MOBU'S MUSIC MAZE

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「音叉」 高見澤 俊彦 ネタばれあり

2018-10-09 09:22:49 | 音楽夜話(ロック)

「音叉」 高見澤 俊彦

70年代の学生時代。ちょうど自分もそんな時代に
生きていた。高見澤さんより3つ下だった。
小説の中の時代背景や音楽、ロック・グループ
エレキのメーカー。なんか共感できる事項があった。
ディティールが書き込まれていて、あぁ、
あれかと思うようなことがあった。

「青春群像」なんか懐かしいフレーズだけれども。
一番多感なモラトリアムの時期に経験する事象。
ある意味一生の宝になる。

同性異性とも色々な出会いや別れを経験し、自分を
見つめたり切磋琢磨する中で成長する時期。

大学生でプロのミュージシャンになることが
どういう事なのか。デビューするまでの、
葛藤と人間模様を描いている。

音のカラーも取り入れて、音楽家ギタリストらしい表現も
入れている。
「いきなりあたまのなかでB弦18フレットを思い切り
チョーキングする音が響いた。」F#のチョーキングだろうか。
一体どんな音がフィル・インしたのか。ギタリストらしい
表現。これはなかなかないよな。
ちょっと穏やかでないかもしれない。

グランドファンクの雨の後楽園ツェッペリンの武道館
外タレの来日開始の年代。
出てくる音楽も、ピンクフロイド・イエス・ムーディーブルース
キング・クリムゾン。プログレ系の曲が並ぶ。

店名は変えているが、当時のロック喫茶。名曲喫茶「ライオン」
も描かれている。
ちょっと年代は下がるものの共感点は多い作品。

高野悦子さんの二十歳の原点は、当時読んだかもしれないけど、
覚えていない。インテリではないので、政治に首突っ込むことも
なく、ノンポリを通していたし。

「未熟であること、独りであること、これが私の二十歳の原点」

この文章は当時良く取り上げられていた。
確かに、二十歳前ではあるし、自分が二十歳になった時、改めて
この文章を目にした時、その通りと思った。
文章の意味を正確に把握していたかは、思い出せないでいる。

私の場合は実存主義とか、小難しい書籍はスルーしているし、
カフカは「変身」位は読んだかもしれないが、ななめ読みだった
かもしれない。 記憶自体があいまいになっている。

そんなこんなでも久々のエンタメだった。
この彼らがデビューするときの楽器何だったのだろう。GIBSONや
フェンダーなのだろうか。70年代はそこまで大学1年では裕福では
ないかもしれない。そんなことが気になった。練習時はグレコだったので。

ピンクフロイドの「狂気」は良く聴いていた。
イエスの「危機」は今もって聴いたことがない。(私はELP派だったりする)
ブラック・サバスは高校の時だし。

島田加奈子 同級生でクラブホステス。ロックスペースJ 後年平戸に帰る。
この部分の手紙は編集のアイデアもあるのではないかとふと思った。

70年代の時代考証で使われてたかこんなこと言葉?というのもあるが、
編集落ちなのだろうか。不定期連載で、45周年記念に間に合わせるとなると・・・。