< 思い出深い >
人生でお年玉をもらった記憶は少ないのですが、思い出深いお年玉があります。
親戚の家に住んでいた人、その家系の人らしい。農家なのでその家の家事や農作業をしていて、結婚する事なくあの世に行きました。
その家に行くと私にはとても良くしてくれた。でも私から「頂戴」なんて言ったことはありません。その人がある年、意外にもお年玉をくれたんですね。
どこにそんなお金があったのかさえ知らなかった。身体的な障害があり、ずっとその家に住んでいて外には出なかったのですから。
その親戚と、その家族と大勢で一緒に炬燵にあたっていたら、炬燵版の向こう側から唐突に「お年玉」と言って板垣退助の100円札を2枚か3枚、私に差し出すではありませんか。55年位前の事でした。肉屋のコロッケが1個5円の時代です。
次の年からはありませんでした。多分、住んでいる親戚から注意されたのかもしれません。
今でもってその人の属性は知らないまま。聞くに聞けない状況なので。
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