みっくすじゅうす的生活

生活の中の「好き!」を集めて、ミキサーに入れて作ったみっくすじゅうす。
今日もいいことあるかもね!

胸が痛かった

2018-12-07 12:31:19 | 写真・詩


「胸が痛かった」

義母を病院と買い物に
連れて行く車の中で

義母は呟く

不満とか言うことなく
毎日が穏やかに過ぎ
ああいい人生だったと
死んでいけたら
それで幸せだ…

80をとおに過ぎて
毎日を生きていくことの覚悟は
どんな気持ちなのかと思ったり

ようやく観念して
肩の力を抜いたかなと
安心もした

車の運転をできるだけで
役に立てることは
ありがたいと思いながら…


家に帰ってくると
日が射して来ていた

洗濯物を外に出そうと
勝手口を出ようとしたら

何かポトッと落ちてきた

カマキリだ

「おまえ、こんなところにいると
踏み潰されるぞ」

とりあえず
洗濯物を物干しにかけた

そのとき
義母が勝手口から出てきた

(あっ!)
と思った

カマキリは踏まれて
息絶え絶えだった…

庭師さんへのお茶をかかえ
出てきた義母は
気がつかなくて当たり前だ

私がもっと早く
カマキリを運んでいたら…

ほんの少し
まだ命が残っていたカマキリを
草の中に運んだ

誰も責められない

(だから言ったのに…バカ…)

胸が痛かった

命はいつ消えていくかなんて
誰にもわからない

今生きていることを
精一杯幸せに感じよう

目の前にいる人たちを
あたたかい空気で包もう

初冬の日射しのように…

(晶子)

とはいえ、義母は100歳まで生きそうだ。毎日のトレーニングを欠かさないすごい人だから。

そして、あとで、おそるおそる草むらを見に行ったら、カマキリは生きていた!良かった!
ホッとした。

今日も素敵な一日になりますように🎵
コメント
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