一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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建築調停の合意

2010年06月17日 18時29分02秒 | 住宅検査・トラブル相談
本日、調停委員として相談を受けていた建築調停で合意となりました。

建築トラブルで相手がどうしても動かない場合、みなさんが最後の手段として行うには
まず調停、それがダメなら裁判しかありません。

いくら頑張っても無理な場合、裁判ではなく最初に調停をお勧めするのは、

費用の安さと建築専門の調停委員が話を聞いてくれる理由からです。

例えば、裁判所によっても異なりますが
調停なら百万円程度の賠償金額でも5千円程度で済みます。

1千万円でも3万円以下で大丈夫です。

これに加えて、裁判と違って弁護士さんに依頼する必要はありません。

その代わり、平日に時間は取られます。
もちろん、費用は掛かりますが弁護士さんに依頼しても構いません。


私が建築調停委員をお受けしているのは、
裁判の判決などを読んでも、
「この判決は、建築知識や実情を含めて良く理解していないのでは?」
と疑問に思うことが多いからです。

裁判官が、建築のことが良くわからない人が多いのは当然ですから
原告や被告側から出てくる建築士の鑑定書などに左右されやすくなります。


いきなり裁判になっても、裁判官が双方に調停を勧めて
調停に降りて協議することは珍しくありません。

建築調停委員が現場確認を含めて専門部分は判断してくれますからです。

私が、裁判の資料を読んで調停を進めていても、
第三者の建築士の意見や鑑定書は、あまりに依頼書側に偏った見解が多い気がします。
のみならず、何の参考にもならない報告書もあります。


余計なことを、わざわざしなければ良いのですが
私が忙しい中、建築の調停委員を続けている理由は、ここにあります。
やはり公平に、専門家として意見をハッキリ述べたいからです。



本日の合意した調停も、裁判官の勧めで裁判から降りてきたものですが、
訴えた側にかなり厳しい内容の調停案でした。

当然、合意できず不調に終わると覚悟していましたが、
訴えた側も専門家が現場を観て、そう言うならと理解して頂けました。

そうならないときもありますが、
どちらかが過剰な要求をしている場合が多いので、

現役の第一線で仕事をし、建築技術者としての知識に加え
現場、設計、工事業者の事情だけでなく本音と建前事情、
施主の気持ちもわかる立場にいますので、ハッキリ助言し続けたいと思います。


調停委員をしているうちは、公平な立場でいたいと考えていますので、
裁判や調停になるトラブルの報告書や鑑定書は、原則として作成しないことに
しています。

そのかわり、無償でアドバイスを行っています。

現在も何人かの人に面談やメール、電話で状況に応じて私のできる範囲で
アドバイスを続けています。現場へ行くことはいたしませんが、すべて無償で
行っています。


私が有償で行うのは、トラブルになる前での解決方法、
すなわち設計や監理、第三者としての工事中の検査だけです。


調停や裁判はできるだけ避けて欲しいと思います。
でも、どうしても動いてくれない、納得できない場合は調停を
考えてみてください。

ちなみに、サラ金問題でも調停は安くて効果的で最適だということを
最後に付け加えておきましょう。



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こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。
住まいに興味のある方はもちろん、無い方にも
何となく役立つか、楽しめる内容になることを願いながら書いています。
ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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