ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

水族館

2014-12-05 12:14:08 | 逆襲の藤隆
「すごいなあ。」
沢山の魚があるものは、木の葉のように、あるものは泳ぐ西洋の盾のように
水を蠕いている。今し方ジンベイザメが 2 人の男女の通路を横切った。
「おおっ。魔物みたいだよ。」
少年の一人は言う。
「そうだね。」
エスカレーターの後方にいる青年も頷いた。
「私は、あそこにいる鰯の方が惹かれる。」
同じようにエスカレーターにいた女性もいう。
水族館のなかにある、凝った演出の照明もあって鰯の大群も輝る。
何か奇しい。
「蓮次君の初デートっていつだったけかな。ここだっけな。」
女性が言う。
「どうかなぁ。」
青年はしどろもどろになっている。
全体ガラス張りの水族館の水槽のエスカレーターを登り切った後、地上だ。
登り切った後、すっかり昧くなった冬の景色。
ライトアップとイルミネーションに飾り付けられた水族館と併設された遊園地の遊具が
夜に照り返している。
「二人とも遅い。」
少年と少女が少しむくれている。
「ごめん。」
青年と女性は平謝り。
「蓮次さんと知世さんはお似合いのカップルだね。」
少女が言う。
「浩一郎君と萌美ちゃんもお似合いのカップル。」
女性もかえす。
二組のカップルは海を見詰める。
end
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする