「 田の中にピアノでうたう朧夜にじむ 」なんだか言葉がしっくり来ない。周りは田んぼが広がっている我が家。日も落ちて暗くなりかけ、ピアノで朧月夜を弾いてうたった子ども時代。朧月夜の下で朧月夜をうたう昔の自分を遠目で見ている。夜の空に月はにじみ、記憶もにじみ、記憶を絵にしたような風景もにじんでいる。ぼんやりとしているけれど、とてものどかで平穏な風景が浮かんでくる。 . . . 本文を読む
「 水鉄砲戦友との日々ほほえみぬ 」「 使わぬに風呂場でほほえむ水鉄砲 」「 お風呂場の隅水鉄砲の笑顔あり 」思いついたときの句を忘れてしまった…。もう何年も水鉄砲をお風呂のフタに載せていた。洗うときには移動させて。息子も中学生になり、使わなくなって、はや数年。ふと泊まりに来る友だちのために置いてあった水鉄砲。そういえば、もう使ってなかった。これがなければ掃除もしやすいと、ふと気づく。なんとなく、 . . . 本文を読む
「 念のため2つ置いとく水鉄砲 」うちの子はひとりっこ。でも、遠くに親友が引っ越して、遊びに来る年もあった。泊まっていくときにお風呂で遊ぶ水鉄砲。普段、全然使わないのに、ずっとお風呂場に置いていた。いつしか、二人とも中学生になり、遊びに来る機会もなくなり、ずっと置いてた水鉄砲を片付けることに。おもちゃとさよならって、親の方がさみしいものですね。 . . . 本文を読む
先ほど、同一作品の読後感を書きました。
本の裏に自分で書いたメモをここにも書いておきます。
これが本当の読後感というか、上橋さんへの言葉です。
メモ1
「 この結末でよかったのだろうか。人間が生きてゆくということはこのようになってしまうということだろうか。
そして、上橋さんはなぜ、人とカミを両方内にもつ存在を描こうとするのだろうか。人対自然、人対動物という図にしてしまわないのだろう . . . 本文を読む
私の好きな作者は、宮沢賢治と上橋菜穂子さんが同率で一位。
どちらもファンタジーと言えばファンタジー。
でも、ファンタジーって何だろう?
上橋作品を読むと、こんなにリアルな世界をファンタジーと呼ぶのかと疑問に思います。
上橋さんの作品では、「守り人(もりびと)シリーズ」を読みました。
上橋さんにお手紙を書きたいと思いつつ、あまりに素晴らしい世界、筆の力に何を書けばよいのか、何も書けないとい . . . 本文を読む
「 蓬の香ほのかにやさしく毒を討つ 」よもぎの入った草もち、草団子、大好きです。春の野を思わせる、さわやかな風を感じさせる、なんともいえないほのかでやさしく甘いかおり。緑のものなのに、ツンとした香味もないのに、この草が解毒作用のある万能の薬草であるとは。甘くやさしく、毒を払えるような生き方ができたら、どんなにいいでしょう。 . . . 本文を読む
「 梅見寿司我が家の新作この春も 」梅の名所がとなり町にあります。観梅会にもよく行きました。梅を見ると、思い出して作るお寿司、梅見寿司と名付けました。梅が咲かないとなかなか思い出さないけど、我が家の定番となりました。みなさんも梅の咲く季節に作ってみてください。《作り方》酒に塩を入れて煮立て、豚肉を細かく切ったものを入れて火を通し、肉の臭みを取ります。梅干しも細かく刻んで、すし飯に入れます。梅干しの . . . 本文を読む
「 雪の窓トンネル抜ければ桜狩 」
春休みの帰省。
雪国に向かう車窓。
雪の残るところもあれば、山桜がちらちら咲いているところも。
季節を行きつ戻りつ。
雪の白もあれば、桜の白も。
淡い桜、ささやかな桜がまたいいです。 . . . 本文を読む
「 春立つと梅の声して庭を見き 」
寒さの中、もう二月になったか、梅の咲くのももうじきか…。
お隣りさんに丸見えになってしまうので、いつもはカーテンを閉めっぱなしのリビングの窓。
ふと、カーテンを開けてみようか…。
なんとなく予感がして、梅に呼ばれたような気がして外を見てみると、梅が一輪、二輪咲いていた。
毎年、そんな感じ。
わたし、咲きましたよ、そんな声が . . . 本文を読む
「 弾初や緊張と雅びの『八重衣』 」
小さいころからお琴を習っていた。
お正月には立派な料亭で弾き初め会。
普段は縁のない場所。
美容院で着物を着せてもらって、緊張の中で弾く。
未だに個人的には縁のない料亭での会、雅びやかな雰囲気を味わっておいてもよかったのに、緊張と雅びできつくぐるぐる巻きにされたような子ども時分の思い出。
「八重衣」は衣が出てくる和歌がい . . . 本文を読む