走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

差別用語

2019年11月20日 | 仕事

すごーく久し振りに会ったホームレスのご夫婦。道でばったりだったから立ち話だったけど、彼の言うことに考えさせられた。

「ホームレスの呼び方は一昔前のニガーと同じだ」

黒人を二グロとかニガーと呼ぶのは差別用語とされ、今ではそのように呼ぶ人はいない。肌の色が違う。それだけのために基本的人権がなかった時代。歩くところも住む場所も職業も限られ、ニガーと呼ばれ、ベンチに座っているだけで白人に絡まれたり、、、

彼はホームレスが今のニガーだと。

一理ある。公園は市民全員のもの。しかしホームレスっぽい姿だと出ていくように言われる。出て行くことを拒否すると警察がやってくることも。何もしていないのになぜ?。と彼は言う。

人種は選択肢ではない。生まれ持っているもの。それで人を差別することは人種差別。なのになぜホームレスを差別するのか?と彼は言う。

ホームレスは生まれ持ったものではない。人生の選択だと言う人もいる。仕事を持つか持たないか。続けるかやめるか。収入がないからホームレスになる。やるべき書類を申し込まないからホームレスになる、と言うことだ。

しかし以前に書いたように、生まれ育った環境トラウマ経験により社会的な行動が低くなっていたら、それは選択ではなく疾病と呼ぶべきだろう。疾病によって人を差別することは許されない。しかし社会はどう思っているか、、、根の深い問題だ。


















最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。