ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

似ている物

2011-10-18 09:21:34 | 信・どんど晴れ
「プロデューサー、今回のGameの評価ですがあざといと世間では言われていますが。」
Gameプロデューサー、塚崎の秘書はそう述べた。
「あざとい・・・。まあそうだろうね。あの人気企劃をさらっとなぞったから。」
塚崎は涼しい顔をした。其れもそのはず、実質元ネタのGameは、先日公開されてから
一年もファンの間で賛否両論が続き、鐵の結束を誇ったファンが分断される始末になった
そのGameは北海道が舞台のホテル経営Simulationで、ホテルを経営しながら地元の住民と
折り合いをつけたり、経営が上向いたら地元出身の歌手がConcertを開くなどの
イベントが起こるGameだった。
 しかし、其れの続編が出ることになったのだが、旧作のHotelでの悲喜劇を楽しみにしていた
ファンを裏切って、東京のリゾート開発会社がHotelの近くにHollerテーマパークを
作り、其れと対立するという物語になってしまった。却而その姿勢を支持するか支持しないか
でファンが分断される切欠になってしまった。
「プロデューサー、今回のGameの舞台は沖繩なんですね。例のGameとは正反対の
舞台なんですね。」
と、秘書が企画書を見ていた。
「題名は<うちなんちゅちむぐーる>なんですね。」
クスクス笑っているのが、塚崎にも分かった。
「まあ、ここら辺で差別化が図られているかな。俺としては、動画投稿サイトで
からかって楽しんでくれることを見越して制作しているかもしれない。」
塚崎はCharacterデザインの絵師さんが描いたキャラの設定表を見ていた。
従業員の女性、地元の住民のおっさんや老女、劇中で登場するロック歌手などである。
「あのpresentationの醜態以降、例のGameから離れた人間が、気軽に受け取ってくれればいい
そんなきもちで、似ているところは似せて作った。ディティールが違えばそこで感じてくれれば」
塚崎は秘書に自身を満ちた顏をした。
おわり


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去り時

2011-10-18 09:21:00 | 信・どんど晴れ
「今度の葬式でしたが、なにやら亡くなった大女将に味方をする人間はいませんでしたね。」
松本佳奈は、さらっと台詞を言う。
「いないかもね。だって大女将は自分勝手なことをしたから。」
佳奈の上司である女将は湯飲みのお茶に口をつけた。
「自分勝手ですか。たしかに朝倉夏美とか言う溺愛している孫につながる
人間を後継者にしようとしましたからね。結局くるはずだった孫の柾樹も大女将が
亡くなった跡だった。」
葬儀の時、遺骨と成った祖母を呆然とした顏で、身を寄せている石川県で出会った女性と
ともに見ていたのを佳奈は覺えている。
「それにしても柾樹、これからの後継者は、あなたの隣にいる佳奈さんだ。とか言ったのは
隣の内縁の奥さんの影響かもしれない。あの奥さん、関東に住んでいたときの同居人の
高校までの同級生だったとか。」
おかみはちと意地悪く答えた。
佳奈はばつが悪くなり
「まさかそんな人だとは思いませんでした。何處でどういうつながりがあるか自分も
信じ切れません。」
佳奈は、運命の皮肉さを感じていた。
「今だから話すけれどもね、関東にまた行きたかったあんたを加計呂麻の実家から
引き離して、徳之島に来させたことは少し後悔している。」
と、女将は佳奈の肩をたたいた。
「いえ、私は仕方がありません。だって私は関東でも、求める物が求められなかった
けれども、あまり好きではない此處で、刺激的な毎日を過ごしています。」
としんみりとした顏をした。
自分を中心に、運命を回り出す・・・。先日cable televisionのChannelを変えて
偶偶写ったanimeがそう述べていたのを思い出した。
おわり
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