タイの国際玄関口で混乱が生じていますネ。 観光立国としてちょっと恥ずかしい出来事ですヨ。
これは 日本でも報道されましたが、タイ国家警察庁のカムロンウィット元幹部が6月22日、成田空港で
スーツケースに実弾と回転式拳銃1丁を所持していたことで逮捕されました。と言うことは、タイの
スワンナプーム国際空港でも拳銃が発見されなかったことになり、問題視されたことが発端でした。
運輸省航空局(DCA)の指導に従い、タイ国内の主要6空港を管理・運営するタイ空港公社(AOT)は、
7月17日からドンムアン空港の手荷物検査を強化。預け入れ荷物(受託手荷物)のほか、機内持ち込み
手荷物も搭乗手続き前に、X線検査を義務つけることにしました。AOTは チェックインするのに
時間がかかり長くなるため、今までより早めに空港へ向うよう呼びかけはしていました。
実際 チェックインの前に手荷物全てのエックス線検査を行なったところ、X線機械と係員の不足から
長蛇の列ができ、大混乱となりました。するとAOTは昨日、これまで同様、チェックイン前にX線
検査するのは預ける荷物だけにし、機内持ち込みの手荷物の検査はチェックイン後に行なうよう手続きを
変更してしまった次第です。 導入の変更不備は、AOTやDCAの能力不足を改めて露呈してしまった格好です。
これもタイ政府がよくやる “計画性なしの実施” で、かえって信用を無くしてしまいました。
実は表向き、拳銃所持事件が発端のように報道されていますが DCAは今年の3月、航空事業の安全審査
体制で「重大な安全上の懸念(SSC)」の不備があると国際民間航空機関(ICAO)に指摘されていました。
覚えています? これを受けて日本の国土交通省もタイの航空会社による日本路線の新規就航、便数や
機材の変更、チャーター便などの認可を3月29日から一時 凍結する、しないという問題がありましたよネ。
こういった伏線もあった中での拳銃所持事件の発覚でしたから、政府もDCAも大慌てとなったわけです。
ICAOは、SSCを正式に公表するまでに90日間の猶予期間を設けていましたが、DCAは期限内に是正措置を
とることができず、6月18日、ICAOのホームページで、タイに対するSSCが公表されてしまいました。
SSCが発出されている国は、タイのほかに、アンゴラ、ボツワナ、エリトリア、ハイチ、カザフスタンなど
内戦が起きる後進国ばかりです。 観光立国として世界有数のタイが こういった国々への仲間入りとは …
連邦航空局は約2カ月後に再度調査を行ない、改善が見られない場合、再調査の約1カ月後、タイをICAOの
安全基準にのっとっていないという「カテゴリー2」に格下げするようです。「カテゴリー2」に格下げ
されると、米国に乗り入れているタイの航空会社が米国路線の増便や新規就航を原則禁止され、米国での
監査が強化されるとのことです。 タイ政府も色々焦りもあったんでしょうが、これは大変な失態でしょう。
なお、スワンナプーム国際空港では、ドンムアン空港と比べて旅客が多いことが理由で、搭乗手続き前の
機内持ち込み手荷物のX線検査は行っていません。 ドンムアン空港だけでやっていました。
この2カ月以内に また 変化があるやも知れませんので、関係ニュースに注視です ・・・
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