タイ国立開発行政研究院が行なった世論調査で、次期首相1位に支持を集めたプアタイ党
顧問のペトンターン氏でしたが、あながち無視は出来ませんヨ。 昨日からの続きです。
同研究院をニーダ(NIDA)と略して呼ばれていますが、タイ国立開発行政研究院(NIDA =
National Institute of Development Administration)の世論調査やアンケートは、結構
タイの有識者には信頼性があると言われていますから。先の都知事選でチャチャート氏が
過去最多の138万6,215票の得票率を、NIDA が唯一、ほぼ正確に予測していたといいます。
今回6月のNIDAの調査結果について、プラユット首相は27日、“ただの調査だ。調査機関に
よって結果はバラバラ」と述べ、重要視しない考えを強調していたようです。タイ国では、
不測の事態がない限り、来年には行なわれる見通しの議会下院総選挙が迫って来ています。
ペトンターン・チナワットさん(35歳)は、タクシン・チナワット元首相(72歳 第31代
首相)の次女で、現在は、タクシン派の野党プアタイ党(貢献党)の顧問を務めていますが、
来年の議会下院総選挙で、プアタイ党が首相候補として擁立する可能性があると言われています。
<ペトンターン氏>
そう言えば、ペトンターン氏は今月初めにシンガポールで、タクシン氏と叔母の
インラック・チナワット前首相(55歳 第36代首相)と、三人で会っていましたネ。
“来年の総選挙と首相候補としての打合せだろうか?” と噂されていました ・・・
この兄妹の話に触れると、11年前の7月3日の総選挙(下院選)を思い出します。2011年で
東北大震災の年でした。タクシン元首相派の最大野党・プアタイ党が、比例代表名簿1位に
<タクシン氏とインラック氏>
タクシン氏の実妹、インラック氏を次期首相候補として選出しました。その結果、勝利し
政権を奪回して、タイ国で初の女性首相が誕生したんでしたねぇ~ 11年とは速いものです。
インラック氏は9人いるタクシン氏の兄弟姉妹の末っ子でした。米国ケンタッキー州立大に
留学後、一族系企業でビジネス界入りしました。当時は43歳で不動産開発会社SCアセットの
<インラック政権がスタート>
会長を務めていましたが、実妹の擁立は、自らの復権を懸けるタクシン氏の強い意向と
見られていました。 今度は娘を首相にして、再度 復権に臨むのでしょうか?
当時は2006年のクーデターで失脚してから5年が経っており、インラック氏は、“今でも
兄は人々の支持を得ている。私たち家族は国民に借りがある“ と選挙出馬の理由を語って
いました。それが2022年になった今ても、タクシン ファミリーに人気があるとは驚きます。
タイ国は、1932年に、王制から立憲君主制に変わり、民主主義国家になったはずでしたが・・・いまだに、王室を利用した軍部の専制政治が続いています。
2000年代初期に、タクシンが政権を握りましたが、2006年9月、軍事クーデター(無血)によって、軍政に変わりました。
首相になったタクシンは、プミポン国王を引退させて、自らがタイの王様になりたかったようですが・・・
ただ、タクシンは民主主義者ではなく、選挙を悪用する独裁政治家ですから、今後、タクシンの次女が首相になっても、単に、タクシンの傀儡でしかなく、タイ国に真の民主主義が実現することはありません。
タイでは、王室の力が強すぎて、政治権力を持ちすぎており、いまだに、不敬罪という馬鹿馬鹿しい法律が残っています。
民主政治への第一歩が不敬罪の廃止です。
タイの若者たちは、既に王室へのインスペクトは希薄になっています。
国王の権限が強すぎる憲法を廃止し、民主的な新憲法を制定し、タイ国に民主主義がやってくることを期待したい。
https://www.youtube.com/watch?v=kPPIbKV0XV8&t=16s