子どもとうさぎとねこと音楽のある風景

息子いっちゃん(2006年3月生)と3匹のうさぎと3匹のねこのいる歌と琴が好きな主婦の記録

恥ずかしいやら・・・亡き人のぬくもり

2009年05月14日 | 私の周辺

いっちゃんはお昼寝しなかったので、早く寝ました。
それで、やろうと思っていたキッチンの整理をしました。

お恥ずかしい話ですが、いっちゃんが生まれてからは日々食べる物を作るのがやっとで、あまり整理できなかったのです
まだ使えるだろうと思って置いておいた調味料やごま、粉類、だし類、そんなものを捨てました。
いっちゃんが食べられないから使えなくなった香辛料などもありますね。

そして、なんとなく開けられなくて置いておいた箱を開けてみました。

いっちゃんが生まれる前に今は亡きおじちゃんから送られたカキモチです。
焼いて食べるカキヤマと言えばいいのでしょうか。

もう古いので食べられないだろうと思いつつ、捨てることができなかったものなのです。

思い切って開けてみたら、胸がいっぱいになりました。

もうおじちゃんはいないのに、カキモチはまだ腐ってもなく、食べようと思えば食べられる状態で生きているのです。
これを私の故郷北陸でお正月のあとに家で作って、送ってやろうと思って送ってくれたのです。
おじちゃんが触ったものなのです。
そこには、今までもらったこともないのに、手紙が封筒に書いてあり、お金が入っていました。
私がバレンタインデーにチョコを贈ったお返しでした。
あのころは、結婚してしばらくのころで、うちのじいちゃんもだいぶ衰えていたし、おじちゃんもガンの手術もして、治らないという状態だったと思います。

私は妹の子どもに対して、いい伯母であろうと思います。
どうやったらそうなれるのか、考えることもあります。
でも、何をしたから、というものではないのかもしれません。
自分を本心からかわいがってくれる人は、何をしようと、何もしまいと、わかるものですよね。

おじちゃんとは、何を語り合ったということもありません。
でも、折に触れ、核心を突いた助言をさりげなくしてくれました。

多人数の子どもを持つ人と結婚した作家・田辺聖子の朝ドラで、こんな場面がありました。
まだ小学生ぐらいの小さい子どもたちが、亡きお母さんに会いたいという。
聖子さんは必死になって子どもたちの母の形見を探します。
そして、その母のぬか床を分けてもらって漬物を作り続けている近所のおばさんの漬物を発見するのです。
そして、それを子どもたちが食べるのです。

高村光太郎の詩にもありました。
亡き智恵子が光太郎のために作り遺した梅酒を味わうという詩が。

そんなものを発見したとき、まるでその人が生きていたかのような、何とも言えない、うれしくて切なくて悲しくてあたたかくて・・・胸がいっぱいになるものですね。

おじちゃんは最期、私の母の勤める病院に入院していました。
私が夏休みに帰ったとき、意識がなくなったり、また意識が戻ったりして、ほとんど寝ていました。
病院に行ったときは、意識が戻ったときで、「よく来てくれた、よく来てくれた」と言って、ずっと泣いていました。
お別れが言えました。

おじちゃん、ありがとう。
このカキモチは少しだけ、お守りにして取っておこうと思います。
おじちゃんのぬくもりが生きているから。

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2 コメント

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忙しい毎日の中、 (3うさの母)
2009-05-16 16:06:39
コメントありがとうございます!
みなさん、お元気でしょうか?

「魂がそこにある」と聞くと、そうかもしれない、と思いますね。
亡き人を思うとき、そこにはその人がいるんですね・・・。

最近、岩崎書店の「ラヴ・ユー・フォーエバー」(ロバート・マンチ作)という絵本を知りました。
絵本に詳しいskybeansさんならご存知かな?
母が生きている限り、子どもはずっと母の赤ちゃんであり、子どもが生きている限り、母は亡くなったとしてもずっとその心にあり続ける・・・
人は少なくとも育てた次の世代までは生きているのかもしれませんね。

大切な人を失ったという事実は大きなことだけど、親になってみると、その大きさや、その人からもらった、今まで気づかなかったこともわかるようになるものですね。

そうやって考えると、愛情が生き続ける時間って、長いですね・・・。
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こちらまでぬくもりが… (skybeans)
2009-05-15 23:01:06
素敵な日記を読ませていただきありがとう♪
こちらまでおじさまのぬくもりが伝わってくるようでした。
カキモチでおじさまを思い出したとき、きっと3うさの母さんのそばにおじさまの魂がいらしたと思います。
肉体は消えても、想いはずっと残っていますものね。おじさまはきっと3うさの母さんが子どものころから優しく見守ってくださっていたのでしょうね。
3うさの母さんのご家族御親戚のあたたかさに触れて、私も嬉しくなりました。
そのあたたかさはきっといっちゃんにまで脈々と受け継がれることでしょう♪♪
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