一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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住宅リフォームか建替えか(2)

2012年12月10日 17時40分29秒 | 建築家の日記
 



 前回 2012年12月2日の続きです 


実例として、

築40年で建替えではなくリフォームでOKとお答えした例と

築25年で建替えをお勧めした例をお話しします。



最初に築40年で、リフォームでOKとお答えした例です。
何年か人は住んでいない住宅でした。



床下や天井裏を拝見し、さらにそれだけでは判断できなかったので

壁を一部剥がさせて頂きました。

私が、その場でご了解を得て

何らかの工事をすることは決定していたので、
室内の壁をベリっと引っ張って剥がしたのです。

すると、断熱材はあったのですが…
    それをめくると防水紙がなく
    外壁の仕上げ材の木の裏が、すぐ見えました。


通常は、断熱材はなくても、防水紙はあるのですが…

雨漏れも、じゃんじゃんしていましたし、
その水跡もたくさんありました。


屋根裏から見たのと同様、隙間だらけでしたが
そのおかげで、

構造体が全く腐っていないのです。


冬は、室内でコートを着て話をしていても寒かったのですが
当然でしょう。


風通しが良く、外壁は木の仕上げで
腐らなかったのです。


「リフォーム工事でも最低20年間は、この家に住みたい」というご要望に

結局、新築の3分の1程度の予算で、

耐震、断熱、外壁を含めて、

キッチン、玄関、子供部屋、リビング、納戸の全面リフォームや
ピアノ用防音室の設置を提案し、行うことができました。


但し、この提案と工事は、一部ご希望とは異なった内容となりました。

外壁も断熱材付きのガルバ合金で囲みましたし、あと20年間以上なら
構造体は、余裕でした。


費用と優先順位、ご希望内容を解決するのに、他に方法はないのか?

その工事が本当に必要な工事なのか?その工事で解決できるのか?

ということを考えて行ったものです。


その結果、なかりアップグレードした工事内容や工事箇所もありますし

カットして、本当に必要なら次回にとなった工事内容や箇所もあります。
その方法も考えてご説明しておきました。



このケースと異なり、

モルタル外壁の古い住宅の場合、外壁に大き目のヒビがあると
柱や土台、梁などの構造体が腐っていることが、よくあります。

これが疑わしい場合、外壁をほんの少し一部だけ剥がして
確認することもあります。


リフォームに掛ける費用と工事内容とご希望、
完成後に住みたい築年数も考えて、


リフォームと建て替えのどちらを提案するか

どういう内容を提案するかを決めているのです。



次回は、築25年で、構造体が腐っていたわけでもないのに

新築になった具体例を、説明します。


 







……………………………………………………………………………

ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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