前回「ユーチューバーになる」と申し上げましたが、ようやく先が見えてまいりました。
まず原作となる短編が含まれた本を図書館で借りてきて、数十ページの小説をまるまるテキストに起こす作業から始めました。
これは衰えたとはいえまだまだ豪速のタイピングのできる私には、難しいことではありません。すぐに終わりました。
次に原作を何度も読み込み、ストーリーの骨子を把握して削れる描写やセリフを削っていきます。
逆に何も付け加えません。「書きことば」を「話しことば」にするために、どうしても必要な単語やフレーズのみ、わずかに加えて原作の世界観を損なわないようにします。
要するに「小説の怪談噺」と「落語の怪談噺」は、違うのです。
小説をそのまま読んでも、それは落語とはいいません。「朗読」です。
換骨奪胎とまではいきませんが、原作を最大限に活かして別物にしなければいけない。
これに多くの時間を費やしました。
そして肝心な語り手、つまり私のボイストレーニングも必要でした。
ここ10年以上、声を出すのは通院時とスーパーで「袋はいならいです」としゃべるだけ、キーボードでの会話はたくさんやっていても実際に声を出すことがほとんどなかった私は、呂律がうまく回りませんでした。
できあがった原稿を何度も何度も声に出して読み、まずははっきりと発音できるようにしました。
次に早口の練習、そして感情移入。
やはりボイストレーニングというのは大切ですね。
作り始めた頃の録音と較べて、明らかにうまくなっています(といっても本調子にはまだまだですが)。
クライアント(私に短編を紹介した人)に叩き台のダメ出しをしてもらって、台本はほぼ完成、あとは細かいニュアンスの調整を残すのみです。
せっかく年男で還暦を迎えたのですから、できれば亥年が終わるまでに発表したいところですが、後は私のがんばりとクライアントの判断次第です。
というわけで、いましばらくのお待ちを願います。
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