「だれと電話をしていたんですか?」
病院の一室で長男と寝ているのは、雲伯地方を根城にラノベなどを執筆している作家
向田利一郎の妻浪江である。ふと懐かしそうな感じに成っていた夫に質問をした。
「ああ、小学校時代の恩師とだ。小学校を卒業した跡も、交流が続いている。」
携帯の電源を切って、浪江の方を見た。
「小学校時代の恩師とですか。米子のご両親とは電話をかけないのですか?」
浪江は悲しい顏をした。
もともと、向田利一郎は大学進学で松江に引っ越してきて、そのまま棲み着いている有様である。
生まれたのは松江だが、幼い頃に米子に引っ越して高校までそこで暮らしていた。
大学合格までは上手くいっていた・・・。しかし、就職せずにくだらない小説を
書いていた、利一郎に愛想を尽かして、両親とは仲がこじれたままだった。
浪江とは大学在学中に出会う。彼女の出身地は出雲市だ。
「もうすぐ、出雲市の両親が見えてね。その両親が地元では新進気鋭の造り酒屋の
日本酒を持ってくる見たい。」
浪江の言葉を聞いた利一郎は窓の風景を見ていた。
「そういえば、この前も来た藤崎と綾田といわれる關東から来た編集者、なんだか
俺に、小説を執筆してくれと執拗くせがむな、他に中山とかいう編集者も
俺に時代小説を執筆して欲しいと言うが、ラブコメしか書いたことのない俺に
どう書けと思ったけれども、ぼちぼち返答を出そうと思う。」
窓の風景を見ていた利一郎は浪江と長男を見た。
「追い出すんですか。」
浪江は、複雑な顏をした。
つづく
病院の一室で長男と寝ているのは、雲伯地方を根城にラノベなどを執筆している作家
向田利一郎の妻浪江である。ふと懐かしそうな感じに成っていた夫に質問をした。
「ああ、小学校時代の恩師とだ。小学校を卒業した跡も、交流が続いている。」
携帯の電源を切って、浪江の方を見た。
「小学校時代の恩師とですか。米子のご両親とは電話をかけないのですか?」
浪江は悲しい顏をした。
もともと、向田利一郎は大学進学で松江に引っ越してきて、そのまま棲み着いている有様である。
生まれたのは松江だが、幼い頃に米子に引っ越して高校までそこで暮らしていた。
大学合格までは上手くいっていた・・・。しかし、就職せずにくだらない小説を
書いていた、利一郎に愛想を尽かして、両親とは仲がこじれたままだった。
浪江とは大学在学中に出会う。彼女の出身地は出雲市だ。
「もうすぐ、出雲市の両親が見えてね。その両親が地元では新進気鋭の造り酒屋の
日本酒を持ってくる見たい。」
浪江の言葉を聞いた利一郎は窓の風景を見ていた。
「そういえば、この前も来た藤崎と綾田といわれる關東から来た編集者、なんだか
俺に、小説を執筆してくれと執拗くせがむな、他に中山とかいう編集者も
俺に時代小説を執筆して欲しいと言うが、ラブコメしか書いたことのない俺に
どう書けと思ったけれども、ぼちぼち返答を出そうと思う。」
窓の風景を見ていた利一郎は浪江と長男を見た。
「追い出すんですか。」
浪江は、複雑な顏をした。
つづく