5日、タイ国会で首相指名選挙が行なわれ、親軍政政党の新党「国民国家の力党」が
擁立したプラユット氏 65歳。上下両院の過半数を大きく上回る500票を得ての決定です。
2014年のクーデター以降、軍事政権の首相を約5年間務めたプラユット氏でした。今後は
同党が主導する連立政権を発足させます。 3月の総選挙は民政移管のためと位置付け
られたものの、プラユット氏の首相選出で 軍が政治に影響を及ぼす構図は継続されますネ。
プラユット氏は今後、ワチラロンコン国王の承認を得て正式に就任、組閣作業に着手します。
首相指名選挙は下記のような数字となりました。
<毎日新聞が分りやすいグラフを作りました>
軍事政権が選任した非民選の上院(定数250)と民選の下院(定数500)で、国民国家の
力党(議席数116)、民主党(同53)、タイの誇り党(同51)などが支持票を投じました。
軍政と対立するタクシン元首相派の貢献党(議席数136)、新党の新未来党(同81)、
その他(同29)など反軍政派のトータルは246票でした。<青が親軍政、茶が反軍政>
<親軍政権に賛同した民主党議員たち>
よく指摘されるように、首相指名選挙は下院とともに非民選の上院が投票するため、確かに 完全な
民政復帰とは言えない形態です。が、国民国家の力党は 11年以来初めての下院選で得票数1位になり、
過去5年の軍事政権は、一定の評価を受けたと思います。タイの国民も そう見ているようですネ。
国民国家の力党は、民主党、タイの誇りの党など10以上の政党で連立政権を樹立するようです。
が、政権運営は 今までのようにはいかないでしょうネ。今後の政権は難航が予想されます。
下院の勢力は与野党が拮抗し、もし離反する政党が出れば早々に行き詰まります。また、
超法規的な命令ができる「暫定憲法第44条」という伝家の宝刀を使えません。軍政下では、
政治上の難題を、国家改革や治安維持などの名目で発令し、難問を切り抜けてきました。
しかし軍政から民政となると、これからの政治運営は大きく変わります。軍の上意下達に慣れ、
強気で すぐ感情的になると言われるプラユット首相です。これからは忍耐力も必要かな。また
与党の気遣いも不可欠です。今後、野党の批判や追求にどう対応していくのか注目もされています。
<シラウィットさん>
あと、ちょっと心配されるのが 5月に入ってから反軍政を掲げ、民主化を訴える民主活動家への
襲撃事件が相次いでいること。ヘルメットで顔を隠した黒ずくめの集団で、何者なのか不明です。
2日には軍政への抗議活動を頻繁に行なう若手活動家として有名なシラウィットさん(27)が、
襲われています。バンコク市内の繁華街で、軍政から任命された上院議員が首相指名投票に
加わらないよう求める署名活動を行ない、仲間と別れてバス停に着いた所で襲われました。
このようなことが重なって、過去のような国民の対立が生じないか懸念されます ・・・
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