ウッドグリップを頼まれた。
普段は、自分の持っていないガンのグリップはお受けしない。寸法を測れないし、勘合もチェックできない。造ってもうまく取り付けできるかどうかわからないので、頼まれてもお断りしている。
今回、依頼のメールをいただいた時に、その方の思いがなんとなく引っかかった。
SLというメーカーのプラモデルのモーゼル。前にもここに書いたように思うが、私も十代の頃造ったことがある。塗装もせずに組み立てた。他にも数種類造ったように思う。今、あのキットが手に入ったら・・・。
依頼を下さった方のメールの文章には、キットに対する気持ちがつづられていた。
一晩考えて、お受けすることにした。この方の思いに乗っかる形で、若い頃にすててしまったSLに思いをはせることにした。
プラスチックのグリップが送られてきた。
採寸し、図面を起こした。
それを元に、3Dを起こす。
NCにより加工する。
機械加工で出来るのは、ここまで。シュミレーションでは溝を下の方まで入れてみたがうまく行かなかった。浅いところだけ、溝を加工してある。
ここから先は、チェッカリングツールを使った。
どうせ買うならと、20PL(一インチに20本の溝を切れる)を一通り購入した。購入に際して、わからないことだらけだったので、直接お店に電話して何をそろえればよいかアドバイスをいただいた。節約のため、チェッカリングハンドルは一つだけ購入し、先端のヤスリ部分を必要な分購入した。
先端の形。
チェッカーを入れるときは、山が二つあるものを使う。
最初、ハンドルを手に持って溝を削ってみたが、なかなか溝が平行にそろわない。
グリップを冶具にはめて垂直を出し、固定。ハイドゲージにチェッカリングツールを固定して滑らしながら、溝を切っていった。
ウレタンニスをシンナーで薄め塗りこむ。ミリタリーは艶々で無いほうがそれっぽい。
つぎに、「9」の数字に赤い色を入れる。塗料を入れると、滑らかだった数字の溝が毛羽立ってきた。サンドペーパーを小さく丸め何度も磨く。
完成。
依頼者のご好意によりブログ搭載の許可をいただいた。そして、取り付け状態の画像の使用まで・・・・。(感謝!!)
このモーゼルが、この後どのように仕上げられていくのか・・・
人様の「思い」に乗っかって、また楽しみが増えた。