先週、プラユット首相の初めての訪日が実現しました。 タイと日本のメディア共々
安倍総理との首脳会談は 有意義であったと、おおむね 伝えています。
主な内容は ・・・
* バンコクを 中心とする高速鉄道などのインフラ整備の相互協力。
* 日タイで進めるミャンマー南部での港湾施設や工業団地などの整備協力。
* 経済分野を 中心に関係強化していくこと。
・・・ ・・・ などが話し合われ、共同声明として発表されました。
また、イスラム過激派組織 (ISIL) を 断固として非難し、国際社会と連携してテロに対処して
いくことを 一致。 タイでの多国間の軍事演習に自衛隊が参加するなど安全保障面も合意しています。
本来、タイの首相に就任したら、比較的早い時期に日本を 訪問することが慣習になっていますが、
クーデターの首謀者であることから、実権を 握ってから9ヶ月後の訪日という、今回は異例事態でした。
ワタシが興味深いのは、「タイの高速鉄道整備を どうするのか?」 ですネ。 日本のプラユット
首相夫妻一行は、東京駅から新大阪駅まで新幹線・のぞみ221号のグリーン車に試乗しています。
昨年の12月に中国を 訪問した際に、北京―天津間の高速鉄道にも試乗しました。 双方に試乗して
どう感じられたのか興味あります。 タイに日本の新幹線が走って貰いたいのは私だけでないでしょう。
安倍総理もプラユット首相が滞在中、東海道新幹線を 利用することについて 「日本の高速鉄道の
技術力、快適なサービスを 実感していただければ」 と述べ、タイの新幹線導入を 期待しています。
タイ政権は、4,000億バーツ (約1兆4,600億円) を 投じて高速鉄道を 建設し、中国の鉄道と接続
する計画も発表しています。 タイ全土で南北線の高速鉄道を 中国に、東西線の高速鉄道を
日本に協力して貰う “腹づもり” らしいですヨ。 スカイトレインは中国からも入れているので
高速鉄道は、今まで一度も事故を 起こしていない世界一の新幹線を 導入して貰いたいですよネ。
今回のプラユット首相の訪日には、経済協力などの他に、もう一つの狙いがあったようです。
プラユット首相が率いる軍事政権は昨年5月の軍事クーデター以降、政治的混乱と低迷した経済に対し、
米欧から軍独裁体制に厳しい視線が向けられており、現在まで欧米などからはお声がかかっていません。
軍政としては、今回の訪日で初めて西側諸国に 「受け入れられた」 格好となります。 日本は日本で、
クーデターに懸念を 表明しつつも、国際社会から孤立し、中国と過度に接近していく危険性を 思えば、
苦渋の選択であり、またタイとの経済関係を無視できないという事情もあります。
プラユット首相は、こうした日本の立場を 見越し、自らの正統性を 内外にアピールした形となり
プラユット首相にとって、この訪日は成功裡に終わったのではないでしょうかネ ・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます