建物の構造や耐震性を考えるときに、上から下への力の流れを考えます。
間取りのプランを創るときも、それを考えながら創ります。
耐震性を考えて1.5倍以上の耐力壁を設置すると
建物の四隅は、引抜き力が掛かるため、いくら分散しても
ほぼ確実に、そこにはホールダウン金物は必要になってきます。
コンクリートは圧縮には強いのですが、引張にはかなり弱いです。
それを補うために鉄筋を入れます。
鉄筋は引っ張りに強く、圧縮には弱いのです。
昔は木造住宅の基礎に鉄筋が入っていなかった時代がありました。
古い家の無筋基礎では、基礎の割れが生じていたりしますが
最近の住宅基礎で割れを見ないのは、鉄筋があるからです。
さて、2021年8月29日(日)に基礎コンクリートの完成状態を
確認にしてきました。
日曜日でしたが、朝から型枠をばらしてくれましたので。
建物の四隅は左右2方向からの力が、
台風時、地震時に複雑に加わります。
写真の基礎では、コーナー部分のコンクリートを斜めにして
幅を太くしています。
強度上、ここまで必要はないのですが、
ここは2方向から力が加わるので安心感がありますね。
ここまで指定はしていないのですが、
ここの工務店はいつもこの方法をしてくれます。
今回の住宅は敷地の関係で平面的に斜め壁があります。
その場合、私が心配するのは、柱に梁が僅かしか掛からない
箇所が必ず生じることです。
その心配を解消するために、
この基礎の角のふかしではありませんが、
外れやすい梁を受けるためだけに柱をプラスすることです。
意味がわならないと思いますので
上棟が終わってから、写真と説明をアップします。
これも必修ではなく、
こんなことをわざわざ考えて設計は私以外
見たことがありません。
でも、阪神大震災、小千谷地震で倒壊した現場を見て考えれば
これが必要だと賛同してくれるでしょう。
在来工法の構造計算では、
木造接合部分はピン構造と設定して、壊れないことを前提に
それはスルーして計算しているのですが、
計算しないというより、どう力が加わるのか
実はわからないので計算できないのです。
通常の直角の建物ですと、それで問題は起こっていないので
経験上、それで良いと思います。
変形している斜め壁の場合は、私は必要だとアナログ的に
考えてしまいます。
机上の設計では、どうやって接合されている意識していない
設計者も多いでしょう。
実際に梁が柱にどうやって接合されているか
斜め壁の場合はどうなのかを知ったなら
私の不安とその柱を加算する理由を理解して頂けると思います。
ウッドショックの影響で、指定木材が手に入らす
大変なことになっていますが、来月の半ばにはやっと
上棟ができそうです。
▲斜めの外壁ができます。柱に対して斜めに掛かる箇所が出てくるので
その梁が外れたりしないように、梁を受ける柱を設けます。
上棟後に、また説明しましょう。
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