時事解説「ディストピア」

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本当に非軍事的な支援だったのか? (安倍政権の軍事政策 中東・アフリカ編)

2015-01-27 00:22:29 | 軍拡
2億円は非軍事支援。一連の報道では、こう論じられている。

彼らは安倍政権が日本初の海外軍事基地を設置しようとしていることを知らないのだろうか?


日本は2011年6月、東アフリカの海賊対策を目的に
ジブチの国際空港に隣接する12ヘクタールの敷地に拠点を設けた。


この基地は国外における唯一の日本の基地であり、自衛隊180人が駐留している。
これを本格的に軍事基地として永続的に使用することを目論んでいるわけだ。



この件について、イランラジオのホセイニー解説員は次のように述べた。


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国外に初めての軍事基地を設置するための日本政府の努力は、
国際レベルでの自衛隊の役割を拡大しようとする
日本の右寄りの安倍首相による新たな歩みと見られています。


日本政府は、この目的を実現するため、第1段階として、
アフリカのジブチにある一時的な基地の可能性を利用しようとしています。


日本は2011年、ジブチの国際空港に隣接する12ヘクタールの敷地に、
海賊対策を目的に一時的な拠点を設置しました。

国外で唯一の日本の軍事基地であるこの拠点は、
自衛隊180人が4ヶ月ごとに交代して駐留しています。


日本はアデン湾の旅客船や商船の安全な航行を保証するとしています。



日本のあらゆる軍事行動は同国の憲法に反するため、
政府は国会で憲法の解釈を変更する法案を可決しました。


以前の法では、日本政府には国連平和維持活動と
近隣諸国の有事の際の活動の場合にのみ、参加が許されていました。


最近首相に再選された安倍首相は、現在、自衛隊の役割を拡大しようとしています。



安倍首相は、自衛隊がアメリカなどの同盟国と共に、
外国の軍事作戦に参加することを求めています。



安倍政権はこの目的を実現するために、ジブチの軍事基地を利用しようとしているのです。


自民党政権は、国外での軍事活動に対する国内や地域でのマイナスの反応により、
これまで同様、自衛隊の参加を自然災害時の救援や国連平和維持活動の枠内で
正当化しています。



日本の防衛関係者は今回、テロ活動や有事に対処するための
アフリカにおける同国初の常設基地の設置について発表しましたが、
これは国外での自衛隊の行動に対する懸念の裾野を広げています。


日本はジブチでの軍事基地を地域における自衛隊の活動の初の拠点に変えようとしています。
この措置は明らかに、日本の過去の軍国主義に抗議する近隣諸国の懸念を煽ることになるでしょう。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/
51467-%E5%88%9D%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%8
1%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E5%9F%BA%E5%9C%B0

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安倍の集団的自衛権、積極的平和主義の具体的な姿はこのようなものである。


安倍はエジプトにおいて積極的平和主義の重要性を主張していたらしい。

とするならば、将来的に、集団的自衛権を理由に、


エジプトでテロ発生→自衛隊出動→空爆

となることを望んでいるのは火を見るより明らかではないか。
(現にアメリカやフランスは同様の行為をイラクやリビアで今行っている)



日本近代史では、日清戦争で、まさにこのような事態が発生した。
朝鮮における農民反乱の鎮圧を口実に、まず朝鮮の王朝が占拠された。


一応フォロー(?)すると、同様のことは現在進行形で欧米諸国が
行っていることであり、日本のみが特別悪いというわけでもない。
(植民地主義・帝国主義というものは、得てしてかようなものなのだ。)



都合よく忘れられているが、安倍首相は事件以前に、
エジプトを含んだISISと交戦中の国家に向け、3000億円の支援を行うと表明していた。



実は、この3000億円には
原発建設や兵器産業への参入が含まれている。



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日本は昔から、中東に幅広く参入し、多くの家電製品などを輸出してきましたが、
現在、この地域のその他の経済分野に積極的に参入しようとしています。

中東諸国の電力確保を目的とした
原子力発電所の建設への積極的な参加、
これらの国の防衛分野への協力も、
安倍首相が、
日本経済の問題を解消するために重要だ
とし、それを強調している
事柄です。




安倍首相は、防衛装備移転三原則など、
防衛問題に関する一部の法を変更し、
日本製の武器の新たな市場を獲得しようとしています。


http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/51413-%E6%97
%A5%E6%9C%AC%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AE%E4%B8%AD%E6%9D%B1%
E6%AD%B4%E8%A8%AA%E3%81%AE%E7%9B%AE%E7%9A%84

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どう解釈しても、これらの行為は、
日本が直接、ISISの交戦国家に対して軍事支援しているものである。


日本政府は「2億円は難民救助のためのもの」と主張しているし、
どのメディアもそう伝えているのだが、その一方で、日本が同地域で
軍事的に進出しようとしていることについては、なぜか触れようともしない。



2億円が難民支援のものだというのは恐らく事実だろう。
だが、それ以上の膨大な金額が軍事・兵器産業に費やされる以上、
それは巨悪の中の小善としか言いようがない。



重要なのは、海外基地の建設や兵器の輸出が現地のテロを刺激しないかということ、
仮に刺激したとしても、現地の日本人を保護するシステムも検討されているのかということだ。


今回のテロ事件は、日本政府が後者に対して
ろくに対策を立てていないことを如実に示すことになってしまった。


中国が責めてくるぞ、北朝鮮がミサイルを飛ばすぞ、
だから9条改正が必要だ、軍拡が必要だと喧伝される一方で、
肝心の国民の保護・救助については何にも議論されてこなかったわけである。


確かに、中国や北朝鮮のバッシング本は腐るほどあるが、
これと同程度の割合で日本人をテロから守るための方策について
述べた本が出版されているのかと言うと、これは非常に怪しい。


集団的自衛権の容認は、他国への軍事介入は可能になるが、
肝心のテロ予防には何にも意味がないことは英米仏国内のテロ事件を見れば明らかだ。



にも関わらず、安倍や田母神、その他の右翼政治家は、
戦争によって一儲けしようとすることしか考えてこなかった。


先日、亡くなったとされる湯川氏が経営していた軍事会社といい、
兵器や兵士の輸出および原発などの危険な施設の建設確保を優先して、
肝心の日本人やアラブ人の人命救助は二の次にしてきた。


彼らを監視するはずのネトウヨも崇拝するばかりで批判を怠っていた。


そのツケがいま、帰ってきたような気がしてならないのである。


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