「日本の右傾化」と半ば記号化した言葉をたまに見かけますが、
今の日本は正確にいえば、本来は左翼だった人間が、あるいは
左翼を標ぼうしている人間が、「左右の枠を超えて」という美名の下、
静かに、こっそりと右傾化しているわけで、この種の問題から逃れて
単にネトウヨやヘイトスピーチを叩いているだけではいけないでしょう。
その原因を辿ると、やはり私は戦前の反共主義と天皇制を国是とする
大日本帝国の社会システムに到達するんですよね。
いずれのイデオロギーからも日本の主要な左翼は脱しきれず、
結果、国内の共産党を封じ込める格好のカモとして動かされた。
(それも本人たちは自発的にやる気満々で行動した)
それが冷戦が終結し、本格的に革命の気配が消滅した結果、
用済みとなり、社会党の解体、社民党の衰退、
あわせて主流左翼の徐々の撤退と転向が起きたと思うわけです。
今の北朝鮮問題しかり、ウクライナしかり、リビアしかり、
本来対立するはずの左翼が右翼と一緒になって騒いでいる。
これでは、衰退するのは言うまでもないでしょう。
さて、2002年、ちょうど拉致問題が発覚する前後の話ですが、
日本では小泉政権による有事関連三法案に対する学者・研究者共同アピール
というものがありました。いわゆる軍拡への反対運動です。
http://www.jca.apc.org/~kenpoweb/emerge_law/list060602.html
その署名者のリストを見ますと、吉見義明先生や渡辺治先生などの
有名な方が列を並べている一方で、「これは…」と唸らずにはいられない
方もいたりするわけです。特に中国や北朝鮮をあからさまに罵倒し、
いかにこれらの国家が地獄であるかを力説しているような方が。
つまり、日頃、日本の軍拡ばかりでなく他国との衝突、あるいは
大衆に他国への憎悪を掻き立てる発言をしている人間が
反戦運動に参加しているということ。
これは、総連や朝鮮学校を悪魔の巣窟のように話しておきながら、
いざ国内で彼らに対する常軌を逸したヘイト運動が始まると、
急いで火消しに走る辛淑玉氏や有田芳夫氏とそっくりな構図。
そして、この反戦メッセージから12年後の今、
もしかすると集団的自衛権が容認されるかも
しれない危機に陥っている。
これを単に大衆の右傾化とかナショナリズムの台頭とかいう言葉で
ごまかすことはできません。明らかに我々の側に問題があった。
「左右の枠を超えて」「中道左派「リベラル」などという妥協案ではなくて、
より明確に保守勢に対しての対決姿勢をとるべきでした。
私はレフトだぞと言うべきだった。
今では左と右とが協力して事にあたっている。
本質的な反対者が希有な存在になりつつあります。
先日、河野洋平氏が村山談話の軽視に対して苦言を漏らしたようですが、
これぐらいは自民党のハト派の方でも言えるのであり、
左翼はその上を行かなければならないのです。
ところが、現状をみると、日本の左翼は、
ますますハト派の自民党員と同じレベルの見解しか言えなくなってきている。
とすれば、何も左翼に与するメリットなどないのであり、
大衆が中道左派、中道右派、中道リベラルの立場から、
長年、政治を担当してきて安心感があるという理由から
自民党に投票するのは責められないでしょう。
そう、責めることができない。これが怖いのです。
今の日本は正確にいえば、本来は左翼だった人間が、あるいは
左翼を標ぼうしている人間が、「左右の枠を超えて」という美名の下、
静かに、こっそりと右傾化しているわけで、この種の問題から逃れて
単にネトウヨやヘイトスピーチを叩いているだけではいけないでしょう。
その原因を辿ると、やはり私は戦前の反共主義と天皇制を国是とする
大日本帝国の社会システムに到達するんですよね。
いずれのイデオロギーからも日本の主要な左翼は脱しきれず、
結果、国内の共産党を封じ込める格好のカモとして動かされた。
(それも本人たちは自発的にやる気満々で行動した)
それが冷戦が終結し、本格的に革命の気配が消滅した結果、
用済みとなり、社会党の解体、社民党の衰退、
あわせて主流左翼の徐々の撤退と転向が起きたと思うわけです。
今の北朝鮮問題しかり、ウクライナしかり、リビアしかり、
本来対立するはずの左翼が右翼と一緒になって騒いでいる。
これでは、衰退するのは言うまでもないでしょう。
さて、2002年、ちょうど拉致問題が発覚する前後の話ですが、
日本では小泉政権による有事関連三法案に対する学者・研究者共同アピール
というものがありました。いわゆる軍拡への反対運動です。
http://www.jca.apc.org/~kenpoweb/emerge_law/list060602.html
その署名者のリストを見ますと、吉見義明先生や渡辺治先生などの
有名な方が列を並べている一方で、「これは…」と唸らずにはいられない
方もいたりするわけです。特に中国や北朝鮮をあからさまに罵倒し、
いかにこれらの国家が地獄であるかを力説しているような方が。
つまり、日頃、日本の軍拡ばかりでなく他国との衝突、あるいは
大衆に他国への憎悪を掻き立てる発言をしている人間が
反戦運動に参加しているということ。
これは、総連や朝鮮学校を悪魔の巣窟のように話しておきながら、
いざ国内で彼らに対する常軌を逸したヘイト運動が始まると、
急いで火消しに走る辛淑玉氏や有田芳夫氏とそっくりな構図。
そして、この反戦メッセージから12年後の今、
もしかすると集団的自衛権が容認されるかも
しれない危機に陥っている。
これを単に大衆の右傾化とかナショナリズムの台頭とかいう言葉で
ごまかすことはできません。明らかに我々の側に問題があった。
「左右の枠を超えて」「中道左派「リベラル」などという妥協案ではなくて、
より明確に保守勢に対しての対決姿勢をとるべきでした。
私はレフトだぞと言うべきだった。
今では左と右とが協力して事にあたっている。
本質的な反対者が希有な存在になりつつあります。
先日、河野洋平氏が村山談話の軽視に対して苦言を漏らしたようですが、
これぐらいは自民党のハト派の方でも言えるのであり、
左翼はその上を行かなければならないのです。
ところが、現状をみると、日本の左翼は、
ますますハト派の自民党員と同じレベルの見解しか言えなくなってきている。
とすれば、何も左翼に与するメリットなどないのであり、
大衆が中道左派、中道右派、中道リベラルの立場から、
長年、政治を担当してきて安心感があるという理由から
自民党に投票するのは責められないでしょう。
そう、責めることができない。これが怖いのです。