相も変わらずバンキシャはお上ベッタリでうんざりです。
集団的自衛権については、浅井基文氏の著作を推薦しますが、
先日、朝鮮新報に載っていた白宗元氏のもなかなか読みごたえがありました。
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なぜ急ぐ集団的自衛権/白宗元
安倍首相は憲法の解釈変更によって集団的自衛権行使を容認し、
国の運命に関わるこの問題を閣議決定という便法で押し通そうとしている。
日本帝国主義の植民地支配の下で計り知れない被害を蒙った我々は、
日本が再び「戦争をする国」になろうとするこのような事態に無関心ではいられない。
●再び「戦争をする国」に
集団的自衛権については、人々の判断を迷わす
様々な紛らわしい論議が見られるが、核心をなすのは第一に、
日本が攻撃を受けなくても「米軍が攻撃を受けた場合は米軍を守り、ともに戦うことであり、
第二には、自衛隊は専守防衛の枠を超えて海外に派兵され米軍の戦争に加担することである。
安倍首相は「米軍が攻撃を受けているのに同盟国の日本が黙って見ていられるのか」と
大衆受けのする感情論を強調している。
しかしそもそも
世界最大、最強の軍事力をもつ米軍を攻撃できる国など今の世界には存在しない。
朝鮮、ベトナム、イラク戦争で見られたように
侵略戦争を挑発したのは常に米軍であって、
「米軍が攻撃を受けた」から始まった戦争などはない。
安倍首相の論理は架空の前提で
侵略戦争加担を合理化する詭弁だ。
自衛隊が海外派兵される場合、作戦指揮権を統一的に掌握するのは当然米軍であって、
自衛隊が自主的立場でこれに反対したり、拒絶することはできない。
海外に派兵され米軍の侵略戦争に加担すれば、多くの他国人を殺すが、
自衛隊員も殺されるのを免れることはできない。
その実例は近くにある。朴正熙軍事政権は韓国がいかなる攻撃を受けていないにも拘わらず、
米国の指示に従ってベトナム侵略に加担し、多くのベトナム人を殺し、都市や農村を破壊した。
しかしその代償として4千人の韓国軍兵士が異国ベトナムの土となった。
●武力では解決できない
集団的自衛権行使が国益に叶うというメリットについては語られるが、
それがどういう重大な結果をもたらすかというデメリットについての
真剣な論議が日本ではあまり見られないのは不思議なことである。
安倍首相は集団的自衛権行使の実例として
しばしば朝鮮民主主義人民共和国を引き合いに出した。
日本の国会で暴露されたように防衛庁(当時)が作成した「三矢作戦」、
「フライング・ドラゴン作戦」や朝鮮有事に際しての「邦人救出」など
自衛隊が朝鮮半島に出動して米軍と共同作戦を展開する計画が立てられたのは一度や二度ではない。
日本の責任ある政治家は朝鮮のミサイル基地に対する先制攻撃まで主張している。
朝鮮戦争当時、日本の基地から発進した米軍爆撃機は朝鮮全土を廃墟にした。
しかし反撃力のなかった当時の朝鮮はただの一発の報復もできなかった。
だが現在、事態は根本的に変化した。長期にわたり
米国の核脅威の圧迫に苦しんだ朝鮮は今や自主的な抑止力を持っている。
もし米軍が核攻撃を行うならば、米本土はもとより太平洋上や
日本の米軍基地に報復攻撃も加えることを朝鮮はオバマ大統領に正式に通告している。
第二次大戦中、日本に投下された爆弾は16万2千㌧であるが、日本全土は焼け野原となった
。破壊力が飛躍的に増大した現代の戦争でその代価は、これとは比べようもないだろう。
現在の日本の政治家の多くは戦争の惨禍を知らない世代だと聞くが、
朝鮮出兵、先制攻撃を主張する人たちは、現実の事態を冷静に熟慮したうえで発言している。
現在、安倍政権が強調する集団的自衛権問題は、
長い先まで見通した戦略的見地からなされているようには見えない。
経済的、政治的な衰退が目立ってきた米国が激変する情勢のなかで
20年、30年後も今のような地位を維持できるのかは誰も断言できない。
さらに米国は自らの国益で動くのであって、
日本の利益をあくまで守ってくれる訳ではない。
尖閣諸島問題で米国はリップサービスはするが日本の領有権まで認めてはいない。
最近「米国は本当に日本を守ってくれるだろうか」の声がしきりに聞こえてくるが、
中国の激変に巻き込まれず国益を守りたい米国の本心が透けて見える。
米国の伝統的アジア外交は
「アジアでの戦争はアジア人同士で戦わせる」
ことである。
米国は韓日関係の改善を焦っているが、
朝鮮有事に米軍の身代わりに韓国軍と自衛隊を前面に立たせ、
軍事費も負担させるためであって、「韓日友好親善」のためでは決してない。
日本は明治以来、武力を持ってアジアの国々に対してきた。
日本軍国主義は70年ほど威勢を振るったが、結局、敗戦という破局で終末を告げた。
今の東アジアで武力による対決では何事も解決できない。平和こそ貴重である。
日本の繁栄と発展をもたらした平和憲法はそれを実証している。
http://chosonsinbo.com/jp/2014/06/なぜ急ぐ集団的自衛権/白宗元
(適宜、読みやすいように漢字に直したり、大文字にしたり色を付けた)
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この集団的自衛権に関して言うべきことを全て言ったような文章。
要するに、今でさえ沖縄を人身御供に守って頂いているのに加え、
今度は、朝鮮半島を侵略する手足となれというわけです。
安倍首相は日本の矜持をやたらと強調しますが、
実際には、アメリカ優位のTPP、株高が目的のアベノミクス、
法人税の減税、そしてこの集団的自衛権とアメリカの傀儡であるかのように
米国や財界、外資企業の利益に沿った政策を行っています。
ナショナリズムを強調する独裁国家にありがちですが、
国内的には民族主義を強調し愛国心を強制する一方で、
自身の後ろ盾となる宗主国に対しては終始平服、追従の意を崩さない。
「独裁」という言葉は非常に乱暴に使われていて、
いわゆるオーウェル主義者(ジョージ・オーウェルを持ち上げる連中)も
好んで使用しますが、独裁とは他国の後ろ盾があって初めて可能なものです。
フィリピンのマルコス政権しかり、インドネシアのスハルト政権しかり、
チリのピノチェト政権しかり、そしてイラクのマリキ政権しかり。
この言葉の持つイメージを過度に強調し、いわゆるスターリン政権時の
ソ連を連想させようと躍起になった結果、実は今の日本こそ、独裁国家に
他ならない(他国の権威を利用し、国内の民主的制度が形がい化している)
のだという認識を鈍らせているような気がしてなりません。
若干、路線がずれましたが、いずれにせよ、
宗主国のお伺いを立てながら国内の情報機関を懐柔し、
数の論理に任せて好き放題に暴れまわっているこの暴挙は
日本史において、ある意味歴史に刻まれる瞬間となりましょう。
集団的自衛権については、浅井基文氏の著作を推薦しますが、
先日、朝鮮新報に載っていた白宗元氏のもなかなか読みごたえがありました。
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なぜ急ぐ集団的自衛権/白宗元
安倍首相は憲法の解釈変更によって集団的自衛権行使を容認し、
国の運命に関わるこの問題を閣議決定という便法で押し通そうとしている。
日本帝国主義の植民地支配の下で計り知れない被害を蒙った我々は、
日本が再び「戦争をする国」になろうとするこのような事態に無関心ではいられない。
●再び「戦争をする国」に
集団的自衛権については、人々の判断を迷わす
様々な紛らわしい論議が見られるが、核心をなすのは第一に、
日本が攻撃を受けなくても「米軍が攻撃を受けた場合は米軍を守り、ともに戦うことであり、
第二には、自衛隊は専守防衛の枠を超えて海外に派兵され米軍の戦争に加担することである。
安倍首相は「米軍が攻撃を受けているのに同盟国の日本が黙って見ていられるのか」と
大衆受けのする感情論を強調している。
しかしそもそも
世界最大、最強の軍事力をもつ米軍を攻撃できる国など今の世界には存在しない。
朝鮮、ベトナム、イラク戦争で見られたように
侵略戦争を挑発したのは常に米軍であって、
「米軍が攻撃を受けた」から始まった戦争などはない。
安倍首相の論理は架空の前提で
侵略戦争加担を合理化する詭弁だ。
自衛隊が海外派兵される場合、作戦指揮権を統一的に掌握するのは当然米軍であって、
自衛隊が自主的立場でこれに反対したり、拒絶することはできない。
海外に派兵され米軍の侵略戦争に加担すれば、多くの他国人を殺すが、
自衛隊員も殺されるのを免れることはできない。
その実例は近くにある。朴正熙軍事政権は韓国がいかなる攻撃を受けていないにも拘わらず、
米国の指示に従ってベトナム侵略に加担し、多くのベトナム人を殺し、都市や農村を破壊した。
しかしその代償として4千人の韓国軍兵士が異国ベトナムの土となった。
●武力では解決できない
集団的自衛権行使が国益に叶うというメリットについては語られるが、
それがどういう重大な結果をもたらすかというデメリットについての
真剣な論議が日本ではあまり見られないのは不思議なことである。
安倍首相は集団的自衛権行使の実例として
しばしば朝鮮民主主義人民共和国を引き合いに出した。
日本の国会で暴露されたように防衛庁(当時)が作成した「三矢作戦」、
「フライング・ドラゴン作戦」や朝鮮有事に際しての「邦人救出」など
自衛隊が朝鮮半島に出動して米軍と共同作戦を展開する計画が立てられたのは一度や二度ではない。
日本の責任ある政治家は朝鮮のミサイル基地に対する先制攻撃まで主張している。
朝鮮戦争当時、日本の基地から発進した米軍爆撃機は朝鮮全土を廃墟にした。
しかし反撃力のなかった当時の朝鮮はただの一発の報復もできなかった。
だが現在、事態は根本的に変化した。長期にわたり
米国の核脅威の圧迫に苦しんだ朝鮮は今や自主的な抑止力を持っている。
もし米軍が核攻撃を行うならば、米本土はもとより太平洋上や
日本の米軍基地に報復攻撃も加えることを朝鮮はオバマ大統領に正式に通告している。
第二次大戦中、日本に投下された爆弾は16万2千㌧であるが、日本全土は焼け野原となった
。破壊力が飛躍的に増大した現代の戦争でその代価は、これとは比べようもないだろう。
現在の日本の政治家の多くは戦争の惨禍を知らない世代だと聞くが、
朝鮮出兵、先制攻撃を主張する人たちは、現実の事態を冷静に熟慮したうえで発言している。
現在、安倍政権が強調する集団的自衛権問題は、
長い先まで見通した戦略的見地からなされているようには見えない。
経済的、政治的な衰退が目立ってきた米国が激変する情勢のなかで
20年、30年後も今のような地位を維持できるのかは誰も断言できない。
さらに米国は自らの国益で動くのであって、
日本の利益をあくまで守ってくれる訳ではない。
尖閣諸島問題で米国はリップサービスはするが日本の領有権まで認めてはいない。
最近「米国は本当に日本を守ってくれるだろうか」の声がしきりに聞こえてくるが、
中国の激変に巻き込まれず国益を守りたい米国の本心が透けて見える。
米国の伝統的アジア外交は
「アジアでの戦争はアジア人同士で戦わせる」
ことである。
米国は韓日関係の改善を焦っているが、
朝鮮有事に米軍の身代わりに韓国軍と自衛隊を前面に立たせ、
軍事費も負担させるためであって、「韓日友好親善」のためでは決してない。
日本は明治以来、武力を持ってアジアの国々に対してきた。
日本軍国主義は70年ほど威勢を振るったが、結局、敗戦という破局で終末を告げた。
今の東アジアで武力による対決では何事も解決できない。平和こそ貴重である。
日本の繁栄と発展をもたらした平和憲法はそれを実証している。
http://chosonsinbo.com/jp/2014/06/なぜ急ぐ集団的自衛権/白宗元
(適宜、読みやすいように漢字に直したり、大文字にしたり色を付けた)
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この集団的自衛権に関して言うべきことを全て言ったような文章。
要するに、今でさえ沖縄を人身御供に守って頂いているのに加え、
今度は、朝鮮半島を侵略する手足となれというわけです。
安倍首相は日本の矜持をやたらと強調しますが、
実際には、アメリカ優位のTPP、株高が目的のアベノミクス、
法人税の減税、そしてこの集団的自衛権とアメリカの傀儡であるかのように
米国や財界、外資企業の利益に沿った政策を行っています。
ナショナリズムを強調する独裁国家にありがちですが、
国内的には民族主義を強調し愛国心を強制する一方で、
自身の後ろ盾となる宗主国に対しては終始平服、追従の意を崩さない。
「独裁」という言葉は非常に乱暴に使われていて、
いわゆるオーウェル主義者(ジョージ・オーウェルを持ち上げる連中)も
好んで使用しますが、独裁とは他国の後ろ盾があって初めて可能なものです。
フィリピンのマルコス政権しかり、インドネシアのスハルト政権しかり、
チリのピノチェト政権しかり、そしてイラクのマリキ政権しかり。
この言葉の持つイメージを過度に強調し、いわゆるスターリン政権時の
ソ連を連想させようと躍起になった結果、実は今の日本こそ、独裁国家に
他ならない(他国の権威を利用し、国内の民主的制度が形がい化している)
のだという認識を鈍らせているような気がしてなりません。
若干、路線がずれましたが、いずれにせよ、
宗主国のお伺いを立てながら国内の情報機関を懐柔し、
数の論理に任せて好き放題に暴れまわっているこの暴挙は
日本史において、ある意味歴史に刻まれる瞬間となりましょう。