時事解説「ディストピア」

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戦争を切望する平和主義者たち

2013-12-17 00:07:20 | 北朝鮮
まずは次の引用文を読んで頂きたい。

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朝鮮民主主義人民共和国の国内政治体制が
いかに厳しい独裁体制であろうとも、他民族の国家を
軍事侵略した事は一度もない(朝鮮戦争は飽くまで同民族の内戦である)。

それどころかベトナム戦争の例などを見ても分かる通り、
むしろ欧米先進国の帝国主義戦争・植民地侵略に抵抗してきた。

翻って日本はどうなのか。

大日本帝国時代は言うまでもなく、
戦後民主主義体制に変わってからも朝鮮戦争・ベトナム戦争・
湾岸戦争・イラク戦争などアメリカの帝国主義侵略戦争を手助けしつつ、
それに便乗して自国軍(自衛隊)の海外派兵を実現
(すなわち事実上の大日本帝国復活)させてきたではないか。

その挙げ句が今回の特定秘密保護法である。

侵略戦争をした事がない朝鮮と、
帝国時代から侵略と海外派兵を一貫して続けて来た
日本が同じであるはずがない。

「侵略戦争をした事がない国・帝国主義侵略に反対してきた国」が
ネット右翼の理想郷だって? kojitaken氏の論理によれば
日本の右翼は何という平和主義者でありましょうか! 

北朝鮮は日本に対して植民地支配の賠償と謝罪を求めてるんだぜ。
そんな国がネット右翼の理想郷? kojitaken氏の論理によれば、
日本の右翼は植民地支配の賠償と謝罪に賛成しているという事にもなるではないか。

http://roodevil.blog.shinobi.jp/Date/20131214/
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上の文章は、極右政治家が目指す日本と北朝鮮は似ているに違いない
という意見に対して反論したものである。そちらの文章も引用する。

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「報道の自由」のない北朝鮮とは、ある意味
「特定秘密保護法」を強行採決で成立させた安倍晋三や、
その安倍を熱烈に支持するネトウヨたちにとっての「理想郷」
と言っても過言ではない。

実際、安倍晋三が回帰を目指す戦前の日本においても、
権力による残虐かつ理不尽な殺人は、日常茶飯事として行われていたのである。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20131214
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日本の平和主義者たちの中には北朝鮮や中国、ロシアのような
社会主義国家に対して烈火のような怒りをぶつける者が少なくない。

実際、今回の北朝鮮における要人処刑に対しても
同じような態度で接する人間がほとんどである。
しかし、こういう態度は日本の軍事化に拍車をかけてはいないだろうか?


実際、この処刑事件を契機にこれまで一応マナーとして行われた
特定秘密保護法の強行採決への批判もぱったりと止んでしまった。

同法には軍事だけでなく外交に関連する事項も
秘密扱いできるものであり、間違いなく今後の日米同盟や沖縄問題は
一部の役人とアメリカとの間の秘密協議によって扱われるだろう。


現在の阿倍政権が目指しているのは、上層部だけが情報を取得し、
好き勝手に国の行く末を決定することができる権利であり、これは
「中国や北朝鮮のような危険極まりない国家から、
 日本を守るために必要なのだ」という理屈で正当化されている。


そんな矢先に待ってましたとばかりに北朝鮮を悪役に仕立て上げる
ニュースが報道され、それに同調して「けしからん」と叫んでは、
やはり安倍は正しかったと味方するようなものだ。事実上の支持者である。


日本は自衛隊や三菱重工、東芝などが軍需産業に関わるのを
正当化するために、ソ連が危険極まりない国だと危機をあおり、
ソ連から国を守るために必要なのだという理屈を通してきた。

そして、ソ連という国が亡くなった今、
代わりに北朝鮮を口実に軍拡を進めている。



な?北朝鮮は危険だろう?
こんな国から日本を守るためには
軍事化しなくちゃいけないんだ!

・・・といったところだ。


本来なら平和主義を叫ぶ人間は、日本の北朝鮮に関する情報は、
同国の敵国である韓国を経由したものであり、
かなり偏向した内容であることを指摘するべきなのだ。


ところが、いわゆる左翼たちが今回の事件に対して
行っていることは、やれ残酷だ、やれ野蛮だと叫ぶだけで、
まるでキリスト教徒がアメリカ大陸の先住民族に対して行った
自分たちのモラルを満足させるためだけの棄教活動を見ているようだ。


すでに安倍政権は尖閣諸島を中国の「魔の手」から守るために
軍事費を増加させ、軍拡する計画に着手しだした。

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政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・北岡伸一国際大学長)は
11日、外交・軍事戦略の指針となる初の「国家安全保障戦略」と、
新「防衛計画の大綱」の概要を了承しました。

同日、政府は自民党部会に新たな「中期防衛力整備計画」(中期防)の概要を提示。
これら一連の文書を17日に閣議決定します。大綱・中期防の見直しは2010年12月以来です。

また、大綱の基本概念について、「動的防衛力」を改め、
「統合機動防衛力」とすることを確認しました。

「国家安保戦略」では、中国の防空識別圏設定について
「既存の国際秩序とは相容(い)れない独自の主張に基づき、
力による現状の変更の試み」であると指摘。

さらに、「大綱」でも、中国の尖閣諸島への対応を念頭に
「沿岸国による自国権利の一方的な主張・行動により、
公海の自由が不当に侵害される状況が発生」していると述べています。


それへの対応として、「南西地域の防衛態勢の強化」を明記。
自衛隊の「海兵隊」化=「水陸両用作戦能力」の整備を打ち出し、
オスプレイや水陸両用車の導入など南西諸島での増強計画を示しました。




これらを実施するため、防衛省は中期防の総額(来年度から5年間)を、
現行の約23兆5千億円を大きく上回る約25兆円を要求しています


また、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」を明記
現大綱では、米軍再編の「具体的措置を着実に実施する」と
述べるにとどまっているのに対し、同県名護市辺野古への
新基地推進を鮮明にしました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-12/2013121201_02_1.html
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こういう状況下、あいも変わらず中国や北朝鮮のような
社会主義国、つまり共産主義は絶対に!絶対に許さんのだぁあ!
という態度でいては、かえって自民党を応援するようなものだ。


結局、具体的な政策に見解の相違があるだけで本質は同じなのである。
私が反共左翼を毛嫌いしているのも、一見反対しているようで
実際はゴーサインを送っているのに等しい行動をしているからである。


かつて日本の知識人は9.11が起きた時に
「日本の神風特攻隊と似ている」と称して
テロリストのバッシングを総力で行い、
アフガン戦争を支持した。


その結果、10年以上もアフガニスタンでは
罪もない大勢の子どもや女性、老人たちが
反政府活動の名の下に打ち殺されている。

そしてその被害はパキスタンをはじめとした隣国にまで及んでいる。


北朝鮮は大日本帝国に似ているという発言ほど罪深いものはない。
戦争に反対しているようで、その実、軍事化に手を貸す輩が反省した例はない。


左翼をはじめとした知識人はもっと自分の正義感を大切にしたほうがいいと思う。
少なくとも、今の気に入らない国はぶっ潰せ路線では外交どころか内政すら
向こうの思うがままに振り回されるだろう(現にそうなっている)。

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