もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「フラガール」

2006-10-13 22:31:51 | 映画
福島県いわき市の、旧常磐ハワイアンセンターの成り立ちの物語。

何度か泣いちゃったけど、
他の人たちとは違うツボが多々あった。

昭和40年の常磐炭鉱。
一時の隆盛の影も無く、
時代の波に飲み込まれて閉山への一途を辿るヤマでは、
合理化という名の首切りが行われている。
起死回生の事業はこの地にハワイを作り上げるという、
にわかには信じられないお話。
当然反対意見も根強い。
しかし、
東京からダンスの先生がやってきて、
盆踊りくらいしか踊れない少女達にフラを教え始める。

気位の高い元ダンサーの松雪泰子が見事。
踊りもすごいし、半端じゃない気の強さもぴったり。
早苗の父親を追いかけて男湯に入っちゃうとこ、笑えた。
気の強さでは負けていない紀美子の母、
富司純子が、きれいに映ろうなんてカケラも思っていない潔さで、
ヤマの女の強さを演じている。
そして、友人の早苗に引きずられてフラを始めた紀美子は、
いつのまにか踊ることが大好きになってゆく。
彼女もやはり気が強い。

李監督、強い女ばっかりじゃないか~。


炭住の風景が懐かしくて涙が出た。
そう、私は炭鉱育ち。
とっくに傾いてた40年代に、木造の長屋に住んでたさ。
女の人は働いてなかったよ、選炭は機械がやってたもん。
川は石炭を洗った水でいつも真っ黒で、
川というのはそういうものかと思ってた。
お父さんは一番方、二番方、三番方と、
三交代で働いてた。
坑口は立て坑をエレベーターでずーっと下がったとこにあった。
粉塵で真っ黒になったお父さんたちは、
お風呂にに入ってから帰ってくる。
家族は銭湯じゃなくて共同浴場で、
お金払ってなかったはず。
確か8時とかに終わりで電気が消されたような。
炭車に挟まってケガをするなんてよくある話で、
落盤とかガス爆発などの大きい事故の時はサイレンが鳴る。
映画でサイレンが鳴った時、びくっとした。
私がいる間には大きい事故はなかった気がするけど、
ガス爆発で石炭に引火すると、水を入れてふさぐのは知ってた。
大人が話していたのだろうか?
(救出できない人はそのまま)
石炭はSLが運んでいた気がする・・・。
ますますもって、いつの時代の話?だね。
ストーブは当然石炭ストーブ。
石炭小屋が物置と一緒になってた。
映画では石油ストーブで、そりゃあ石炭ストーブは煙筒ごと運べないわ、
と思ってみていた。
多分、突っ込むとこじゃないんでしょう。

早苗のお父さんが遠く夕張へ行くとこで、涙したのは、
『そうそう。炭鉱しか知らない人って残った炭鉱を渡り歩くんだよ・・・』
と思い出したから。
いっぱいいたなぁ、そういう人。
どこに行っても結局閉山なのにさ。
早く見切りをつけて都会に出た人以外は、
最後はどうしたんだろう。
ワタシはお父さんそのものが違う人になったので事情が違う(爆)
そして、小さかったので記憶が曖昧なんだよな~。
おじいちゃんはもうちょっと後まで炭鉱にいたので(夕張)
その記憶と混じってるかも。

そういうわけで、涙のツボが周りの皆さんとちょっと違ってたけど、
ええ話や~「フラガール」
コメント (15)
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