ブルーシャムロック

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目黒区の古い家

2012-12-03 18:00:23 | 逆襲の藤隆
「いいから、大御所先生から連載を取ってこい。」
上司に怒られて、私は早朝の満員電車で目黒区の某所に向かっていた。
今回の作家先生は時代小説系を主に守備範囲としてきた先生である。
どんな物になるか分からない。
「南北朝時代の作品を」
と、上司は執拗く言う。
南北朝時代ってどんな時代か私には余り分からない。
確か楠木正成という武将が存在した時代であることだけを分かっている。
自分の勤務している社長が「楠木正成は俺が尊敬する人だ」
ばかり言っていた。
だから覺えている。
いつも思うけれ、目黒区に向かう朝の電車はコム。いろいろあるはずなのに
改善されないのだ。そんな愚痴を言っても始まらない。
電車からまるで練り歯磨き見たく押し出され、作家先生の家の最寄りのPlathomeに
ついた。
この、作家先生が住んでいる街は様々の會社の営業所が存在するらしく、みな
足早に去っていく。
主にNISIGUTIにあるみたいだよ。
地図によると、東口に作家先生の自宅兼仕事場があるという。
NISIGUTIが「下町の商店街」という感じの場所なのに対して、東口は閑静な
住宅街である。
朝早いので、人が誰も居ない。
しかし、先生の仕事場についたら、人が並んでいる。
恐ろしく年季の入った日本家屋。もしかしたら、戰前、あるいは戦後まもなく植えたと覚敷
松が庭に植わっている。
自分の携帯のメールにメールが来た。
「橋口出版の君島kun。朝早くご苦労。早速連載の原稿に対して手短に打ち合わせを行う。」
とだ。
作家先生である。
待っている先生を押しのけて先生の元に。
「君島くん、今度の南北朝時代を舞台にした小説、もう出来上がっているんだ。」
とワープロ書きの原稿を指した。
題名は「菊の名前」
とある。
「さっさと、君も仕事場に戻った方がいい。」
と、次の人間が待っていることを諮詢した。
題名がどこかで聞いたことがあるような気がする。









コメント
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