(本頁は「真夏の鳥海山・滝の小屋から。前編」の続きです。)
雪渓登りが終わった後は、薊坂の本格的な地面登りが始まる。
坂の取りつきの標高は約1870m、めざす伏拝岳山頂が約2120mなので、
標高差はわずか250mほどだが、これが (´π`;)年寄りにはけっこう厳しい。
今日のような下界猛暑日には地獄の坂道を這いあがるようなものだった。
二度目の上陸地点には新鮮なチングルマが。
ハクサンオオバコ 鳥海山固有種チョウカイアザミ
少し登ると、コバイケイソウの群生が現れた。
コバイケイソウの群生。
コバイケイソウは鳥海山の多くの場所では七月の中旬頃までに花が終わっていた(例えばこちら)が、
この場所は雪消えが遅かったようで今が盛りだった。
この斜面にはセリ科も多かった。同定の難しい群だが、いつまでもほにゃららら~では済まされない。
今回、少し気合いを入れて、名前を調べてみた。
ハクサンボウフウ イブキゼリモドキ
花だけ見ていると、全く見分けがつかない。上の二枚は隣り合って咲いていたものだ。
なお今回、特に多く咲いていたのはイブキゼリモドキだった。
花は地味だが、まだ未開花が多かったミヤマセンキュウやハクサンボウフウなど同じセリ科の葉っぱの間から、
巧妙に花茎を伸ばして咲いており、識別がとても面倒だった。
イブキゼリモドキをもう一枚 イブキゼリモドキの葉だけ
ミヤマセンキュウも多かったが、花の咲いているものはまだ少なかった。
葉は羊歯のような細かく裂け、ふわふわした感触だ。この種類は秋田では低山にも多い。
ミヤマセンキュウ ミヤマセンキュウの葉と蕾
薊坂のアザミはチョウカイアザミではなく、ウゴアザミが多かった。
チョウカイアザミ(写真は本ページ冒頭二列目)は坂には少なく、もっぱらその下の雪渓の縁で生育の真っ最中だった。
ウゴアザミに集るアサギマダラ。
ミヤマダイモンジソウ オンタデとハクサンフウロ
ハクサンフウロ単独で。 ミヤマアキノキリンソウ
さっき登ってきた雪渓を振り返る。
御浜方面を望む。
雲間からちらっと鍋森と鳥の海(右)が見えた。
伏拝岳の稜線が近くなったら、シラネニンジンが多くなってきた。
シラネニンジン オクキタアザミの蕾
シラネニンジンもセリ科なので花は他のセリ科と同じ。パセリやニンジンのように細かく裂けた葉で識別する。
オクキタアザミの群生も有った。もうすぐ咲きそうだ。この花が咲くと、鳥海山も秋だ。
今回の鳥海山登山は、はなから山頂(七高山、新山)に行くつもりはなかった。
山頂部に特有の三種類の花を撮ったら、個人的な花のノルマは一応達成とし、下山しようと思った。
行者岳から新山、七高山を望む。
チョウカイフスマ
イワブクロ
ノルマ花の一つ、イワギキョウは今回、花付きがイマイチだった。
時期的なものなのか、日照り続きのせいなのかよくわからない。
イワギキョウ このトンボはオニヤンマのようだ。
ミヤマコウゾリナとヨツバシオガマ古花。バックはシラネニンジン。
最後に下山時の雪渓を4シーン。
登る時とはまた別の表情を見せていたので敢えて報告を。
以上。
今回、モウズイカさんがレポートされている場所は、30日に外輪山を降りてきて時に見た風景でしたので、たのしかったです。きれいな写真と丁寧なお花の説明はうれしいですね。雪渓歩きもが楽しそうですね。
前回、2014年7月20日ころには雪渓がもっと大きかったのに、今回1週間遅れただけで雪も少なく、花の顔ぶれも違っていたので驚きました。
でも、鳥海山はやはり花の山ですね。
私のブログは「ねもばーばのはっぴーらいふ」です。
最近はいつも同じ山ばかり登っております。
本来ならば、もっと遠方のまだ登ったことのない山に
チャレンジしたいところですが、
コロナ禍がこうも深刻だと遠出もままならず、
仕方なく近場の慣れた山でルートを少し変えたり、
時期をずらしたりして愉しんでおります。
今年の秋田は冬場、県南地区を中心に未曾有の豪雪でしたが、
いざ春になったら、雪解けも早く進み、この夏は例年より花のペースが速いです。
かと思うと、場所によっては雪解けが遅かったりと
戸惑うこともしばし。
同じ山でホンの少し時期が違うだけでも、新たな発見があるものです。
ワクチン接種は終わりましたが、気を引き締めてまいりたいと思います。
見せていただき、とてもsiawase気分です。
ありがとうございました。
新型コロナウィルスの感染予防、日々、大切ですね。
密閉、密集、密接をしっかり避けて、予防しましょうね。
応援ポチ(全)。
この日は下界猛暑日、熱中症寸前でおまけに水も足りなくなったので、
山頂を極めることなく、下山しました。
それでもこの日予定していた花はほとんど全て見ることが出来ましたので、悔いはありません。
コロナ禍まだまだ続きます。人口密度の低い地方でも油断なりません。
siawasekunさんも気を付けてお過ごしくださいませ。