「中部山岳や北海道には有るのに東北の山には無い」シリーズ第二弾は、
キバナシャクナゲから始めようと思う。
キバナシャクナゲ Rhododendron aureum は、
手持ち書籍では、北海道、本州中北部の高山に生えるとされるが、東北地方の山では一度も見たことが無い。
以前、焼石岳に有ると聞いたが、いわてレッドデータブックによると絶滅したとあった。
参考 ⇒ http://www2.pref.iwate.jp/~hp0316/rdb/01shokubutu/0582.html
国外では千島列島、カムチャツカ半島、サハリン、朝鮮半島北部、東シベリアに分布。
キバナと言うが、黄色というよりも黄色がかった白だった。
1993/07/16 白馬岳にて。
2017/07/27 大雪山にて。 1992/07/26 穂高岳にて。
高山性のタンポポも東北には無い。
山形の月山山頂近く、鍛冶小屋跡地で見たが、それは帰化植物のセイヨウタンポポだった。
ミヤマタンポポ Taraxacum alpicola は中部地方の白山、北アルプス、中央アルプス、南アルプスに分布する。
1993/07/17 白馬岳にて。ミヤマタンポポ。
北海道の高山には、夕張岳にユウバリタンポポ(タカネタンポポ)、
大雪山の一部にクモマタンポポがあると聞くが、私はまだ見ていない。
クモマグサの仲間は、
クモマグサ Saxifraga merkii var. idsuroei が本州の白馬岳、御嶽山にあるとされるが、
なかなかお目にかかれないと聞く。
基準変種のチシマクモマグサ Saxifraga merkii var. merkii は、
北海道、国外ではシベリア、千島、カムチャツカ半島に産し、大雪山に行けば、いっぱい見ることが出来る。
2017/07/28 大雪山にて。チシマクモマグサ。
イワツメクサ Stellaria nipponica var. nipponica はハコベ属。東北には無い花である。
本州では、白山、北アルプス、御嶽山、中央ア、南アルプス、富士山に産すると聞く。
北海道では、近縁のエゾイワツメクサ Stellaria pterosperma が大雪山のみに産する。
1990/07/28 白馬岳にて。イワツメクサ。 2017/07/27 大雪山にて。エゾイワツメクサ。
東北では飯豊連峰にのみ、産するが、それ以外では見られない種類をいくつか。
タカネツメクサの仲間。
タカネツメクサ Minuartia arctica var. hondoensis
分布は本州(中部、飯豊連峰)。
1990/07/28 白馬岳にて。タカネツメクサ。
基準変種 エゾタカネツメクサ Minuartia arctica var. arctica
北海道。周北地方に広く分布。
2017/07/27 大雪山にて。エゾタカネツメクサ。
オヤマノエンドウの仲間。
オヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. japonica
分布地は本州中部(北アルプス北部、八ヶ岳、木曽駒ヶ岳、御獄山)と飯豊連峰。
1990/07/28 白馬岳にて。オヤマノエンドウの咲き残り。
1993/07/16 白馬岳三国境にて。
オヤマノエンドウとイワベンケイ、チシマアマナ(この二種も東北では少なく、早池峰山で見られる程度)。
北海道の高山には、エゾオヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. sericea があるが、
残念ながら花はまだ見ていない(7月下旬に行ったら、終わっていた)。
この仲間は開花時期が思った以上に早いようだ。
ハクサンコザクラの仲間。
ハクサンコザクラ Primula cuneifolia var. hakusanensis
分布は本州(白山から飯豊連峰までの日本海側高山)。
エゾコザクラ Primula cuneifolia var. cuneifolia は日本では北海道にのみ見られるが、
国外では千島、オホーツク海沿岸、アラスカからカナダまで広く分布する。
1993/07/16 白馬岳にて。ハクサンコザクラ。 2017/07/28 大雪山にて。エゾコザクラ。
最後に
東北でないと見られない高山植物を二種。
ヒナザクラ
2017/07/10 秋田駒ヶ岳にて。
詳細は、「雪の子・ヒナザクラ(他にヒメコザクラ、ユキワリコザクラなど)」を参照されたし。
ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)
2020/06/24 鳥海山にて。
詳細は、「ジャパニーズ・エーデルワイス(1)」を参照されたし。
以上。
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