ブルーシャムロック

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信・加賀美屋の一番長い日_4

2014-07-10 05:21:57 | 信・どんど晴れ
「お孫さんはまだ、来ませんね。」
噂された恵美子は徳之島の空港にいた。
鹿児島の本土を中心とした地域に行く飛行機は頻繁にくるみたいだが、
孫とその婚約者を乗せた飛行機はなかなか来ない。
「朝も早いですから、直ぐ来ないですよ。」
朝にしては、日差しは強い。
「早く、来ないと私は倒れるよ。」
大女将は恵美子につぶやいた。
朝にしては、日差しは強い。
「早く、来ないと私は倒れるよ。」
大女将は恵美子につぶやいた。
「socoまで倒れませんよ。でも、おまごさんの婚約者さんは濱の出身みたいですよね。」
恵美子は話題を変えようとした。
「そうなんだよー。恵美子さんの出身地からどのくらい近いの?」
恵美子は小田原と濱の距離が分からない、大女将に対して
「大阪と京都の距離ぐらいかもしれません、じゃなかったら大坂から和歌山の市内ぐらいかな。」
と、恍惚けて見せた。
「うーん。そうなの。」
大女将は少しは納得したようだった。
徳之島を含めた奄美のひとは関西方面に出る事が多いからだろう。
いつも、嫁である女将の前では苦虫を噛み潰したようような顏の大女将が嬉しそうなのは
彼に加賀美屋を継いで欲しいのだろうか。
しかし、長らく徳之島を離れていて、濱のHotelに就職した彼を連れ戻したいとも見える
溺愛して、いやがる人を無理にでも島と加賀美屋に縛り付けようとしたのは、
女将とほぼ同郷の加計呂麻島出身の松本佳奈が嫌いだからか。
「あの、大女将。」
恵美子は、ふと尋ねた。
大女将は、
「そんなことないよ。あの女の事は気にしていない。」
と、表情がこわばっていた。
TO BE continued
コメント
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