季節がうつりゆくように、子どもたちの世界は変化に富んでいてその姿はいつも美しいな、と思います。
最近、私は勝手に前座と呼んでいますが、朝みんなが集まるのを待つ間に手遊びや絵本を読んで、先に来た子どもたちと場をあたためておきます。
今日は、子どもたちで流行っていた手品をしてみたり、ダジャレを言って遊んだり、絵本を1冊読みました。
絵本で笑い合える時間はとても幸せに感じます。
まだ絵本は2冊控えていたのですが、
年少Sが、
「私、ラーメンの歌やる!」と言いました。
ラーメンの歌!!
一体どんな歌なんでしょう。
とても聴いてみたかったのですが、
「みんな静かにして!私が歌うから、いい?マネして!!!」という指示に興味を持つ子は誰もいませんでした。
どうしようかな、と思っているうちに立ち上がる子が出てきたり、絵本がいいと言う子が居たりで、バラバラしてきました。
仕方なく、絵本をもう一冊読んで何となく場にまとまりを取り戻しました。
森に出発!という時、
Sに、「ラーメンの歌がどんなのかとっても聴きたかった~」と話しました。
でもそれはもうどちらでもいい様子で、歌ってはくれませんでしたが、
このことがきっかけで今日は一日Sちゃんを中心に遊びこむことができました。
道中、珍しい物を見つけては、
「これ、あなたにあげる!」
「わーこれ何?」といろんな物に興味を持って、集めながら目的地に到着。
つつじの新芽がクルっと巻いていて、少し毛羽立っていてインゲン豆のように見えました。
その話が発展して、「お店屋さんごっこで売る!」と張り切るS。
お店の場所を決めて、
売る物を並べて、
「いらっしゃいませ~」と始めました。
年少I、Mトなどが「いれて~」とやってきました。
私は、年長Sなと売り物を探しに行きました。
崖を勇ましく登り、赤い実を取りつくし、
「オレって天才!!」と満足げに叫ぶ、Sなの姿もとても輝いていました。
その赤い実は、南天とは違ってつぶすと赤い汁が出ました。
それを、細い棒のペンでお絵かきにしよう!と提案すると、
更に発展して、
Mトのネイルサロンが開店しました。
大人のお客さんにも楽しんでもらえて、ノリノリ。
手つきは大人顔負けでした。
店を始めたSは、私に店番を任せ、虫について聞きたいことがあって年中Kクの所に行っていました。
しばらくして戻ると、
ネイルサロンは終わっていて、
Mトが「ここでパン屋したい」と言いました。
すると、
怒ったSが、ダメ!と言ってMトの腕にパンチをしました。
3回くらい叩かれて、たまらず泣き出すMト。
Iは、大変なことになったとスタッフを呼びに行き、
「Sちゃんが泣かした、こういう時は謝るんだよ」と諭しました。
近くを通る子が、
Sが悪いというようなことを言ってはその場を去っていきました。
その間に、私はSとMトの気持ちを代弁しました。
「自分が最初に始めたお店の場所で、パン屋をやってほしくないんだよね」とか、
「だからって叩かれるのは嫌だよね」と。
Sの気持ちは代弁されても治まる様子がありません。
またパンチしました。
「言いたいことはお口で言ってごらん」と勧めると、
「ここは私がやってたお店なの!」と言うことができました。
それから、「うぅ~」と犬のように唸りました。
それで、
「わかってもらえなくって、イライラしてきちゃうね」と反映してみると、
今度は助走をつけて、Mトにパンチしました。
スタッフと一緒に、二人の気持ちの橋渡しをしている内に、
Sが「もういいよ、パン屋やってもいい」と急にクールダウンしました。
それでいいのかな?とMトの顔を見ると、まだしかめっ面。
Sに「Mトの顔見てごらん」と伝え、
「パン屋やっていいって言ってるけど、それでいい?」とMトに聞くけれど、納得はしていませんでした。
そうこうしている内にお弁当の時間がやってきて、その場は解散。
「くららちゃん、お弁当一緒に食べよう!」とS。
他の子の手洗いの手伝いをする間、ずっと私のことを待っていてくれました。
対抗しているのかしら?と思いましたが、
Mトも
「くららちゃんとお弁当食べるー」と言ってきました。
二人が同じ所で食べられなかったらどうしようかしら?と思いましたが、
二人とも私を挟んで一緒にお弁当タイム。
お弁当の間中、二人ともそれぞれ勝手におふざけが止まりません。
Mトは
「はぁ~」ばかり言っているので、
「へぇ~」「ほぉ~」と返すと更に悪ノリ。
Sは、木のスプーンを縦笛に見立て、野に咲く花のように♪を演奏しているマネをしました。
周りに居た子がほおっておきません。
陽だまりの中、合唱が始まったりしました。
Sが言いました。
「くららちゃん、お弁当食べ終わったら、ふざけごっこしよう!」
「うん、やろう」と言うと、
Mトが
「いれて~」と言い、
すかさず、
「いいよ~」とS。
あ、ここが終結だな、と思いました。
(くらら)
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