとは合致しているのに、
漁夫の利で終わらせて「もうお終いだー!」と嘆くのはいかがなものでしょうか?
沖縄では共産党が擁立した糸数氏が当選しました。そればかりではありません。
那覇市の市議選でも擁立した候補者全員が当選しており、
しかも自民党よりも票数を多く獲得したのです。
これは全体の右傾化の流れの中での数少ない希望的ニュースだと思いますが、
単に共産党が絡んでいるだけで、否定してしまっては、大衆はついてこないし、
だからこそ社民党や緑の党が壊滅したのではないでしょうか?
いい加減、自分たちの上から目線の改革を反省すべきなのに、
自覚がないってところが主流左翼(反共左翼)の致命的な弱点だと私は思います……
感想を一言で表せば、
一流の政治学者であることと政治を語れる人であることは違う
んだなーと思いました。
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参議院議員選挙の結果は、予想通り。
50%そこそこの投票率で、自民・公明の圧勝、安倍内閣に
3年ないし6年の、信任を与えたかたちになりました。
初めてのネット選挙も、反原発若者候補の奮闘はありましたが、
全体への影響はマイナーだったようです。
自民党と民主党の比例代表上位当選者は、
軒並み全国的圧力団体の推す組織候補、まるで20世紀への逆戻りです。
いや逆戻りでないのは、「55年体制」とは違って、
かつての日本社会党・総評のような反対勢力の軸がなく、
野党の対決姿勢がきわめて弱いこと。
民主党政権の失政の余波は、
この国を、深刻な局面に追いやったようです。
早速ホンネが出てきたのが、麻生副総理の
憲法改正に「ナチスの手口を学んだら」発言。
まともな民主主義国なら、即解任・議員辞職です。
アメリカのユダヤ人団体や韓国・中国外務省の抗議を受けて、
苦し紛れに撤回しましたが、その歴史認識の異様さに、唖然とします。
自衛隊の国防軍への再編、集団的安全保障、
沖縄・本土へのオスプレイ配備、そして中国・韓国との外交上の困難。
電気料金・ガソリン代値上げに社会保障の貧困、
非正規雇用と格差の拡大、そこに消費税とTPP、
「アベノミクス」の神通力は、どこかで確実に効かなくなるでしょう。
でも選挙結果は、あまりに長い実験可能期間を、与えてしまったようです。
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社会党ってそんなに自民党の横暴にブレーキをかけていたでしょうか?
社会党が最大野党だった90年代初頭までの日本が
今と比べて、そこまで良い世の中だったかと言えば非常に怪しいです。
そもそも戦後日本は経済成長に比例するかのごとく、
軍事化と保守化、アメリカへの従属が進んできたわけで、
慰安婦否定や憲法改正だって、自民党がずっと言い続けてきたこと。
それに対してなんら効果的なアクションを起こせなかった
反対勢力の軸って何の意味があったのかなって思うのですが……
まぁ、それを言うなら共産党だってどっこいどっこいだろという話ですが(汗
私は社会党って結局、共産党の勢いをそぎ、
自民党の独裁をごまかすためだけに存在を許された反対野党だったと思うんですよ。
その証拠に、冷戦が終結した途端に用済み扱いになり、線香花火のように勢いが衰え、
今や比例代表選ですら1議席しか得られない幽霊政党と化してるわけです。
そういえば、社民党へのコメントはありませんでしたね?
共産党議席の増加にも言及してません。
私としては、どうして今回の参院選で社民党が比例で1票しか
得られなかったのかをお得意の理論で解説してほしかったのですが……
そもそも、加藤氏は参院選の前から、非共産系の党の得票数が少ない場合、
「悲劇的なシナリオとして共産党の漁夫の利がある」と発言する人です。
民主党が保守化し、他の野党が事実上消滅した今、唯一の
革新政党の議席が増えることのどこが悲劇的なシナリオなのでしょうか?
こういう共産党絶対許さない論に立脚して平和や正義を語るから
戦後の左翼は大衆に飽きられて捨てられたんですよ。
私が氏に対してどうしても許せないのが、
同じ左翼であるはずの共産党に対しては罵詈雑言しか浴びせず、
党に連なる知識人や議員をフルネームで呼び捨てにする一方、
なぜか極右の言論人を「さん」づけで呼ぶばかりか、
好意的に評価することですよ。
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初期の職場の変貌を見事に描いたのが、
当時トヨタ自動車で事務労働者として働き、
晩年は右派の論客としてしられた上坂冬子さんの、
第一回「思想の科学」新人賞受賞のルポルタージュ
『職場の群像』 (中公文庫)です。
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朝鮮戦争前の労使関係を描いた作品として
上坂冬子の作品を紹介・絶賛しているんですが、
私なら、いくらなんでも上坂のような戦前日本の
犯罪を全否定する詐欺師の老婆の作品をわざわざ紹介しませんよ。
だいたい、上坂は右派じゃなくて極右です。
この婆さんが沖縄戦の生存者や中国人、韓国人を主とした
明治以来の大日本帝国侵略運動の被害者を嘘つき呼ばわりし、
彼らの心を二重三重に傷つけ、何も知らない一般人をだましたまま、
謝罪もなくあの世に行ったことに対して何とも思わないのでしょうか?
こんな風に櫻井よし子や故・上坂冬子とつるむ一方で、
共産党を悪魔呼ばわりして、それで右傾化する日本の未来が心配と仰る。
ふざけるなですよ。
少なくとも今回に限っては彼の意見と共産党のそれとは合致しているのに、
漁夫の利で終わらせて「もうお終いだー!」と嘆くのはいかがなものでしょうか?
沖縄では共産党が擁立した糸数氏が当選しました。そればかりではありません。
那覇市の市議選でも擁立した候補者全員が当選しており、
しかも自民党よりも票数を多く獲得したのです。
これは全体の右傾化の流れの中での数少ない希望的ニュースだと思いますが、
単に共産党が絡んでいるだけで、否定してしまっては、大衆はついてこないし、
だからこそ社民党や緑の党が壊滅したのではないでしょうか?
いい加減、自分たちの上から目線の改革を反省すべきなのに、
自覚がないってところが主流左翼(反共左翼)の致命的な弱点だと私は思います……