食料危機!!全国の養鶏場、養豚場、畜産場で 火災が続出!!
毎年100件以上の養鶏場など畜産場の火災。
暗躍する放火魔!!
狙いは食糧危機!!
99%の犠牲者は鶏!!
まあ火災に成った方が儲かるからなあ~!!
2023年4月26日、茨城県小美玉の卵用の養鶏場で15万羽を収容する巨大な鶏舎で火災が発生し、その全ての鶏たちが死亡した。
動物たちは逃げるすべもなく、ケージの中でただただ苦しみながら焼き殺されたということだ。どれだけの恐怖と、どれだけの苦しみだったか、、、
そんな中で報道機関は淡々と人的被害がなくてよかったかのように報道をする。
違和感を覚える人も多いはずだ。
その畜舎火災のほとんどが「警察や消防が火災の原因を調べている」と締めくくられ、原因が報道されることはない。
8年ほど前だろうか、これを疑問に感じ過去の新聞から畜舎火災の記事を探し、各所に問い合わせをしたことがあった。
消防庁は「畜舎火災は全体のごく一部なので個別に記録していない」、新聞社は「私達も原因を知りたいくらいだ」、警察は「個人のプライバシーに関わることなので言えない」という回答だったと記憶している。
畜舎火災のニュースを見かけるたびに、拘束され迫り来る煙や炎から身動きさえできないまま死んでいった動物のことを思うと多くの人が関心を寄せた東日本大震災の畜産動物の死と何が違うのかと、手短に淡々と済まされる報道に心が痛んだものだ。
畜舎の火災の原因について、期間限定ではあるが消防庁が2017年から2019年の畜舎における⽕災統計が作成している。
検討会用に作られたため正式なものではないが、それまで報道されることのなかった畜舎火災の具体的な内容の一部が明らかにされている。
畜舎火災件数
令和元年
- 全焼:58 (50%)
- 半焼:12 (10%)
- 部分焼:28 (24%)
- ぼや:14 (12%)
- その他:4 (3%)
- 合計:116件
平成30年
- 全焼:45 (45%)
- 半焼:13 (13%)
- 部分焼:29 (29%)
- ぼや:13 (13%)
- その他:0
- 合計:100件
平成29年
- 全焼:52 (50%)
- 半焼:13 (12%)
- 部分焼:25 (24%)
- ぼや:13 (12%)
- その他:2 (2%)
- 合計:105件
過去3年の畜舎における火災の出火原因
令和元年
- 電灯電話等の配線 12 (10.3%)
- たき⽕ 10 (8.6%)
- 電気機器 7 (6.0%)
- 電気装置 6 (5.2%)
- コンロ 5 (4.3%)
- 溶接機・切断機 5 (4.3%)
- ストーブ 4 (3.4%)
- ⽕⼊れ 3 (2.6%)
- 灯⽕ 3 (2.6%)
- 放⽕ 2 (1.7%)
- 配線器具 2 (1.7%)
- 交通機関内配線 2 (1.7%)
- 焼却炉 2 (1.7%)
- 取灰 2 (1.7%)
- 合計:65件(※誤差51件)
平成30年
- 電灯電話等の配線 13 (13%)
- 配線器具 7 (7.0%)
- たき⽕ 6 (6.0%)
- ストーブ 6 (6.0%)
- 電気機器 4 (4.0%)
- 排気管 4 (4.0%)
- 電気装置 3 (3.0%)
- 放⽕ 2 (2.0%)
- コンロ 2 (2.0%)
- 灯⽕ 2 (2.0%)
- 溶接機・切断機 2 (2.0%)
- 合計:51件(※誤差49件)
平成29年
- 電灯電話等の配線 14 (13.3%)
- 電気装置 7 (7.6%)
- たき⽕ 7 (6.7%)
- ストーブ 7 (6.7%)
- 配線器具 7 (6.7%)
- 溶接機・切断機 4 (3.8%)
- 灯⽕ 3 (2.9%)
- たばこ 2 (1.9%)
- 放⽕の疑い 1 (1.0%)
- ⽕遊び 1 (1.0%)
- 衝突の⽕花 1 (1.0)
- 合計:54件(※誤差51件)
※補足:原因数と発生数の誤差は、原因が特定できなかった数と、1件だけの少数原因のため省かれた数が含まれる
火遊びなどもってのほかだが、この中で防ぐことができない原因は”放火”くらいではないだろうか。
なお、海外の畜舎火災の記事では、放火の原因として放火魔以外にも不満を抱いた元従業員や隣人の可能性を挙げている。
また保険金詐欺では動物を完全に無視して火を放つこともあるとしている。
畜産場での火災というと、動物のための暖房などをイメージされがちであるが、動物のための装置が発火原因であることはほぼないということもわかる。基本的には設備の点検不足、そして一部不注意である。
火災経験のあるブロイラー農場の従業員から体験談を聞いたことがある。
そこでは平時から高温探知機を設置していてなんらかの理由で反応した際は警備会社から従業員の携帯に連絡が入るのだが、何が原因で高温を探知したのかまでは警備会社は把握できない。
普段の警報音は室温管理に関する致命的ではない理由であることがほとんどだが、従業員不在の夜中に火災が発生した場合、警備会社からの連絡後、急いで農場に駆けつけた時にはすでに手遅れで、119番通報し、燃え広がる鶏舎をただただ見ていることしかできなかったという。
止まらない畜舎火災
2023年4月時点ですでに多くの畜舎火災の記事が散見される。過去統計の発生件数からするとこれ以外にも多発していることが覗える。
2023年1月12日
2023年1月15日
ニワトリ約1万8000羽死ぬ 養鶏場で鶏舎2棟全焼 愛知・半田市
2023年01月19日
2023年2月11日
2023年2月15日
牛舎が全焼 黒毛和牛と乳牛10頭以上死ぬ 暖房器具から出火か 神戸市
2023年3月6日
2023年3月7日
2023年03月09日
2023年3月14日
2023年3月18日
2023年3月27日
2023年3月31日
ウシのエサを処分するため燃やしていた」牛舎を全焼する火事 鳥取・智頭町…各地で草火災相次ぐ
2023年4月6日
2023年4月9日
栃木の牛舎で火災
2023年4月22日
2023年4月26日
桁違いに動物を詰め込む鶏舎で火災が1件発生すればその死亡数は一気に万単位になる。
ワシントンDCに本拠を置くAWI(動物福祉協会)のレポートによると2018 年から2021年のアメリカの納屋火災の家畜死亡数299万頭以上のうち98%が家禽であり、また別のデータでは納屋火災で死亡した650万頭の動物の約92%を鶏が占め、豚は約2%、牛は1%未満だとしている。日本には被害家畜数の統計データはないが、同様であることは間違いがない。鶏は圧倒的に利用数が多いため、何か起こればどの分野でも必然的に膨大な数の命が犠牲になってしまうのだ。
実際上記報道があった分だけでも、鶏が99.1%を占め、豚が0.7%、牛は0.1%以下である。さらに牛の場合、火災があった際に逃げられているケースが有る。これはおそらく繋がれていない牛だった場合に、運良く逃げることができているものと考えられる。とくに肉牛は繋がれていないケースが多いため、生き残る可能性が高い。一方で鶏はケージの中に押し込められたり、ウィンドレスの畜舎であることが多く、100%焼き殺されたり煙により死亡したりしていると思われる。そもそも、発見が早かったとしても逃がそうという気持ちは従業員にはない可能性が高く、実際に鶏舎の場合、脱出できているケースはなく、棟ごとに全滅している。
畜産場は大量の命を預かる場であり、その経営者にも従業員にも一般の人よりも遥かに大きな責任がかかっている。動物なら死んでもいい、という考え方でもし畜産をしている人がいるならば、すぐに廃業していただきたい。畜舎での火災は、自然災害ではなく、明らかなる人災である。
このような火災による被害も動物の生と死に関わる心身の状態を大きく左右するアニマルウェルフェアの問題のひとつであり、炎を発生させないという予防でしかその責任を果たすことはできない。そして、万が一に備えた取り組みが必要なのだが、日本の畜舎火災に対する態度は悪化している。
畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律ができたことにより、令和4年4月1日から新たに畜舎等における消防用設備等の設置に係る特例基準が適用された。以下がその内容だ。
畜舎等(畜舎のほか、集乳施設や搾乳施設、堆肥舎)
①防火上及び避難上支障がないこと(例:平屋建て、不特定多数の利用がないもの)、②周囲の状況に関し延焼防止上支障がないこと(例:周囲6メートル以内に建築物又は工作物が存しないもの)を満たす場合には消防用設備等の設置について特例基準を適用。特例基準は以下の通り。
① 消火器具:延べ面積150㎡以上の場合は20m毎の配置で設置が必要だが家畜飼養スペースや家畜排泄物処理・保管スペースには20m毎の配置不要
② 屋内外消火栓設備:不要
③ 警報設備:原則不要
※事務等を行う部屋が設けられその床面積が1,000㎡以上となる場合は自動火災報知設備の設置が必要だがこの場合も家畜飼養スペースへの音響装置設置は不要
④ 避難設備:原則不要
※出入口や窓が多く避難が容易な場合は誘導灯の設置不要
⑤ 消防用水:敷地面積20,000㎡以下、延べ面積5,000㎡以下の場合は設置不要
※木造以外の平屋建てで高さ16m以下の場合、延べ面積10,000㎡未満のものも設置不要
倉庫及び自動車車庫又は駐車場
① 消火器具:延べ面積150㎡以上の場合は20m毎の配置で設置が必要
② 屋内外消火栓設備:
<倉庫の場合>
屋内消火栓設備:延べ面積700㎡以下の場合は設置不要
※延べ面積3,000㎡以下の場合は屋外消火栓設備も設置不要
<自動車車庫又は駐車場の場合>
屋内消火栓設備:設置不要。
※延べ面積3,000㎡以下の場合は屋外消火栓設備も設置不要
③ 特殊消火設備:駐車の用に供される部分の床面積が500㎡以下の場合は設置不要
④ 警報設備:延べ面積が500㎡以下の場合は設置不要
⑤ 避難設備:出入口や窓が多く避難が容易な場合は誘導灯の設置不要
⑥ 消防用水:敷地面積20,000㎡以下、延べ面積5,000㎡以下の場合は設置不要
畜舎には火災が起きやすく広がりやすい条件がそろっているというのに、「防火上支障がない」とは何を根拠に判断できるものなのか疑問だ。さらにはこの法律が畜産業の国際競争力の強化を図ることを目的として作られたというから驚きだ。国際的にアニマルウェルフェアの重要性が増す一方の時流の中でよくこのような発想に至ったものだ。
畜舎火災から見るこの社会の動物に対する態度をあなたはどう感じるだろうか。
結局、日本では火災が発生すれば火を止める術も、止める気もない。そして前述した通り、多くの人は大きな炎の前では全くの無力だ。だからこそ畜産業者は、火災の原因を知り、その予防に努めることが強く求められる。そして市民は火災の報道があるたびに、上記の非人道的で思いやりの欠片も無い法律を思い出し、農水省に抗議の声を届けてほしい。
最後に、畜産場での火災の原因と、行うべき対策をまとめる。
原因と対策
火災には酸素、燃料、熱の3つが必要であり、これを「火災の三角形」と呼ぶ。畜舎は換気(酸素)が基本的には効いており、可燃物(燃料)が多く、素朴な放牧飼育などでなければ照明や暖房器具などの電気配線(熱)が多く通っているので、火災が起きやすい条件がそろっている。
三角形のどれか1点が足りなければ火災は発生しないため、原因と対策をしっかりと押さえ、火災予防を習熟する必要がある。
原因1:電気・配線関係のトラブルが多い
畜舎はたくさんの動物とその糞尿などにより湿度と腐食性ガス濃度が高く、この組み合わせが電気システムの銅を速い速度で腐食させ局所的な熱を発生させる。腐食により端子間に隙間ができればそこから出た火花が周囲の可燃物に引火する可能性もある。また電気関係の火災と聞くとげっ歯類をイメージすることも多いが、実際げっ歯類は成長する歯の長さを制御するためコーティングをかじることを好む。
対策
- 従業員の日常点検
- 有資格の電気技師や消防署による定期点検とリスク評価
- ワイヤは丈夫な金属製のカバーに収める
- 照明器具、蛍光灯、防虫器具などに防塵・防湿カバーを取り付ける
- 赤外線サーマルスキャナーを使用し、腐食の影響によるホットスポットを見つける
- 埋め込み配線など目視確認できない方法を避ける
原因2:仮設機器の長時間使用
冬場はヒーターやストーブなどの使用頻度が増すため自ずと火災件数も増える。仮設機器を長時間使用すると劣化したコンセントや延長コードから火災発生の可能性が高くなる。
対策
- メーカーのガイドラインに従って正しく使用する
- 長時間使用を避ける
- 使用中の機器の監視
- 傷のある機器、露出したワイヤ、カバーされていないライトを使用しない
- 腐食防止のため家畜飼養エリアに仮設機器や延長コードを保管しない
- 延長コードを多用しない(回路が過負荷になる)
- 傾いた際に遮断装置が作動するヒーターを使う
- ヒートランプの下に保護メッシュ ガードを設置する
- 劣化したコードを絶縁テープで包むことは適切な修理方法ではない
電気照明の必要性を減らすためにできるだけ自然光を使用することも火災予防になるのでウィンドレス(閉鎖型畜舎)は火災の観点からもよろしくないということになる。
原因3:引火する可燃物が多い
畜舎にはおがくずなど必須アイテムの他にもクモの巣やほこりが多く、これらが畜舎に散在していれば熱くなった電球などにより火が付いた際に炎が畜舎全体に広がる手助けをしてしまう。
対策
- 屋内・屋外の整理整頓をする
- 必須ではない可燃物は畜舎とは別で管理する(可燃物を減らす)
- 可燃物は電気システムから少なくとも1mは離す
- クモの巣やほこりの清掃
- ファンやモーターなど加熱のおそれがある機器も定期的に清掃
- がれきの撤去や草刈り(潜在的な可燃物を取り除く)
- 車両の給油時などに放出される可燃性蒸気を建物に引き込まない(大気中に拡散させる)
- 畜舎内で溶接作業や火炎放射を伴う作業を行わない
- 屋外での高温作業が不可能な場合は可燃物を離し、地面に不燃性パッドを敷く
- 火花を糞尿ピットに落とさない(糞尿ピットには可燃性ガスが発生している)
先日テキサス州の酪農場で1万8000頭の牛が爆発により死亡したというニュースが大きく取り上げられたが、以前から納屋の下の糞尿貯蔵庫に火花が落ちて爆発したという海外ニュースは珍しくない。
原因4:車両関係
トラクターなどはエンジンを切ったあとでもかなりの熱を発している。そこに小さな可燃物の破片などが付着していると発火する恐れがある。
対策
- 大きな熱を発する乗り物は畜舎から離れた場所に保管する
- 排気に火の粉防止装置を付ける
- オイル交換などで油の付いた布は安全な容器に保管する
- 衝突防止に燃料保管場所のまわりにボラード(船を係留したりする時の地面から突き出た大きな杭)を設置する
原因5:喫煙
畜産以外の火災原因で最も多いのがタバコの不始末。令和4年では焚き火がタバコを上回り1位に、また平成28年では放火がタバコを上回り1位になっているが、令和3年~平成29年はタバコが出火原因の1位であり、タバコは常に1位もしくは2位とトップにランクしている。
対策
- 場内禁煙が望ましい
自ら好んで火を発生させるわけなのでタバコは危険なアイテムであることは間違いなく場内禁煙にするのが最もよいが、一般的に畜産場スタッフの喫煙率は高く多くの喫煙者は少しでも時間があれば場所を選ばずタバコを吸いたいものだ。最低限消火用の水を備えた灰皿のある喫煙場所を決めてマナーを守ることが求められる。
原因6:干し草の自然発火
水分の多い湿った干し草が乾燥プロセス中の細菌反応によって熱くなり火災の原因になる、最も意外性が高く油断しやすいのがこの原因かもしれない。水分が多いのに発火するなどはじめは信じられないことだろう。干し草というと日本では酪農だけがイメージされるが、海外では養豚や養鶏でもアニマルウェルフェアのために敷料が使われるため、養豚や養鶏でも気にする必要がある。日本の場合おが粉が使われることが多いため、干し草ほどではなくとも、湿度のチェックが必要だ。
対策
- 干し草は離れた別の建物に保管する
- 十分に換気し乾燥させる
- 干し草の温度監視
注意する温度
65℃:毎日のチェックが必要
70℃:4 時間ごとに温度を測定
80℃:消防署に連絡、 干し草を濡らして納屋から取り出す
85℃:加熱した干し草が空気に触れると炎が発生する可能性あり
100℃:この点を超えると急激に温度が上昇、干し草はほぼ確実に発火する
危ない状態の干し草はカビの臭いがするという、ドライアイス、液体窒素、二酸化炭素ガスは干し草の塊から酸素を除去し燃焼を防ぐ。過去には自然発火防止に塩が撒かれていたが試験により塩は自然発火の抑制に効果がないことが示された。
その他の原因
- 電気の誤作動
- 放置または倒された加熱ランプ
- 高圧洗浄機による電気機器の劣化(動物の出荷後には高圧洗浄機で糞泥を洗い流す)
- 建物に近すぎる焚き火
- 人用のストーブ
- コーヒーメーカーやその他電化製品の電源切り忘れ
- 太陽光を拡大するガラスによるわらの発火
- 落雷
など
今のところ、そのほとんどはペットフードに使われている。
昆虫を使ったドッグフードやキャットフードはすでに40ブランド以上あり、700億ドル規模の産業となっている。
私たちは今、変わる必要があり、これがその解決策だ。
廃棄物を取ってタンパク質に変え、それを家畜に食べさせるのだ。
また、人間が昆虫を食べることについてはどうだろうか?
振り返れば、今は高級食材とされているロブスターも、昔は囚人の食べ物だった。
また、西洋の人々は最近まで寿司を食べなかった。
昆虫の場合は、そう簡単にはいかないと思う。
昆虫のタンパク質を食べるのは良いことだと説得しても、嫌われる要素がある。
嫌悪感を抱かれるのだ。
しかし、人々は昆虫を食べた鮭や、鶏や、その卵を喜んで食べる。そして、犬に昆虫を食べさせても喜ぶのだ。