2ヶ月にわたり校正と演出を練り続け試行錯誤を重ねた怪談噺を、昨夜ようやくYouTubeにアップできました。
【落語にしてみた】宮部みゆき「泣き童子」
https://www.youtube.com/watch?v=V4GfRnl0UEI
【歌ってみた】とか【朗読してみた】などはあちこちで使われていますが、いまのところ【落語にしてみた】というヘッダを使っているのは私だけのようなので、もしアドレスで飛べなくてもYouTubeで上記検索ワードを入れれば間違いなく表示されます。
いやー、長かった。
特にハードルが高かったのが、
・クライアントは落語の素人だが選美眼はとんでもなく優秀
・自分の声を客観的かつ徹底的に聴き込む機会がこれまでなかった
の2点ですね。
クライアントはあまり落語を聴かないのですが、たとえば今年の大河ドラマ「いだてん」は(視聴率が悪かったのが不思議なほど)よくできていましたが、彼女はドラマの落語シーンを観ただけで、「あ、このドラマで落語の演技指導をしてる人、うまいわ」と一発で見抜きました。
その演技指導は落語協会でも屈指の実力者、古今亭菊之丞だったのです。
また、柳家喬太郎の高座を聴かせたところ、「これはうまいだけの人ね。その先がない」と、最初の数分で酷評。
まあ実際そうなんだからしかたがない。
さらに私は談志マニアなのが災いしてか、女性を演じるのが下手です。これも一発目の叩き台で指摘されました。
そこで原作では百物語の聞き手として女性が出てきてセリフも多いのを、すべて削って女性のセリフは必要最低限に書き直しました。
このあたりは私の物書きとしてのキャリアが役に立って、懐かしかったですよ。
そして自分の声を録音して何百回も聴いているうちに、自分の声を「客観的に」分析して演じる技を、少しずつ使えるようになりました。
特に私の声は低音域で「ふたつの音程の声を同時に出している」という特徴があることがわかり、我ながら驚くやら感心するやら。
まあこれは実際にお聴きになってください。
さて、今回はこのブログもほとんどほっぽらかして2ヶ月かかりましたが、これは原作が(短編にしては)そこそこ長かったのと、私がいろいろと慣れていなかった(声の使い分けやツールの使い方など)こと、そして何よりも、
私の家には(私以外にも)夜行性のケモノがいる
これに尽きます。
作業はいつも深夜から明け方にかけて6時間ほどできますが、このケモノが目覚めてしまうと、鳴くし走り回るし録音なんぞできません。
結局朝まで何もできなかった日もけっこうあります。
まあ次回以降はもう少し短い噺を、あくまでも「落語の怪談噺」として演じていきたいと考えています。
YouTube側ではコメントをオフにしているので、お聴きになったご感想や、怪談になりそうなネタの短編のご紹介などは、このブログにてどの記事にでも結構ですから、コメントを頂戴できれば幸いです。
他にもこの2ヶ月、いろいろなことがありました。
気づいてみれば今年もあと1週間。
私の還暦の亥年は、いま思えばあっという間でした。
明日以降、ゆっくり振り返っていきます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます