ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

駿河銀行のバラード_4

2011-05-24 19:33:12 | 信・どんど晴れ

「ふーん。」
私は、私の郷里石川の銘菓の事を考えていた。
「この、穎娃だとか知覧のお茶、おいしいのかしら。」
麗は私の考えを遮るように言う。
「どうかな。靜岡のお茶と比較した場合・・。」
と私は言ったアト口籠もる。
少し考えた跡、突然麗のmailの着信音が鳴る。
jrのチャイムの着信音なのが苦笑物だ。
「祖母から・・・。現在鹿兒嶋の温泉に行っています。
開聞岳という、火山が見えますが、あれを薩摩富士だと
土地の人はいっているようです。」
メールの内容を私に聞かせながら、彼女は添付された写真を
見せた・・・。
「ところで、お祖母様は鹿兒嶋のお茶を飲んだのかな?」
私は意地悪く聞いてみた。
「跡で聞いてみるわね。」
麗はそう言い捨てた。
そして、またMailだ。
「今度渋谷で会わないか?だって・・。」
麗の言葉から、おそらく御殿場の友人かもしれないと思った。
「楽しんできなさい。」
私はそう言うしかなかった。
おわり
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駿河銀行のバラード_3

2011-05-24 19:32:41 | 信・どんど晴れ
「くるみちゃん、芦ノ湖の水って神奈川縣と静岡県どちらが使っているか分かる。」
麗が素っ頓狂な質問をした。
久留実は一瞬考えて、
「たしか、静岡県だと聞いた。」
麗はちっと笑って。
「ご名答ね。箱根用水の水は静岡県側に取水口があるから。」
と久留実の目を見た。
「よく、昔は關八州というけれども、關東というまとまりで動いていない。生活圏という
考えでは、神奈川縣は、北関東とはかけ離れている。」
久留実は淡淡と自分の考えを述べた。
「まあ、人間なんて各々だからね。勝手な行政なんて。」
麗は手持ちの御殿場線の沿線mapをちらりと見た
「御殿場か・・。あれ麗って沼津の出身じゃ?」
久留実は疑問になって質問した。
「今明大に在学している友人二人が御殿場出身で、沼津の同じ高校に通っていた。」
いつものすましたような顔で麗は言った。
久留実は麗に尋ねようとした、しかし其れをやめた。
つづく
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駿河銀行のバラード_2

2011-05-24 19:31:30 | 信・どんど晴れ
「そういう縁があったのね。」
麗は私の方を見た。
「でも、この神奈川縣の地域って結構靜岡のにおいが強かったのかな?
この前のアルバイトで車で回ったTerritoryで駿河銀行の支店があったんだ。」
私は、石川県に本社のある宅配寿司Chainでアルバイトをしているのだけれども
車でデリバリーもしているから、神奈川縣の横濱と横須賀に挟まれた地域は
いろいろ回っているから、いろいろ見える。」
と意見を述べた
「各駅停車一本で横浜駅から沼津駅まで行けるから、いろいろ影響もあるのよ。」
と麗は答えた。
言われれば、今自分が通学している神奈川縣と、麗の出身地の静岡県は
東海道が古来より通っている・・。
根っから石川県出身の神奈川縣と静岡県のことに部外者でも
歴史的なことを知っているから、そこで勘が働くのだ。
麗の言葉に、少し時間がかかったが
「私も、歴女なんで、なんとなく、神奈川縣と静岡県の間柄はね・・。」
それに、麗は黙って頷く
つづく


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駿河銀行のバラード_1

2011-05-24 19:30:47 | 信・どんど晴れ
「しかし、なんなのかしら・・。何故穎娃だとか知覧なの。」
私のクラスメート戸寺麗は不満そうな声を漏らした。
私は、久良岐市のデパートに彼女ともに、本を買いに来たのだ。
私は高槻久留実。それだけを述べておく。
本を買いに来た跡、全国の珍しいお茶が売っているお店に
來たのだけれども、彼女の出身の靜岡茶が無いことが不満なのだ。
「最近は、いろいろなお茶がブームだからそういうところから。」
と、強い口調で麗を諭した。
「そうだけれども・・。」
購入した京急の本を抱えながら麗はむくれた。
こう見えて鐵女で京急が走るTerritoryの学校に行きたくて
私と同じ三浦金沢公立大学を受験したらしい。
お茶にこだわりのある靜岡は沼津の人。
「私、その穎娃とか知覧って聞いたことがあるな。」
電車の本を開こうとした麗に声をかけた。
「えっ、それってどこ・・。」
私は少し間を置いて、
「私のRoommateの横手淡雪が貰って來たお茶にも知覧って書かれていたけれども
知覧も穎娃も鹿兒嶋の地名らしい。」
其れを聞いていた麗はつんとした表情になった。
つづく
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