タイの大学と卒業生事情！

チュラロンコン大学を卒業する、我が息子・娘の一世一代の晴れ姿を見る親御さん達は、さぞかし自慢げでしょう。

どの大学の卒業生でも、男女ともアメリカ映画で見るようなガウンに帽子というスタイルで記念撮影の連写、激写ですが
チュラロンコン大学を卒業となると、既に人生の特別チケットを手に入れたようなモンです。22歳の人生最高潮の時でしょう。

タイの教育制度は日本と似ており6-3-3-4制となっており、中学までが義務教育で高校は3年の職業/5年の専門学校が
あります。大学は国立大学が22、私立大学が51あり、進学率は30％前後のようですが、チュラロンコンは最高位です。
因みに、日本の大学への進学率は50％前後、韓国は米国を凌ぐ約90％で世界のトップクラスです。

タイでの有名国立大学の三つ、チュラロンコン大学・タマサート大学・カセサート大学の卒業生はタイにおいては別格の
評価を得ており、大変なエリート大学とされています。特にチュラロンコン大学は日本の東大と呼び称され、イギリス・
タイムズ紙で発表された世界の大学トップ200でも、タイからは唯一チュラロンコーン大学が121位にランクされています。

東南アジアではシンガポール国立大学、南洋工科大学に次いで3番目のようです。余談ですが、トップはハーバード大学、
2位がマサチューセッツ工科大学で、日本からは東京大学が12位、京都大学が29位に名を上げています。（2006年度）

タイの大学では学業成績はGAPという値で示し、GAPが3以上であれば優秀な学生とされ平均値は2.5～2.75のようです。
GAPが2.0以下では卒業を認めず、入学するのは簡単でも卒業するのが難しく、日本のシステムとは反対です。

タイでも卒業校によって学閥があるそうで、上記の三つの大学では卒業後の待遇が、かなりの違いが出るそうで、国立大学の
地位が大変高く、私立大学の地位は低く見られます。しかし大学を出た、出ない、ではお給料から全て違う学歴社会です。
MBA取得に燃えるタイ人も多く、起業するよりも有名大企業に入り、仕事を変えながらキャリア・地位・収入を
アップさせていくのが理想とし、どちらかと言うと欧米型志向と言えるでしょうネ。

ですので、日本と違って大企業でも小さな企業でも転職率が大変高く、同じ企業にずっといるよりも数多くの企業経験を
持ち、何が出来るか、というキャリアを持っている方が、評価が高い場合が少なくありません。

外国の大学への留学は、エリート学生は欧米へ留学し、その下のクラスの学生が日本へ留学しているような気がします。
毎年日本へ留学する学生は1,800人前後と言われ、また　タイで日本語を学ぶ学生は約5万人いると聞きます。

日タイ修好120周年に当たる昨年から両国の教育関係の交流も盛んになり、タイで活動するNGO団体が支援する貧困家庭の
子女の中から成績優秀者を女子奨学生・留学生として、初めて4人のタイ人女子が仙台育英学園高等学校へ留学しています。

また　昨年8月にはタイ人の技術者の育成・タイに進出した日系企業への人材供給を目指し泰日経済技術振興協会（TPA）が
「泰日工業大学」を開校しています。TPAはタイ人の元日本留学生らが運営する公益法人だそうですが、シリントン王女の主宰で
日本からは森善朗元首相らが出席して8月2日に開校式が行なわれています。

教材、機械の多くは日本企業が寄贈し、初年度の学生数は約370名で、情報/経営管理/工学部がある4年制で、
授業はタイ語ですが、日本語、英語による直接指導も取り入れるようです。
こんな大学が教育界に新たな風が吹いたら良いですネ。


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