植物油が寿命を縮める――。研究生活50年の脂質生化学者が出した「本当は危ない植物油」が話題になっている。
著者の名古屋市立大名誉教授・奥山治美氏が言う。
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「植物油は健康にいいといわれていますが、動物実験で環境ホルモン作用が働いていることが分かっています。
オスがメス化するなど生殖に影響を及ぼしています」
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どんな油がいいの?
生活習慣病の予防やダイエットのためには「脂質は敵!」と見られがちですが、極端にとらないのもよくありません。
日本の平均寿命は、1970年代には世界一となりました。もちろん、医学の進歩もありますが、戦後から高度経済成長期以降に、日本型の穀類や野菜・大豆・海藻中心の食事に加えて、動物性タンパク質や油脂が加わり、バランスのよい食事ができあがったためです。けれども現在は、動物性脂肪等が取り過ぎ傾向にあるため、「脂質が健康によくない」というイメージなのです。ようはバランスの問題で、適量はとった方が健康のためにも役立ちます。
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オリーブオイルはオレイン酸が豊富に含まれているので、ヘルシーオイルとして人気です。 |
機能性が注目される不飽和脂肪酸
ではどんな脂質がよいのでしょうか。
脂肪酸の種類やそれぞれの特徴・作用などについては、以前記事にまとめていますので、そちらをご覧下さい。今注目されている
植物油 に多い不飽和脂肪酸は、健康維持・成長に欠かせないもので、悪玉コレステロールを低下させるなどの作用があるので、高脂血症や動脈硬化の予防、血圧降下作用等に期待されています。この脂肪酸は、カラダの中でつくることができないため食べ物からとらなければなりません。不飽和脂肪酸の中でも、特に注目されているのは、n-9系のオレイン酸やn-3系α-リノレン酸です。
●オレイン酸
悪玉コレステロールだけを低下させる、胃液の分泌を調整する作用があります。消化吸収がよく、酸化しにくいのも特長です。
●リノレン酸
血圧やコレステロールを低下させます。特にa-リノレン酸は、アトピー性皮膚炎の改善に役立つのが特長。酸化しやすい油です。
リノール酸のとり過ぎは注意
同じ不飽和脂肪酸なのですが、リノール酸は、以前コレステロール低下作用があるということで注目されましたが、日本人の摂取量は今や過剰気味です。近年リノール酸の過剰摂取は過酸化脂質の生成や、アレルギー疾患を増やすなどの弊害があることが分かってきました。適量は子どもの成長等にも欠かせないのですが、とり過ぎはよくありません。
脂肪は、肉、魚、
植物油 など、それぞれに異なる脂肪酸が含まれ、働きも異なります。1
種類 だけに偏らず、幅広い食品からバランスよく摂取すること、そして量をとりすぎないことがポイントです。理想的な摂取量は、肉、魚、植物合計で1日約40~60g。調理用として使用する食用油は、1日10~12g、大さじ1杯程度が適量とされています。
今注目の食物油
では、
植物油 の中でどんな油がいま注目されているのかを見ていきましょう。
・オリーブ油
オレイン酸が豊富で悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する働きがあります。独特の香りや風味が
特徴 的です。
・グレープシード油
リノール酸が脂肪酸のうち70%と多いのですが、ビタミンEが豊富なため酸化しにくいのが特長です。コレステロールがありません。加熱用、生食用どちらにも使えます。
・ピーナッツ油
レシチンや、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンE、オレイン酸、リノール酸も豊富。消化がよく、くせのない油。かすかにピーナッツの香ばしい香りがあり、軽い感じでおいしいです。加熱用・生食用どちらにもOK。
・しそ(エゴマ)油
a-リノレン酸が55%と油の中で最も多いのが特長。アトピー性皮膚炎によいと注目されています。酸化しやすいので、ドレッシングなどの生食向き。
・亜麻仁(フラックスシード)油
しそ油同様に、a-リノレン酸が豊富です。酸化しやすいので、生食向き。
・米(ぬか)油
ビタミンE、オレイン酸が豊富。さらりとした風味で、保存にも優れています。加熱用・生食用どちらでも。
・椿油
オレイン酸はオリーブオイルよりも多く、全体の中で80%も含まれます。便秘、皮膚や髪ののお手入れ、老化予防に日本でも古くから使用されています。消化がよく、酸化しにくい安定した油。揚げ物を何回してもだれにくいのが特長です。
・茶油
中国で古くから使用されています。茶油も、オリーブ油よりもオレイン酸が多く、抗酸化作用のあるカテキン、タンニンも含まれ、血液サラサラ、肥満防止、胃腸の調子がよくなるなどの作用が知られています。
1種類の脂肪酸を含んでいるわけではない
植物油 に限らず、お肉や魚なども含めて食品は、いろいろな脂肪酸を含んでいます。例えばオリーブオイルは、下記の表のようにオレイン酸だけでなく、他にもリノール酸やリノレン酸、その他の様々な脂肪酸を含んでいます。酸化しにくいオレイン酸が豊富だから、健康に役立つ油と言われているのです。
魚もDHAやEPAだけを含んでいるわけではありません。この点は、誤解している人が多いので、知っておいてください。
「植物性油脂ならなんでも安心」は大間違い!
植物油 ならなんでも安心とは、言えません。例えば「やし油」「ココナッツ油」は動物性と同様の飽和脂肪酸です。こうした油は、安価で味も良く、安定性が高いので、スナック菓子やファーストフードなどに多用されています。
また本来常温では液体である
植物油 に水素を添加して固めたマーガリンやショートニングには、人工的なトランス脂肪酸が含まれています。このトランス脂肪酸は、取りすぎると血液中の悪玉コレステロールが増え、心臓病などを引き起こす原因になると指摘されています。アメリカと比べると日本では、摂取量が低く安全基準内ではありますが、やはり安価なためお菓子類やパン、総菜、スナック菓子、ファーストフードなどには使用されています。
国立健康・栄養研究所では、「トランス脂肪酸の危険はたばこよりはずっと小さい。ただ、摂取量は少ない方がよく、トランス脂肪酸を含む食品を取りすぎないように」としめしています。加工品やジャンクフードばかり食べている人は、知らず知らずのうちにたくさんとることになるので、気をつけましょう。
油の酸化に注意!
オレイン酸は、酸化しにくいのが特長ですが、いくら質のよい油だとしても、加熱したり、空気に触れた油は、体によくない過酸化脂質が生じてしまいます。揚げ物をする時はたっぷりの油で・・・、とは言いますが、必用以上にたくさん使うとすぐに酸化していきます。どんな油であれ、揚げ物で使った古い油を何度も使用しないようにしましょう。
もちろん当たり前のことでずか、どんなによい油でも、とりすぎればカロリーも高くなり肥満の原因にはなりますから、適量が肝心です。
脂肪がつきにくい油はいいの?
トクホ(特定保健用食品)に認定された食用油も人気が高いですね。食後の血中中性脂肪が上昇しにくいく、体に脂肪がつきにくい「ジアシルグリセロール」、効率よく燃焼し脂肪になりにくい「中鎖脂肪酸」、コレステロールの吸収を抑える「植物ステロール」などがあげられます。
こうした油は、さまざまに検証された上で効果が認められ、厚生労働省が許可していますので、コレステロール値や血圧、血中脂肪の数値が高く深刻な場合、油は減らしているのにどうしても数値が下がらない場合、医師に勧められた場合など、使用されると効果が得られることもあるでしょう。
けれども加工・調整された油の中には、まだまだ未知の部分もあり、再検証しているものもあります。コレステロールや脂肪が気になるなら、まずは油脂の摂取を控え食事のバランスを見直すのが優先です。単純に、これまでと変わらずフライを毎日食べたいから、コレステロールのつきにくい油を使うというのでは、安易だと私は思います。
今回ご紹介した
植物油 は、確かに値段が高いものが多いです。だからこそ大切に控えめに使うという方が、健康のためにもちょうどよいのではないでしょうか。
これだけ称賛された植物油が、脳卒中や癌を引き起こすというのですから消費者は、戸惑うばかりです!
リスクの順位
1.マーガリン(キャノーラ油、大豆油)
脳卒中促進効果や、内分泌攪乱作用が強い。マーガリンは、心臓に悪く日本だけが大量に使用している!
2.キャノーラ菜種油
脳卒中促進効果や、内分泌攪乱作用がマーガリンまでは強くないが、危険である。
3.パーム油
発がん作用。市販のケーキや、クッキーに使用されている!
4.リノール酸の割合が高い油
大豆油、コーン油、米油です。リノール酸は、コレステロールを下げると言われていますが、その反面、心臓病に成ってしまいます!
植物油脂でも、シソ油、エゴマ油、亜麻仁油は、どうやら健康にいいようです!
もっとも、スーパーに陳列されている食用油は、化学薬品ばかりですから身体にいいものは皆無です!
食の安全神話は、崩壊し、化学物質に汚染された食品ばかりを接種しています!
世紀末です!