ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

そのスピードで_6

2010-11-20 18:38:04 | 信・どんど晴れ
コンサートが終わって数日。
礼美は宇品とともに、今後の番組のことを考えていた。
「先日赤煉瓦のライブでやってきた彼を呼ぶかどうか。」
礼美は冷静な表情をしていた。
「面白いとは思うのですよ。」
意外にもjazzなどが好きな礼美に勧めた宇品。
「そうね・・・。」
難しい顏がゆるんだ礼美。
「韓国の伝統楽器ってk-popとは違った切り口があっていいかも。」
宇品はそう言った。
「それも考えている。今サッキの彼を紹介することによって
新しい韓国音楽の紹介になるかもしれない。」
礼美は番組の構想を考えつつ、新しいcdを漁っているようだ。
「先日の人は、久良岐駅で無料ライブをやりたいとか。」
宇品は、にやっとした。
「えっ。久良岐駅?!私の地元じゃない。」
礼美は目が團栗のようになった。
うれしそうな感じになるとこういう目になる宇品は知っている。
「まあ、面白そうですよね。このときに実況収録にいってもいいかも・・。」
先を歩いている礼美に宇品は声をかけた。
おわり
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そのスピードで_5

2010-11-20 18:37:31 | 信・どんど晴れ
ライブはまだ続いていた。
礼美は、聞き覚えのある曲に聞き惚れていた。
「たしかStingのenglish man in newyorkじゃないですか。」
横から宇品が割ってはいる。
「そうよ・・・。この曲ってレゲエっぽいというけれどもjazzyな感じがするから
昔から好きなのよ。」
といって、麥焼酎のロックを口にする。
宇品は思っていたことを口にした。
「樣になるんですよね。昼間はコーヒーか紅茶、夜は焼酎かウィスキーを
飲んでいるところが・・。」
礼美は後輩を一瞥して
「そう・・・。」
と言って、テグムの演奏者の方を見る。
なんともスモーキーで渋い音だなと思う。
「こういう民族楽器とジャズやファンクという組合って面白い。」
宇品は改めて考える。
「もう一人来るつもりだったけれども、駄目だった・・。」
礼美は少し不満そうだった。
「まあ、2人だけでも・・。」
宇品は礼美の顔を見て、そして笑った。
彼女は、頼んだテキーラサンライズを口にした。
なんとも、甘さと苦さが口に広がる。
今の自分なのかな。とふと考えてみる。
つづく
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そのスピードで_4

2010-11-20 18:37:07 | 信・どんど晴れ
赤煉瓦。
此處にあるジャズのライブスポットのような場所で、
特殊なジャズライブが、行われていた。
礼美は宇品を伴って、ここに来ていた。
「この楽器、尺八でしょうかね。」
宇品はその音色を聞いて、考え込んでいた。
「尺八ね・・・。でも横笛みたいね・・・日本の其れと比べたら太いし・・。」
音楽のImageは、キャンディー・ダルファーあたりを彷彿とさせるファンクというかクラブジャズ
である。
「不思議な音ですね・・。韓国の伝統楽器なんだ・・・」
異国に不思議な物があることにビックリしている宇品。韓国音楽といえばk-popぐらいしか
聞いたことがないからだ・・・。
演奏が終わり、演奏者が
「いかがですか。韓国の伝統楽器テグム、私はこれでジャズやファンクを演奏する事に
面白さを感じています。来日して・・・。」
演奏者が語っている・・・。
「彼、私の番組で紹介しようと思う。」
礼美は宇品の顔を見る。
「へぇ・・。東岡先輩らしいっすね。」
宇品は苦笑した。
つづく
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そのスピードで_3

2010-11-20 18:36:32 | 信・どんど晴れ
「ろーばーに乘ってゆこう・・・。」
宇品が自分の番組で流した音楽を口ずさんでいた。
このバンドは1960/70年代のヒッピー風の音を作るバンドで
メンバーが全員沖縄出身で宮古島出身の人間も含まれている。
「へぇ。影響を受けたバンドがドアーズとccrとLed Zeppelin、Deep Purpleですか・・。」
宇品はメンバーの言葉に耳を傾けていた。
實を言うと宇品は、1960/70年代のヒッピー路線のバンドやグラムロックが好きである。
先輩である礼美とは違う嗜好である。
彼女は古い音楽であればモータウンなどのr&bなどが好きなのだ。
「でも、なんでロバなんですか?」
宇品は番組での自分の言葉を思い出していた。
「それはですね、馬じゃ早すぎる、ロバだったらマイペースのスピードで歩けるから。」
と、作詞を担当したメンバーが語っていた。
自分のスピード、自分は持っているのかな、宇品は思っていた。
先に独立した先輩は私をどう考えているのかな。
つづく
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そのスピードで_2

2010-11-20 18:35:58 | 信・どんど晴れ
「徳之島か・・・。鹿児島と沖縄に挟まれた場所にあるぐらいしか認識できないな。」
礼美はそうつぶやいた。
「まあ、彼女にとっては必要な場所かもしれない。關東はそこまで甘くないから。」
そんなことを言いながら、礼美は自分の住んでいるアパートの部屋でつぶやいた。
彼女の持っているAudioからは、hip popともハウスともとれないような
クラブあたりで持てはやされそうな音楽が流れている。
「松本さん、こういうの聞いてもきょとんとしていたな。彼女が好きな音楽って
たしかビジュアル系のArtistだっけ・・・。」
松本という女性はそれだけ田舎ものだったのか・・・。長崎市内出身の礼美だって
同じかもと考えた・・。でも、後輩の石川出身の高槻久留美も洋楽は全く解らなかった。
秋田出身の横手とか言う女性は、結構こういうのおもしろがっていたかな・・・。
音楽は1970年代のr&bに成っていた。
「不思議な音楽ですねぇ・・・。」
松本佳奈の言葉は忘れられない。
つづく
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そのスピードで_1

2010-11-20 18:34:54 | 信・どんど晴れ
「宇品さん、松本佳奈って今、徳之島とかいう島にいるのね。」
東岡礼美はすこし、冷たい感じで宇品という姓の女性をみた。
「ええ。この土地の老舗Ryokanで仲居の仕事をしているらしいです。」
と、宇品は答えた。
「松本さんとしては、悔しかったのかもしれない。あまり関東に住んでいる人に
近況を伝えないのだから。」
冷めかかったコーヒーを飲みながら後輩で尚且つ同じ放送局に勤務している女性を見た。
「まあ、まっつぁん的に今の仕事はアルバイト感覚で關東でまた仕事を見つけることを考えていた
みたいだから・・・。かつてのclassmateとしては。」
宇品の表情は笑いながら、複雑さをたたえていた。
東岡礼美は現在横浜のLocalfm局でパーソナリティをしている。
彼女の豊富な音楽の知識が認められて、ラジオ局に入局がすんなり決まった。
その、Assistantとして宇品がいるのだが、宇品は話題になっている松本佳奈
と学生時代は同じ學校・同じ学部のクラスメートであった。
東岡礼美の方は、松本佳奈が関東で住んでいたアパートのRoommate、
高槻久留美の先輩にあたる。
そのアパートが一種のSaloonとして入り浸っているうちに宇品と東岡は、知り合うようになり
大学の違いを超えて同じラジオ局に入局という事であった。
「まっつぁんは、ただ、島がにくくて溜まらないという事だけで上京したみたいだからな。」
宇品はため息をついた。
「そんな人もいるのよ・・・。ところで宇品さんパーソナリティピン立ちおめでとう。」
礼美は、後輩に目配せをした。
「まあ、東岡氏の次というのが、皮肉ですがね。」
宇品は乾いた笑いを礼美に向けた。
「まあ、いいのよ。」
礼美は少し寂しそうともとれる表情だった。
つづく

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