一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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住宅木造現場の写真手帳

2015年07月06日 15時56分43秒 | 建築家の日記
▲2015年6月建築知識 特集は
「木造・S造・RC造 比べてわかる現場納まりマニュアル」 



建築知識という月刊誌は、書店でも必ず置かれていますが、
設計事務所や設計に携わっているプロの建築士が、主に読んでいる月刊誌です。

工務店では、かなり向上心のある人でないと読んでいないと思います。

今年の6月号でしたが、本誌の特集で木造部分の写真や記事も9割は、
私の写真やチェックリスト、新規加筆の原稿です。

みなさんには、お知らせしませんでしたが、
これの元になったのが、

2012年9月号の、50ページくらいの特別付録の別冊、

「工程を完全収録 木造住宅の現場写真手帳」で

私が写真、チェックリスト、解説もすべて執筆しています。
 


▲建築知識 2012年9月号



その後、施工業者のプロがログインして見るWEBで、
同じような内容でさらに補強し、
毎月1回、全22回に渡って2年係りで執筆していました。

突然、このことを思いだしたのは、

WEBを検索していたら、

「DIYで無垢フローリングを貼ってみたが、うまく行かない」という質問掲示板?
を見たからです。

回答は、結構たくさん書かれていましたが、

ざっと目を通すと、業界の人が合板フローリングの張り方で教えている回答も多く、
長文で一生懸命丁寧に回答していますが、間違っているのです。

悪意はなく、親切心だと思います。

それで、この私が書いた2冊には、その方法についてどこまで言及したかな?
と調べてみたわけですが、

簡単にしか書けていませんでした。

私のこのブログでは、確か何回か説明したことはあるはずですが、

これを建築知識の月刊誌で解説するには、監理の立場というより、
本当に施工方法に対しての知識になってしまうのと

合板フローリングが世の中には多いので、無垢フローリングを
そこまで詳しく書く必要もスペースもなかったからだと思います。


世の中の最新の専門書籍を見ても、

「木造住宅の大半は、もうこんな方法しないよ、50年前から使い廻している図でしょ」

という木造一般構造図を、繰り返し、繰り返し現在も転載され続けています。


新しく図を描くのが面倒なのか?
最近の現場での内容を知らないのか?
その気がないのか?

いずれにしろ、日本の建築学会や建築業界では、
木造住宅は、軽視されているからだと思います。

住宅の現場監督が、工程管理だけでなく、

本当の意味での品質管理ができるようになれば
日本の住宅のレベルは、さらに上がると思うのですが

それを休みの日に勉強している時間もない、
それを正しく、細かく教えてくれる書籍もない、
たくさん抱えた現場で廻り切れない

というのが日本の住宅業界の実情でしょう。



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