・‥…━★::::::アケビ(通草)・ムベ(郁子) アケビ科::::::★━…‥・
秋の風物詩のような、アケビの実。ゴヨウアケビもミツバアケビも同じ種類で、混埴すると実付きが良くなる。
食用としての実はよく知られているが、花も美しい。どちらも紫の小花をこぼれるように付ける。花も実もそれぞれの時期で、季語になっている。
薬草としても用いられ、蔓は細工ものとしても用いられる。
ムベはその実がアケビによく似ているが、熟しても裂けることがなく、花も異なる常緑。触ってやわらかければ食べごろ。
果実は種が多いが、美味。冷たくして食べると「アイスクリーム」のように、なめらかで、非常に甘い。
★アケビ:葉が5枚。葉のふちに波がない。果実は紫。
★ゴヨウアケビ:葉が5枚。葉のふちが波型。果実は黄土色。「アケビ」と「ミツバアケビ」の交配種。
★ミツバアケビ:葉が3枚。実は紫で、一番大きい。
★ムベ:常緑なので、「トキワアケビ」とも。花は白緑色。関東以西に分布。
≪名前の由来≫
アケビ 熟すと実が裂けることから、「開ける実」→「あけみ」→「アケビ」が定説である。また、「ムベ」と比較して「開けむべ」→「アケビ」の説も。漢字の「通草」は、蔓をきり、片方から息を吹き込むと空気が通り抜けることから。
ムベ 天智天皇が近江に出かけた折、老夫婦に出会った。「なぜそのように長寿なのか」と訊ねたところ「不老長寿のこの果物を食べているからです」と答えて、差し出したのが、この果実。感心した天皇が「むべなるかな」(なるほど、もっとも)と言ったことから、「ムベ」と呼ばれるようになった。
ミツバアケビ・ゴヨウアケビ 葉の枚数による名前
ミツバアケビの花2008/4/20仙台
2008/9/26仙台ミツバアケビの実
★。.:*:・'゜☆。.:*:・ アケビのレシピ ★。.:*:・'゜☆。.:*:・
≪新芽≫ 春先にどんどん伸びる。やわらかい部分を摘み、茹でておひたし、あえもの、天ぷらに。ゼンマイの替わりにビビンバに入れても美味しい。山菜おこわにも入れられる。程よい苦味がある。
≪皮≫白い綿の部分を落としたほうが、苦みが少ない。
詰め物の炒め焼き:具は糸コン、ひき肉、ニンジンなどを炒めて醤油と砂糖で味付けする。 皮に詰めて油で炒め焼きにする。油炒め:皮を細く切り、油で炒めて、醤油や、味噌で味付けする。
オーブン焼き:皮に味噌や、チーズなどをのせ、オーブンで焼く。
≪保存≫皮を冷凍して。または乾燥させて保存。
≪薬草としてのアケビ≫
木質化したつる性の茎を晩秋に採取。乾燥させたものは「木通(もくつう)」煎じて、利尿剤に。
実を乾燥させたものは「木通子(もくつうし)」は利尿剤に。
薬草の詳しい記述はこちらから http://www.e-yakusou.com/yakusou/016.htm
★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜俳句と和歌★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜
吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐というらん 文屋康秀 この歌の「むべ」は、「なるほど」の意味。
ますらをが 爪木に通草さしそへ て暮るれば歸る大原の里 西行
仲秋の季語 林ゆく 雨や通草(あけび)が ぬれしのみ 秋櫻子
老僧に あけびを貰ふ 暇乞
闌春の季語 海鳴れり 通草も黒き 花を垂れ 瓜人
仲秋の季語 郁子(むべ)呉れし 人老ゆまたは 逢はざらん 悌二朗
晩春の季語 郁子咲けり 捨てて久しき 家の門 元
★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜ アケビ細工 ★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜
蔓、特に「ミツバアケビ」は、蔓細工に向いている。地を這うようにまっすぐに延びたものの方が、細工がしやすい。乾燥する前なら、そのままでも編めるが、いったん乾燥させたときは、水につけて柔らかくしてから編む。
★右ははリースにしてクサギと合わせたもの。
★左は簡単にできるカゴと乾燥アケビ。
アケビやムベのことがとても詳しく書かれてあり、
いろいろと勉強になりました。
目からウロコが落ちたようです。(笑)
ところで、ムベの説明文の冒頭「天地天皇」は誤字ではありませんか。「天智天皇」のことでしようか。
そうですね。誤変換に気づかずにいました。
今日訂正しました。