米朝首脳会談決裂により北朝鮮は崩壊への道を歩む!!
トランプは、北朝鮮への経済制裁を強化して北朝鮮の軍部の不安をあおり内部崩壊を目論み、また2年後の大統領選挙の2~3ケ月前に「北朝鮮空爆」を決行して大統領選に臨むという筋書き!!
問題は、日本からの有形無形の送金です!!
日本国内の北朝鮮関係者から毎月200~300億円の送金がありますので、トランプはこの資金の凍結を日本国に要求してくるはずです・・・。
関西地区には北朝鮮企業が雨後のタケノコのようにありますから・・・。
米朝首脳会談でなぜ北朝鮮は無謀な要求をしたのか、元駐韓大使が解説
ベトナムの首都ハノイで行われたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の2度目の首脳会談は、事実上の物別れに終わった。その原因は、金委員長が無謀ともいえる要求を突きつけたからだ。なぜ、そんなことになったのか、元在韓国特命全権大使の武藤正敏氏に解説してもらった。
首脳会談開催に至った
米朝の国内事情
トランプ大統領にとって、2月27日から開かれた2回目の米朝首脳会談は、いわゆる「ロシア疑惑」をめぐるモラー特別検察官の報告書から目をそらすことを狙って開催されたといわれている。このためトランプ大統領は、多少の譲歩をしても合意をまとめたかったはずだ。
他方、米国では、議会下院がトランプ大統領の腹心で顧問弁護士だったコーエン被告の公聴会をあえて27日にセットし、トランプ大統領が米朝首脳会談を外交的成果としようとしていることを牽制していた。そのため弱腰で合意するよりも、それを蹴ってでも帰国した方が得策と考えたとの見方がある。
公聴会でコーエン被告は、トランプ大統領が内部告発サイト「ウィキリークス」による民主党のメール暴露計画を事前に把握していたと説明した。メールは、ロシアが選挙介入のためサイバー攻撃で盗んだとされているものだ。しかも、トランプ大統領の長男がロシアの弁護士と会う予定になっていたという話も出ており、これが事実であればロシア疑惑は重大局面を迎える。
さらに、不倫問題をめぐっても、コーエン被告が女性に口止め料を払った後、トランプ大統領が分割払いで返したとされている。こうした国内の政治情勢に鑑み、トランプ大統領は譲歩を重ねてでも合意を得て、成果を“誇張”しようとするのではないかと見られていたのだ。
一方、北朝鮮は、国連による経済制裁によって、軍や側近などの忠誠を確かなものにするためのいわゆる「統治資金」が枯渇しているといわれている。実体経済は、闇市場の拡大で落ち込んでいないようだが、アジアプレスが調査したところによれば、昨年11月から北部の広範な地域で電力供給がほぼストップするなど経済制裁が効いており、なんとしてでも制裁の全面解除を勝ち取らなければならなかったのだ。
こうした両国の事情を背景に、2回目の首脳会談が開かれたわけだが、結果は決裂。では、どういう経緯で決裂したのか見ていくことにしよう。
トランプ大統領の飲めない
要求を突きつけ会談は決裂
合意文書の大枠はあったにもかかわらず、最終的に署名に至らなかったのは、両首脳に判断が託された最後の重要な部分で合意できなかったためだ。
トランプ大統領は、会談の内容は生産的であったと評価し、今後のさらなる会談の可能性について否定していない。しかし、予定していた昼食会はキャンセルされ、次回の会談についても見通しを語らなかった。そして記者会見を早め、急いで帰国の途についた。これは、交渉が膠着状態に陥ったことを意味するもので、会談結果に不満だったことの証左だろう。
トランプ大統領の会見によれば、北朝鮮は制裁の完全な解除を要求する一方、非核化については寧辺の核施設の廃棄以外の譲歩には応じなかったもよう。これではいくら「前のめり」なトランプ大統領でも譲歩はできるはずがない。北朝鮮の非核化はあきらめざるを得ず、米国内で「トランプ大統領は交渉に失敗した」とのレッテルを貼られてしまうからだ。
このような米国が決して飲めない要求を、なぜ金委員長が突きつけたのだろうか。
そもそも金委員長は、米朝の高官・実務者会合に乗り気ではなかった。しきりにトランプ大統領に親書を送って首脳会談の開催を求め、首脳会談で決着させようとしてきたのだ。背景には、昨年6月に開催された1回目の首脳会談がある。
米国は1回目の首脳会談の事前協議の段階で、まず非核化を先行させなければならず、そのための具体的な措置を北朝鮮に求めた。もしそこまで至らない場合でも、少なくとも「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」という原則は確認する方針だった。
ところがトランプ大統領は、抵抗する北朝鮮側に妥協し、曖昧な内容の共同宣言を出してしまった。そのため北朝鮮は、会談直後から「米国は段階的非核化を受け入れた」と主張、「非核化なくして見返りなし」という原則には応じず、終戦宣言や制裁の緩和といった見返りを要求するようになった。
当然のことながら、こうした北朝鮮の行動は、核施設の申告などを要求する米国側の主張とは相いれなかった。そのため北朝鮮は実務協議に見切りをつけ、首脳会談で打開を図る道を選んだのだ。
首脳会談では、開催を決定する前に実務者会談で双方の立場を見定めるのが通常である。しかし、今回はこうしたプロセスが完全に省かれた。というのも、韓国の文在寅大統領が北朝鮮の非核化の意思を伝えていたことに加え、金委員長の親書という誘惑にトランプ大統領が負けてしまったからだ。開催を決定してから実務者協議を急ぎ、最終的な合意ができたといわれている。
恐らくこの合意の重要な部分については、いくつかの選択肢を入れたものであったのだろう。それらをめぐって、激しいやり取りが行われたと見られる。にもかかわらず、北朝鮮が想像外の過大な要求を突きつけてきたため仕切り直しとせざるを得なかったのだ。
トランプ大統領の窮地を見て
一気に勝負に出たものの見誤る
北朝鮮は喉から手が出るほど外貨がほしいはずなのに、なぜ現実的な妥協をしなかったのか。今回は適当なところで合意し、米国の譲歩を引き出すべく、次の首脳会談に懸けるという手があったにもかかわらずだ。
交渉は続けるというものの、首脳会談で合意できなかったものを、実務者で調整するのは難しい。それでも北朝鮮が無謀な要求を突きつけたのは、米国の国内事情を見て今回の首脳会談に懸けた可能性がある。トランプ大統領のロシア疑惑をはじめとするスキャンダルが今後一層深刻化すれば、トランプ大統領が譲歩しづらくなると見て、一気に勝負に出たということだ。
それにしては、差し出す見返りが寧辺の廃棄だけというのではあまりにも小さすぎた。それだけで制裁を全面解除すれば、北朝鮮はそれ以上の非核化をしなくて済むことになる。要するに、「非核化には応じない」との意思が明確に表れている対応だ。
いずれにせよ、金委員長も米国の反応を見誤ったことは間違いない。首脳会談を終えてホテルへ戻る、車中の金委員長の顔は引きつっていた。3月1日未明、北朝鮮の李容浩外相が記者会見を行って、北朝鮮の要求は「一部の制裁解除だった」と釈明したが、会談のわずか8時間後にこうした会見をしなければならないほど、会談決裂の衝撃が大きかったということだろう。
トランプ大統領にしても、北朝鮮が非核化に対しこれほど強い抵抗を示すと考えていなかったのではないか。通訳だけを交えた1対1の会談に続いて、側近を交えた拡大会合でどのようなやり取りがあったかは明らかではないが、かなり激しいやり取りが繰り広げられたのは間違いない。それでも大きな溝を埋め埋めることはできなかった。
トランプ大統領が国内の政治情勢を重視するあまり、情報機関や北朝鮮との交渉経験者が警鐘を鳴らしていたにもかかわらず無視してきたことが、今回の結果につながったといえる。
こうなると、金委員長は習近平中国国家主席や、文在寅韓国大統領にすがっていかざるを得ない。ベトナムからの帰途、中国で首脳会談があれば注目だ。ただ、トランプ大統領が会見で言ったように、北朝鮮が直ちに核ミサイルの実験を再開して挑発するような行動に出ることはないと見られる。米国の攻撃を最も恐れているのは、金委員長だからだ。しかし、今後制裁がさらに強化されれば、どうなるかはわからない。
よほど追い詰められないと
非核化は考えない
今回の交渉を通じて再確認できたことは、北朝鮮には非核化に誠実に取り組む姿勢が見られないということだ。
もともと北朝鮮政府は、夫婦間でも互いの反政府的な行動を密告させるなど、国民を一切信用していない。そのような国は、米国が体制を保証し経済協力を申し出ても、核を放棄すれば生き残れないと考えていても不思議ではない。北朝鮮が非核化するなどと期待感を持ってはいけないのだ。核放棄を促すためには、強い制裁によって「核保有のままでは出口がない」との現実を突きつける以外にない。
一部の人道支援の再開はいいとして、韓国の文大統領が提案した、南北の経済協力をテコに北朝鮮の譲歩を引き出すという考えは危険だ。韓国政府は、開城工業団地を再開しても労働者の賃金を労働者本人に直接支払えば制裁違反にならないとして、米国に南北事業の再開を認めるよう提案したというが、労働者に支払っても北朝鮮政府にピンハネされるだけで結果は同じだ。
加えて、工場稼働のための電力など、エネルギーの供給は制裁違反になる。北朝鮮に対する制裁を解除しなくても、韓国が制裁破りをする形になれば、世界各国、特に中国やロシアも堂々と制裁破りをすることになる。つまり南北交流事業の再開は、経済制裁の事実上の緩和なのだ。
終戦宣言にしても、在韓米軍の地位に影響を与えないということにはならない。終戦となれば、国連軍が駐留する根拠はなくなり、日本が国連軍に対して行っていた後方支援業務も終了することになる。そうなれば、在韓米軍の行動にも影響が及ぶことは必至だ。
韓国にとっても
大きな痛手
今回の米朝会談の決裂は、韓国の文政権にとっても大きな痛手だ。南北の交流事業にめどをつけ、北朝鮮との関係促進を一気に進めようとするもくろみが崩れてしまったからだ。北朝鮮との融和を政権の最大の課題とする文政権にとっては予想外のことだろう。
文政権にとっては下降気味の支持率を上げる唯一の“カード”が北朝鮮との緊張緩和だった。だが、米朝会談決裂によって金委員長がソウルを訪問しても“うまみ”がないとなれば、相互訪問は実現しないかもしれない。そして政権浮揚の機会も失われることになる。
逆に、「米国との関係がうまくいかないときには南北関係に軸足を移す」というこれまでの北朝鮮の行動パターン通り、ソウル訪問が実現する可能がないわけでもないが、いずれにせよ文政権は、米国と北朝鮮との仲を取り持とうと一層必死に動いてくるだろう。
最後に、今回の米朝首脳会談で拉致問題を取り上げられたことは、日本側がこれまでトランプ大統領に拉致問題の重要性を訴えてきた成果といえる。ただ、金委員長がいつ日本との関係改善に乗り出してくるかは不透明だ。
米国との交渉再開のため、日本の役割を意識したときがいいきっかけとなるだろう。北朝鮮は、一筋縄ではいかない交渉相手だ。北朝鮮の意図をよく分析し、その機会をうまく活用していくかが重要である。
(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)
以上
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