夢畑通信『畑の花』 田舎暮らし体験日記

北海道に移住して二十数年。田舎での子育てを終え、残された夫婦は新たな楽しみを見つける旅を続けます。

第三次コロナ交付金の行方

2022-02-04 10:45:33 | 議員報告


第三次コロナ交付金(正式には新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)補正予算の使い道が概ね決まりました。
今回の議員報告は、その行方についてご紹介させて頂きます。行政報告ではありませんので、私の目線で使われ方についての意見や今後の効果も加えて紹介させて頂きますね。
村民向けのブログになりますが、都市にお住まいの方は税金が地方でどのように使われているかを知る機会になればと思っています。宜しければ最後まで読んで頂けると幸いです。

例えば、青年に100万円を手渡し「来月までに全部使ってきなさい」と言えばどうでしょうか・・・?
一番気になるのは使い道ですよね。飲み食いに使う者、キャンブルに使う者、有益な自己投資に使う者。色んなケースが考えられますが100万円となると大金です。当然、使い道を誤ると無駄銭。使い方は、個性はもちろんですが本人の能力を測る指針にもなるのではないでしょうか・・・?
今回の交付金はコロナ対策という目的がありますが、各市町村によって使い方はとても曖昧。つまり「これに当てなさい」という利用目的は限定的で使途についての制限がかなり弱いようです。そうなると、有効に使うか否かは、その地域の能力を測ることに直結します。さて、赤井川村の第三次コロナ補正予算の使い道は何点ぐらいでしょう。私の評価は最後に述べるとして先ずはどんなものに利用されたかを見ていきましょう。

今回は三次補正なので細かい予算付けになっています。(尚、金額は12月現在の資料にて確定ではない)
① PCR簡易検査  70.1万円
② 公共施設感染症対策備品購入費  250.9万円
③ 感染症予防持続化支援金  1108.9万円
④ 魅力発信動画制作費  55万円
⑤ 赤井川村ホームページリニューアル費  363万円
⑥ 確定申告支援システム改修費  58.3万円
⑦ 原油価格高騰対策支援給付金  900万円
⑧ 介護職員初任者研修受講費助成費  16万円
⑨ 支援センター緊急発電設備取り換え整備費  60.5万円
⑩ 農業共済収入保険助成事業  250万円
⑪ 事業継続持続化支援事業  90万円
⑫ 事業継続持続化支援事業2回目  150万円
⑬ 販路開拓サポート事業  5万円
⑭ 新型コロナウイルス感染症対策支援事業  120万円
⑮ 新型コロナウイルス感染対策利子補給支援  138万円
⑯ 特産品開発支援事業  14万円
⑰ 村内ポイント巡り補助事業  30万円
⑱ 観光地域づくり法人運営補助金  50万円
⑲ カルデラ公園ベンチ設置費  16.4万円
⑳ 救急車ウイルス除去装置導入費  29.8万円
㉑ 地域防災ドローン購入費  431.1万円
㉒ 修学旅行キャンセル料負担金  7.3万円
㉓ 村体育館トレーニング器具購入費  95.2万円

※ 若干わかりやすく名称を変えていることをご了承ください。

一杯ありすぎて一つひとつ解説するのはやめておきます。(今後、村の広報で紹介されるのではないでしょうか)

村民にとって一番不公平感がなく、利用目的として実感があるのは③と⑦の各家庭に配られた支援金でしょう。
③は昨年の5月、各家庭で行われている感染予防対策費として支給された1万円(ひとりあたり)。⑦は昨年の12月、原油価格高騰対策支援給付金として村では各世帯に2万円の助成しました。ちなみに、国は原油価格に対し補助金を出しガソリンの購入価格を下げる政策を行っていますが、村では灯油やオール電化の家庭の事なども考慮し独自の支援が必要であろうと行ったものです。
⑪⑫の持続化支援金は、1次2次の補正でも行った緊急事態宣言に伴い影響を受けた飲食店や飲食店に取引のある事業者への村の独自の支援金。⑭と⑮も事業者向けの支援になります。
分かりずらいものとしては、⑩は農業共済組合で行う収入保険加入の促進の為に助成金。パンデミックな状況でも農業者の安定的な収入につなげるのを目的としています。

使用目的の制限が弱いので何に対して評価するかと言うのはとても難しい問題です。
個人的には1次・2次で行った光ファイバー網の整備と、今回の④と⑤のホームページのリニューアル、㉓の村体育館二階のトレーニングルームの器具購入費に関しては、議員になって真っ先に要望したものなので高評価です。
(参考:④はホームページのリニューアルに伴う委託費、⑤は同時に行った村のPR動画制作にかかる費用です)
あと、㉑のドローンの購入費は、地域防災の観点から今回の三次補正で購入できたのは上手いタイミングでした。多分、当初予算でドローンの購入を要望しても村は検討すらしなかったでしょう。災害など有事での利用を目的としていますが防災価値はありそうですね。

お粗末なのはいくつかあるのですが、
先ずは①のPCR簡易検査事業。PCR簡易検査とありますがPCR検査ではありません。ニ度、会議中に確認しましたがこれは抗原検査キットの購入費です。オミクロンの市中感染によって抗原検査の価値も薄れましたが、役場担当者も検査の内容や検査の精度が良く分かっていない発言が多く、誤解を招かない為にもコロナウイルス簡易検査事業にすべきです。(まったく!)
余談ですが、発症前の抗原検査の精度を数値化するのは難しそうです。抗原検査で陽性反応が出たら間違いなくコロナに感染していると考えて良いのですが、陰性が出ても感染している証明にはなりません。また、ウイルス感染後約3~4週間は抗原検査陽性反応が出ることもあるようです。

次に⑬の販路開拓サポート事業です。
目的もはっきりしませんが、コロナの影響で巣ごもり需要が増え、ネット販売が好調だと言うことで考えた事業だと理解しています。初めて提示された時は、新規にホームページを作る事業者に対し製作費の一部(上限5万円)を補助をしようと言うものでした。これも役場担当者の認識は甘く、ホームページの定義すら、とても曖昧なものでした。議会にて質問をしたので、その後、役場担当者と何度か話し合い、少し条件を軽くすることにはなったのですが、実際に利用された事業者はひとり。当初見込みの40事業者とはかけ離れた数字です。
個人的には当然と言える結果でした。条件を軽くして新規でネット販売を始める事業者への奨励金と譲歩して頂きましたが、ホームページは自主製作が可能ですし、Eコマーズと言われるネット販売のアプリを使えば無料でネット販売を始めることができる。もし、同様な目的でサポートするならネット販売を行っている全ての事業者に奨励金を配り、村のホームページ内に仮想直売広場のようなものを作ったり、好調の『ふるさと納税』とリンクさせて返礼品に仮想直売広場の購入券など組み込めば面白い事業になったのではないでしょうか・・・?また、販路拡大を目的にするのなら、産直用の段ボール制作経費を補助するというのも、生産者にとって嬉しい事業になったと思います。

他、カルデラ公園のベンチ⑲や修学旅行のキャンセル料㉑とコロナ交付金を結びつけるのは少し難しそうな気がしますが、これも制度的にクリアーしているのなら「仕方がないのかな?」という印象です。

明確になっていないのは⑱の観光地域づくり法人運営補助金の50万円。赤井川DMOに行った事は間違いなさそうですが利用目的が不明なので「何に使われたのか?」後日確認してご報告させて頂きます。

各家庭に配られた支援金が約2000万円、事業者に配られた支援金が500万円。国からの第三次交付金約3400万円のうち2500万円を住民に配ったようなものです。頂いた方は「ありがたい~」と思うのかも知れませんが、村を作ると言った観点からは「アイデアがないなぁ~」と言うのが私の率直な意見です。緊急事態宣言や蔓延防止措置による影響を考慮する必要がありますが、地方行政にとってこんなにも有難いチャンス。それなのに使い道すら発掘できない。つまりは、役場組織の中核が実際に村をデザインできていないと言うことでしょうな。何か要望すれば「お金が無い、お金が無い」と言いますが、実はそれほど困っていないと言うのが現状かも知れません。まぁ、「3400万円と言う金額が中途半端な額だ」ということも言えそうですが、、、、。
原油価格高騰対策支援給付金は専決処分で行われました。
専決処分って聞き馴染みがないかもしれませんが、簡単に言えば、緊急を要する場合、議会の議決を求めずに進めることができる事業と言うことになると思います。専決処分ばかりでは議会は機能しない為、基本的には議会としては歓迎しないのですが
「必要なところに少しでも早く届けてあげて、、、、」というのが議会全員の考えだったように思います。
年度内に使い切る必要がある為、ここに来て多くの各市町村が住民に交付金を配っています。(やり方は様々ですが、、、)
そして国の赤字国債は膨らむ一方です。
経済が持ち直し、配ったお金が消費活動に繋がれば良いのですが、、、、。田舎はかなりの保守だからなぁ~。
だからこそ、『配る』より『使う』べきだと私は考えます。

長くなりましたが最後まで読んで頂きありがとうございます。
大半を文字入力アプリ『スピーチ』で入力しました。変換ミスがあったらお伝えください。
また、ご感想やご意見などありましたら遠慮なくお伝えください。

次は地域公共交通について報告したいと思いますが、その前にガバメントクラウドファンディングに付いて加筆して紹介する予定です。