走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

歴史的一歩

2022年08月21日 | 仕事
昨日、歴史的な第一歩がありました。カナダの最高裁判所の判事にフランス系オンタリオの先住民族出身の判事が任命されたからです。
Michelle O'Bonsawin becomes 1st Indigenous person nominated to Supreme Court of Canada | CBC News

Michelle O'Bonsawin becomes 1st Indigenous person nominated to Supreme Court of Canada | CBC News

Prime Minister Justin Trudeau announced on Friday his nomination of Michelle O'Bonsawin to the Supreme Court of Canada. She will become the first Indigenous...

CBC

 


実は白人以外の判事が任命されたのは昨年、2021年。そして今年は女性でしかも先住民族出身。いかにカナダの法曹界が白人気質であったかわかります。この任命された方はフランス系オンタリオなのでカナダの公用語のフランス語と英語の両方が使え、女性、先住民族マイノリティーを法曹界へ注入する絵に描いたような適任者。

私はブログの中で差別、特にシステム的差別について何度も書いてきました。どんな綺麗事を言っても社会はマジョリティーのために作られています。よって社会を構築する立場へマイノリティーを代表するような人物を送り込まなければ、社会構造は永遠にマジョリティーに有利に働く場所になってしまうのです。

女性の議員の数とその国の女性平等に対する法律制度を見比べてください。女性議員の比率が多ければ多い国ほど女性の社会進出をサポートする法整備が整っている国となっています。ゲイはどう?黒人はどう?先住民族は?移民者は?となるのです。

おっと話がそれてしまった。カナダは白人の国ではない。先住民族と移民者による国。移民はヨーロッパから来た白人だけではなく、アジア、アフリカ、などだ。真のカナダになるために今回の決定へ心から拍手を送りたい。


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