17日に投票があった、兵庫知事選挙で、
前職の斎藤氏が、当初の予想を覆して復活当選を果たした。
民意の怖さというか、SNSの怖さというのを改めて感じた出来事だ。
今回の選挙が異様だったのは、
2人の県職員が亡くなり、百条委員会の質疑を経て、
県議会が全会一致で不信任を議決したことによって、
一旦は「過去に人」になったはずの斎藤氏が、
県議会やマスコミ等の「既成勢力」VS「1個人」という対立に位置付けられた上で、
個人を守るSNSの「真実の声」に支援される形で当選を果たしたことだろう。
次点だった元・尼崎市長の稲村氏は、兵庫県内22市町村の市長の支持を受ける等、
盤石の態勢で臨んだつもりが、「既成勢力」の支援が却ってアダになったように、
後半ズルズルと支持を失ってしまったように見えた。
結局のところ、故人が命がけで告発を行い、
百条委員会があれほど時間をかけて真実を究明しようとした、
斎藤氏の過去の行動はどのように評価されるべきだったのか。
「ポスト・トゥルース」という言葉がある。
世論形成という点で、個人の感情や信念の方が、
客観的事実よりも人々の意見に影響力を持つ状況を意味する言葉だ。
近年、国民に影響を与える情報伝達手段は、
テレビからネット、特にSNSに移行しており、
有権者はテレビから入ってくる情報よりも、
より身近に感じているSNSの情報を重視する傾向がある。
「個人」として選挙を戦った斎藤氏は、有権者の心情に訴えかける手段として、
SNSを有効に使い、これが想像以上に有効だったということになる。
物事の真実が何だったのかが分からなくなってしまえば、
あとはより心に響く言葉で語った方が勝つ。
今後の国政選挙等で同じ構図が現れてくるのかどうかは今のところ分からないが、
非常に興味深い出来事だと思った。
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