時事解説「ディストピア」

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五輪について

2013-09-08 23:32:16 | 日本政治
東京オリンピック開催決定とのことで賑わっているなか、
大変申し上げにくいことだが、この五輪は大きな目で見れば
喜ばしいどころか嘆かわしいことになるだろう。


この五輪で誰が一番得をするのか。安倍政権と猪瀬知事だ。
アベノミクスと称し、大企業優先・労働者冷遇の奴隷経済を打ち立てようとし、
慰安婦問題をもみ消し靖国神社に閣僚が参拝する極右政権のイメージ・アップに
この五輪誘致成功という手柄は大きく貢献するだろう。

この五輪は、石原の走狗となり、君が代を歌わない教師を学校から追放し、
秘密裏に都内の高校生を自衛隊に強制入隊させる猪瀬都政の大手柄となった。

今や、ほぼすべての国民は彼らを極右・超保守派の政治家とは
みなさないだろう。危険視しないだろう。彼らの言動を疑わないだろう。

おそらく、日本を次のオリンピックの開催地として下さった猪瀬知事様を
都民や日本人は盲目的に信奉し、極右政権が2020年代前半まで続くと思う。

その間に個人に対する増税と福祉軽減、
軍事化と改憲の動きが嵐のように吹きすさぶだろう。

いまだ14万7千の住民が福島に帰れず、約3千人の作業員が
放射能に汚染された第1原発で作業にあたっているこの時期に、
二十億の札束で審査員の頬をペシペシ叩いて勝ち取ったこの勝利は、
ゼネコンと官僚、その他の国家に寄生し甘い蜜をチューチュー吸い取る
連中以外の誰を喜ばせると云うのだろう?

何度も言うが、慰安婦を特集したNHKスペシャルに干渉し、
内容を歪曲させたあの極右政治家を誇り高き日本を栄えある
オリンピック開催地へと導いて頂いた素晴らしい国家の英雄とばかりに
報道する今の無批判・権力追従の風潮(日米同盟の見直しやIAEAの独善性に言及した
鳩山氏に対する態度とは対極的だ!)は危険極まりない。

自分たちの首を絞める人間に対して、
「僕たち日本人!良い国日本を五輪の地に誘致するのに
 一生懸命に頑張った君は仲間!恩人!神様!」という喧伝を妄信し、
 喜んで殺されようとするのは愚の骨頂極まりない。