「平和への祈り 描かれた加害―坂本正直が向き合った戦争体験」という展覧会が、宮崎市船塚の宮崎県立美術館の県民ギャラリー2で開かれています。
坂本正直さん(1914~2011)は一兵士として大陸に渡った戦争の体験を中心に描き97歳で亡くなった画家です。会場に入るとまず目に飛び込んでくるのは月光に輝く「クリークの月 馬」。兵士を思わせる馬の顔が小さく並び、また、馬が輸送船の船底に乗せられる姿を描いた「輸送船に乗せられて」など戦争の悲惨さにつながる精神性の高い大作が展示されています。さらに「競馬場の杉」ほか小品も並び、厳粛な雰囲気の会場になっています。
10月6日まで。5日午後1時から3時まで中村江里さん(歴史学者)、所薫子さん(坂本正直さん長女)によるトークイベントもあります。いずれも入場無料。