・''・:*:.☆.:* ヨモギ(蓬) キク科 ☆.:*:・''・
和歌にも多く詠われ、早春の象徴でありながら、その季節に美しい花が咲くわけでもなく、花が咲くころになると、汚い雑草として疎まれる。
誰でも知っている植物で、古くから親しまれているのに、山菜・薬草として以外は、さして大事にされることもない、不思議な顔を持つ「ヨモギ」。
花は秋に咲くので、「秋の花」に分類されるが、季節感としては、「春の草花」である。
春になり、「フキノトウ」を収穫する時期になると、「ヨモギ」が出ていないか、気になる。昔は端午の節句のころになると、ショウブとともに屋根に載せたりもしたが、今はそんな習慣もない。その後は、「雑草」でとして、邪魔になる。
2007/9/5仙台市
≪別名 ≫ モチグサ、モグサ、ヤイトバナ、さしもぐさ
≪名前の由来≫
ヨモギ 四方に根茎を伸ばして繁茂するという意味から、四方草(よもぎ )という説。他に、「よく燃える草」の「善燃草(よもぎ)」とか、「よく萌えでる草」の「善萌草(よもぎ)」という説。
モグサ・ヤイト 灸の原料として燃やすので、「燃え草」から艾(もぐさ)。ヤイト」
モチグサ 草餅の原料に用いられることから。
★。.:*:・'゜☆。.:*:・ ヨモギの使い方 ★。.:*:・'゜☆。.:*:・'
若葉を茹でて水にさらしたもの 刻むかすりつぶし、「草餅・草だんご・蒸しパン・豆腐和えも、おひたし、炒め物、汁の実。天ぷら
少し伸びた葉 先ヨモギ酒
根 300グラムを1.8リットルの清酒に漬けて半年以上熟成してからこす。
ヨモギ風呂 木綿袋に入れて煮出し、沸かした風呂に入れてヨモギ風呂に。
塗布 切り傷、虫さされ、かゆむ止めに生の葉を絞り塗布。ヨモギと適量の水をトロ火で数時間煮つめて湿疹などに使用
灸 若葉を天日で良く干して、からからに乾燥したものをよくもんだもの。
「もぐさ」という。
ヨモギ石鹸 端午の節句 蓬で作った人形を飾ったり、菖蒲酒を飲んだりする風習があった。蓬や菖蒲は邪気を払う作用があると考えられていた。現代の日本においても菖蒲や蓬を軒に吊るし、菖蒲湯に入る風習が残っている。
◆◇◆ト若葉を天日で良く干して、からからに乾燥したものをよくもんだもので、「艾(もぐさ)」という。◆◇◆
薬草「艾葉」http://www.e-yakusou.com/yakusou/884.htm
★。.:*:・'゜☆。.:*:・ 長歌・和歌 ★。.:*:・'゜☆。.:*:・
春の蓬は、いち早く芽を出し、芽出し、生命力も強く、山菜、薬草としても用いられる。「蓬」「蓬摘み」とともに、早春の季語。
あやめ草 蓬 かづらき酒(さか)みづき 遊び和(な)ぐれど 万葉集 家持
夏過ぎて、荒れ地のようなところに、茫々として生える「蓬」は、源氏物語の「蓬生(よもぎゅう)」に詠われています。源氏が末摘花を訪ねると、屋敷には蓬が深く生い茂り、ぼろぼろの屋敷になってました。
たづねても われこそとはめ 道もなく 深き蓬の もとの心を 光源氏
深い蓬にうもれていたあなたの深い心のもとに、これからは訪れます。
道もなき 蓬(よもぎ)をわけて君ぞこし 誰(たれ)にもまさる 身のここちする
与謝野晶子が、現代訳「源氏物語」に付けた歌です。
百人一首 には「さしもぐさ・させもぐさ」として、詠われています。下野(栃木県)の伊吹山はその産地として有名。
かくとだ にえやはいぶきのさしも草 さしもしらじな 燃ゆるおもひを 実方
こんなにしたっているのです。燃えるようなような私の想いご存じないでしょうね。
契りおきし させもが露を命にて あはれ今年の 秋もいぬめり 藤原基俊
あれほど約束して下さったのに、それを頼みにしていましたのに……今年の秋も空しく過ぎます。
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